遊爺雑記帳

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『進むも地獄、止まるも地獄』 習近平、進退窮まれり

2019-05-10 01:38:35 | 中国 全般
 米中の貿易交渉。決着に向かうとの見方がありましたが、トランプ大統領の突然の追加関税率引き上げ発言で紛糾。
 原因は、昨年末の習・トランプ両氏の会談で、知的財産権保護や国有企業優遇の是正などの構造改革を約束していましたが、4月末の協議で中国側は、技術移転強要を防ぐ法整備の約束を撤回、約束違反をしたことに、米国側が怒ったことによるのです。
 中国の裏切りについて、背景に国内からの有形無形の圧力があったと説くのは、評論家の宮崎正弘氏。
 
米「追加関税25%」表明で習政権“崖っぷち” トランプ政権“本丸”に中国の「覇権狙い」か 石平氏「『進むも地獄、止まるも地獄』の状況」 - zakzak 2019.5.9

 トランプ米大統領の追加関税表明が、中国の習近平国家主席を追い詰めている。米中貿易戦争再燃への懸念から米国株は急落し、8日の東京市場も前日に続いて大幅下落するなど世界株安が続いた。トランプ氏にとって関税は、貿易協議の交渉カードではあるが、真の標的は知的財産の収奪や強制的な技術移転、「一帯一路」構想、第5世代(5G)通信など、中国の覇権狙いの姿勢そのものだ。日本も米国との協力姿勢を鮮明にしており、「新冷戦」は本格化しそうだ。

 「対中協議の進展は遅すぎる」「(対中貿易赤字は)これ以上は認められない」-。トランプ氏はツイッターで中国への不満をぶちまけた。
 中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)分に対する追加関税率を10日に10%から25%に引き上げ、残りの輸入品にも25%の関税を「速やかに」課す意向を示すなど
9、10日の米中閣僚級協議を前に、強烈な「トランプ砲」を放った

 
貿易協議は「90%を超える部分で決着した」(米国商業会議所幹部)とみられていたが、4月末の協議で中国側は、技術移転強要を防ぐ法整備の約束を撤回、ナバロ大統領補佐官ら対中強硬派が懸念していた「約束破り」が現実化した
 激怒したのはトランプ氏だけではない。技術移転問題は解決済みと受け止めていたライトハイザー通商代表は「蒸し返された」と怒りを隠さず、穏健派のムニューシン財務長官まで「中国が大きな変化をもたらす協定の文言を削った」と問題視した。

 習氏は昨年末のトランプ氏との会談で、知的財産権保護や国有企業優遇の是正などの構造改革を約束したが、3月1日の期限を延長しても納得できる対応がないままで、米国側の不信感は極まっている。
 
中国の裏切りについて、背景に国内からの有形無形の圧力があったとみるのは中国事情に詳しい評論家の宮崎正弘氏。「3月の全国人民代表大会で、(習指導部が掲げる産業政策の)『中国製造2025』に一行も触れることができなかったのは習氏にとって屈辱だった。習氏はもう一度、立て直しを迫られたのだろう」とみる。

 中国側は米国産農産物やエネルギーの輸入拡大を打ち出しているが、
トランプ政権が狙う“本丸”は、共産党が産業育成に関与する中国の経済体制そのものだ。
 海外企業に技術移転を強要したり、知的財産や情報を不当に入手するやり口を問題視している。5Gの通信技術や巨大経済圏構想「一帯一路」を名目にした中国の覇権狙いも米国にとっては見過ごすことができない問題だ。

 米国内ではトランプ氏に追い風が吹いている。
対中強硬姿勢について、野党民主党のシューマー上院総務が「中国に屈するな」と応援ツイートした。失業率が低下するなど経済は好調で、米世論調査会社ギャラップによると、トランプ氏の支持率が46%となり、ギャラップによる大統領就任以来の調査で最高を記録した。

 貿易問題では米国と協議中で対立点も少なくない日本だが、対中戦略では共同歩調を取っている。昨年9月の日米共同声明では、中国を名指しこそしなかったものの、知財の収奪や強制的技術移転、貿易歪曲的な産業補助金、国有企業による不公正な貿易慣行などの問題を列挙した。

 
追い詰められた習政権。香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国国内は保守派が「米国に譲りすぎるな」と声を上げ、交渉団トップの劉鶴副首相らに対する風当たりも強い。

 今後の見通しについて評論家の
石平氏は「関税引き上げに至るのではないか。中国側は部分的な妥協策を考えるだろうが、全面的に降伏すれば習氏のメンツが保たれず、米国に屈した指導者として歴史に残る。プライドを保てば中国経済がつぶれ、習氏の責任が問われる『進むも地獄、止まるも地獄』の状況だ」と語った。

 諸兄がご承知の通り、米中貿易戦争での米側の貿易赤字解消はとっかかりの課題ですが、今や米中の覇権争いに戦線は拡大。トランプ氏の真の標的は知的財産の収奪や強制的な技術移転、「一帯一路」構想、第5世代(5G)通信など、中国の覇権狙いの姿勢そのものとなってきているのですね。
 
 中国の裏切りについて怒っているのは、トランプ氏だけではなく、ナバロ大統領補佐官ら対中強硬派、ライトハイザー通商代表、穏健派のムニューシン財務長官までも怒り、更には、野党民主党のシューマー上院総務が「中国に屈するな」と応援ツイートするに至っているのだそうで、米世論調査会社ギャラップによると、トランプ氏の支持率が46%となり、ギャラップによる大統領就任以来の調査で最高を記録したのだそうです。

 中国国内では保守派が「米国に譲りすぎるな」と声を上げ、習近平氏を追い詰めているのだと。
 
 今後の見通しについて評論家の石平氏は、「中国側は部分的な妥協策を考えるだろうが、全面的に降伏すれば習氏のメンツが保たれず、米国に屈した指導者として歴史に残る。プライドを保てば中国経済がつぶれ、習氏の責任が問われる。『進むも地獄、止まるも地獄』の状況だ」と。

 9、10両日の米中閣僚会議は予定通り開催されることとなりましたが、米側の10日からの追加関税25%への引き上げは実施されるとのこと。
 米中、閣僚級貿易協議へ=物別れなら関税合戦悪化―中国の譲歩焦点(時事通信) - goo ニュース

 ニューヨークでも東京でも株価が下がっていますね。
 進退窮まりつつある習近平の決断と、中国国内の反応が注目されます。


 # 冒頭の画像は、30日、北京での閣僚級貿易協議に出席した(左から)ムニューシン米財務長と劉鶴副首相、ライトハイザー米通商代表
  米、対中関税10日引き上げ 10→25%「協議は続ける」 - 産経ニュース





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