この絵は完成までにかなり時間が掛かりました。
肝心の妙高山がピークが並んだ形なのでどうも
収まりが悪いのです。
奥にある山が決まらなければ手前の景色を
描くことが出来ませんから手前が下書きのまま、
長い間、山の形や色を描いたり削ったり試行錯誤していました。
半年くらいそんな摸索を続けていましたが
あるときふと気付きました。
妙高山は山だけで成り立っているのではなくその周りの裾野や空、
その他諸々の要素から成り立っているのだという事を、です。
その後は筆はスムーズに進みました。
木立を描き、雪面を描き、としていると、あんなに気になっていた
双頭の妙高山が画面にうまく収まってくれました。
案ずるより産むが易し、と言うところでしょうか。