処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

懐かしの洋楽ヒットS盤50

2009-03-05 14:58:25 | 音楽

CD club 2月新譜

 

MEMORABLE POPULAR HITS S BAN 50 Golden RadioDays

 

                      

 

嬉し懐かしあの「S盤アワー」が帰って来た。といっても、リバイバル・ブームはもう10年も前のことになるらしい、ということを今回初めて知った。

文化放送の開局は、昭和27年4月2日。その3日後から18年間にわたり放送された人気洋楽番組。はじめは15分番組、人気が出るに従い、20分、30分と時間枠が広がっていった。最盛期には全国40局にネットした。

 

            

                             文化放送旧社屋

 

思春期の生意気盛りに、ソニーのトランジスター・ラジオに齧り付いて毎週夢中で聴いたポップス達。水曜日夜9時半。オープニングでビクターのニッパー犬が吠えて、ペレス・プラードの「エル・マンボ」が流れ出すと周りの世界が一瞬に変わった。

 

何がよくて聴き続けたか。音質とDJだったろう。78回転SPレコード盤が音源の主流の当時、オリジナルのマスター・テープの威力は新鮮かつ迫力があった。

そして、独自の語り口で女性らしい温かな音声のDJ・帆足まり子。

一度は会ってみたいと焦がれたものだった。

放送200回記念の催しでは定員524名の山葉ホールに6000人が押しかけたというから凄い。当時人気DJの志摩由紀夫、小島正雄、関光夫も顔色無しといったところだ。彼女は、ビクターの社員でこの番組開始にあわせDJに起用された素人だったというのも今回知った。

 

                           

                 帆足まり子

S盤とは、戦後、日本ビクターがアメリカのRCAとの契約のもと、売り出すレコードにS-1から始めたことによる。SはSpecialのS。ちなみに、L盤は、アメリカのコロンビア・レコードのSP盤で、日本コロンビアが出した。P盤は、ポリドールのレコード盤をいう。番組としては、東京放送がL盤アワー、ニッポン放送がP盤アワーとして後に続いた。

 

  

<DISC1>

 1.エル・マンボ/ペレス・プラード楽団

 2.キャトル・コール/エディ・アーノルド

 3.ムーンライト・セレナーデ/グレン・ミラー楽団

 4.青いカナリヤ/ダイナ・ショア

 5.オー・マイ・パパ/エディ・フィッシャー

 6.帰らざる河/マリリン・モンロー

 7.セレソ・ローサ/ペレス・プラード楽団

 8.パパはマンボがお好き/ペリー・コモ

 9.はだしのボレロ/ユーゴー・ウィンターハルター楽団

10.青い月影/ロス・トレス・ディアマンテス

11.裏町のお転婆レディ/エームス・ブラザース

12.チャ・チャ・チャは素晴らしい/エンリケ・ホリン楽団

13.マンボNO.5/ペレス・プラード楽団

14.ショー・ジョー・ジ/アーサー・キット

15.マンボ・バカン/ソフィア・ローレン

16.黄金の銃を持った男/リチャード・マルトビー楽団

17.ハートブレイク・ホテル/エルヴィス・プレスリー

18.誇り高き男/スリー・サンズ

19.カナダの夕陽/ユーゴー・ウィンターハルター楽団

20.バラの刺青/ペリー・コモ

21.ジェルソミーナ(道)/スリー・サンズ

22.バナナ・ボート/ハリー・ベラフォンテ

23.ラヴ・ミー・テンダー/エルヴィス・プレスリー

24.ダイアナ/ポール・アンカ

25.クレイジー・ラヴ/ポール・アンカ 

 

                 

     ペレス・プラード                        ダイナ・ショア

 

<DISC 2>

 1.君はわが運命/ポール・アンカ

 2.あなたの肩にほほうめて/ポール・アンカ

 3.恋の片道切符/ニール・セダカ

 4.恋の一番列車/ニール・セダカ

 5.月影のなぎさ/アンソニー・パーキンス

 6.鈴懸の道/鈴木 章治

 7.谷間に三つの鐘がなる/ブラウンズ

 8.死ぬほど愛して/アリダ・ケッリ

 9.メロンの心/ローズマリー・クルーニー

10.太陽の誘惑/ニコ・フィデンコ 

11.ライオンは寝ている/ザ・トーケンズ

12.すてきな16才/ニール・セダカ

13.悲しき慕情/ニール・セダカ

14.太陽はひとりぼっち/コレット・テンピア楽団

15.太陽の下の18歳/ジミー・フォンタナ

16.サンライト・ツイスト/ジャンニ・モランディ

17.小象の行進/ヘンリー・マンシーニ楽団

18.アイル・フォローヒム

19.バイ・バイ・バーディ/アン・マーグレット

20.マリア・エレーナ/ロス・インディオス・タバハラス

21.ジャワの夜は更けて/アル・ハート

22.太陽の彼方に/アストロノウツ

23.エンド・オブ・ザ・ワールド/スキーター・デイヴィス

24.貴方にひざまずいて/ジャンニ・モランディ

25.唄う風/ラルフ・フラナガン楽団

 

          

         アーサー・キット                  ペリー・コモ

 

それにしても、帆足まり子のDJの音声を入れてほしかったなあ。残念。

 

 

 

 

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チェ 28歳の革命、チェ 39歳 別れの手紙

2009-03-01 22:50:32 | 映画

 原題:CHE PART ONE ARGENYINE、 CHE PART TWO GUERRIlLA  

 製作国:アメリカ、フランス、スペイン

        

        

            PART 1 より

 

今年はキューバ革命50周年。ゲバラは、20世紀最大の革命家として、時代を超えていまだに光を発する存在である。キューバの成功とボリビアの失敗。裕福な家庭で高等教育を受けながら、家族を捨てての貧民のための転戦。

’04のウォルター・サレス監督による『モーターサイクル・ダイアリーズ』と対をなす後半生記として観ることも出来る。

 

2部作、総上映時間が4時間25分にもなるドキュメント・タッチの大作。約7年間かけての研究とリサーチ、主役のベニチオ・デル・トロの25キロの減量とスタッフの思い入れは相当なものだ。

 

稀有の革命家の生涯を描き切ったとはいえないが、世紀のカリスマの実像に迫ろうという意欲は伝わってくる。

ソダーバーグ監督はゲバラについて「医師としては温かな人だったが、戦闘の中では厳しい人。公平で感情豊かだが感傷的ではない。一緒にいて楽しい人ではなかったから離れていく仲間もいた。しかし彼にとっては他人との関係性よりも、目的のために戦うことのほうが大切だった」とインタビューで語っている。こうしたリーダーとしての人物像にはそこそこに迫り得たと言えるか。

 

他面、問題は、当時の時代背景やゲバラがキューバ革命にのめり込んだ動機や必然性、革命運動の系譜などについて、説明不足というか観客の理解への配慮が著しく欠けている。

 

 

         

           PART 2 より

 

ベニチオ・デル・トロの好演したゲバラに比べ、カストロ像はお粗末の印象を否めない。ミス・キャストでもある。

キューバの現政権は、この映画に関わっているのだろうか。であれば、果たして納得しているのかどうか。

 

アカデミー賞監督のソダーバーグをもってしても、キューバ革命を、ゲバラを、カストロを描ききることは出来なかった。それほどに歴史の事実は深遠であり、そこに生きた群像は、人物もスケールも大きく、商業映画に収まることは出来なかったということだ。

 

          

     エルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナ

 

オフィシャル・サイト 

 

 

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