毎日がしあわせ日和

ほんとうの自分に戻れば戻るほど 毎日がしあわせ日和

ふたつの世界

2018年03月08日 12時10分26秒 | 大好きな本・映画・ほか


きょうも映画 「インセプション」 から始まるお話ですが、内容にはそれほど触れないので 「ネタバレ注意」 はいらないかな?




きのうの 「合わせ鏡」 と同じく これまで氣になりながらもスルーしていて 今回引っかかったもうひとつが、「虚無」 というワード。

依頼者サイトーのライバル会社の御曹司 ロバート ・ フィッシャーへのインセプション任務で ロバートの意識に潜入するコブ一味ですが、彼が潜在意識を守るトレーニングを受けていたために 不意打ちで武装集団 (ロバートの防衛意識の投影) に取り囲まれ、なんとか脱出するも サイトーが重傷を負うピンチに。

ここで 「虚無」 が出てきます。

この仕事では 三層の夢という不安定な現場に潜り込むために いつもより強力な鎮静剤を使っているので、夢の中で死ねば 通常なら目が覚めるはずが、覚めずに 「虚無」 に落ち込むのだと。

「虚無」 とは潜在意識だけの世界で、落ち込めばそれが現実世界となり、尽きせぬ絶望の中で老いてゆき 孤独に死を待つことになるというのです。

この 「虚無」 、原語では 「リンボー」 となっているようで、「インセプション リンボー」 で検索すれば 映画内でのリンボーの意味づけについて いろいろと興味深い考察を読むことができますが、貴秋の意識は ここで映画を離れて飛躍します。




内的探究に没頭し出した当初は、真我だの潜在意識だのというものが 手の届かない神秘的で神々しいものに思え、そこに近づくのを阻むマインドの働きをいまいましく思ったものです。

小我の意識では知覚できない潜在意識ですが、私たちの言動を左右する引っかかりやわだかまりのおおもとがそこに潜んでいるとなれば なんとかして触れたいつながりたいと願うのは人情で、その前に立ちはだかる (ように見える) マインドがジャマに思えるのも まあ仕方がないといえば仕方がないこと。

しかし あきらめずえんえん探究を続けて見えてきたのは、この形ある三次元世界において マインドは必要欠くべからざるツールであり、真我とマインドがひとつになって初めて 私たちはこの “魂のゲーム” をやり遂げることができるのだということだったのです。 




貴秋の中では事実認定されているので そういう体 (てい) で書きますが、そもそも無限の意識が 自身の素晴らしさをただ知るだけでなく体験したいと望んだところから すべてが始まりました。

そのために 自分を細かく分けて 本来ないはずの 「自分でないもの」 という要素も含め さまざまな形を生み出し、コントラスト効果を体感できる この三次元世界に送り出しました。

そして 私たちそれぞれが、その分割されたひとかけらなのですね。




「自身の素晴らしさを体験したい」 というのは、不完全な存在である三次元世界の自分と無限の存在である本来の自分、この二つがそろって初めて叶う望みです。

体験的にほんとうの自分を知るとは、非力でちっぽけな一個人に過ぎないと思い込んでいた自分が、実は 時間にも空間にも囚われることなく 思うがままにすべてを創り出す力を持った無限の意識でもあった、と氣づくことで実現するのですから。

にも関わらず 出だしでまず引っかかってしまうのが、神である自分をさえぎる 個の自分そのものなんですね。




こうしてついつい否定的に見てしまいがちな小我 ・ マインドですが、「インセプション」 の 「虚無」 の設定は、このマインドや形ある世界の大切さを示してくれているように思います。

潜在意識だけの世界では、そこに新しい体験を付け加えることはできません。

体験は、三次元世界にあってこそできることなのですから。

たとえ今の状況が好ましくなかろうとも、どれほど絶望的な状況に陥っていようとも、二項対立というその性質上 わずかなりとも引っくり返すチャンスを秘めているのが、私たちのからだが置かれているこの三次元世界です。

「後悔を抱えて孤独と絶望の内に死を待つ」 というのは 体験を欠いた潜在意識に閉じ込められたからこそ起こることで、からだや思考や感情や記憶 その他さまざまな設定を持つ私たちは 決してあきらめることはない、必ずどこかに逆転のチャンスがあるのです。

そして あきらめずにがんばり抜いて そのチャンスを見事ものにしたのが、あの 「インセプション」 のコブだったと思うのです。




主なしの単体ではコントロール不能のマインドも、“在る” とひとつになることで これまでになかった可能性が大きく開けることを実感する毎日、ずっと氣になりながらどうしてもつかめなかった 「虚無」 がヒットしたのも 長年の伏線がまたひとつ解けたということかなと ちょっぴりうれしい氣分です (*^^*)