毎日がしあわせ日和

ほんとうの自分に戻れば戻るほど 毎日がしあわせ日和

「相棒 ・ 物理学者と猫」 とコロナ騒動

2020年04月25日 12時02分59秒 | 貴秋の視点、すなわち偏見
コロナ騒動を機にテレビとは距離を置いていますが、そんな中で久々に見た 「相棒シーズン14」 の 「第17話 ・ 物理学者と猫」 。

もう何度も再放送されているものですが、いちおうここから先はネタバレ注意とさせていただきますね。

筋を知りたくない方は ごめんなさい、ここまでで。












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横着して あらすじはこちらに丸投げさせていただくとしまして (^^ゞ

おそらくただひとりの理解者であっただろう恩師を失い、傷心の堀井准教授。

その痛みからとる彼の行動は、何度繰り返しても悲劇に行き着いてしまいます。

そのたびに 「他に僕にどんな選択があるというんですか」 と訴える堀井。

その言葉に行き当たると 右京さんの指がぱちんと鳴るのを合図に時間が逆戻りし、またもや同じことの繰り返しに。。。というところで 決まって介入する一匹の黒猫。

事件解決ののちに右京さんが 「亡くなった成田先生の生まれ変わりかも」 とつぶやくこの猫が 書類を払い落としたり 受話器を外したり 突然部屋を飛び出したりするたびに、そこから新たな手がかりを見つけて 相棒コンビはループを巡りつつ推理を進めてゆきます。




喪失感、深い悲しみ、怒り、そんなネガ感情の渦に呑まれたままの堀井は、ループを何度行き来しても 否定的な結果しか生み出すことができません。

そんな彼に代わって俯瞰の位置から冷静に事実を導き出してみせるのが 右京さんなんですね。

結果、成田先生は堀井が疑った誰に殺されたのでもなく自殺で、そのきっかけとなったのが堀井自身の解いた数式だったことが明らかになり、ついには自分自身をも死に追いやろうとする堀井を あわやというところで相棒コンビが押し留めます。

そこで右京さんを通じて提示されるのが、謎だった 「RT」 という文字が意味する 「再考する、探究し続ける」 という新しい道。

ものみに徹した右京さんの視点を借りて ようやく現実を直視した堀井に、これまで考えもしなかった “他の選択” が姿を現した瞬間でした。




いまの私たちも 思いがけず新型コロナウイルスをきっかけに混乱の渦に投げ込まれ、多くの人々が不安や恐れにさいなまれています。

このまま渦に呑まれっぱなしでいるか、これを機に俯瞰の視点を獲得 ・ 強化するか、どちらを選ぶかは自由だし、どちらがいい悪いということでもありませんが、ただ 渦の中にいたままで 不安や恐れから抜け出るのは、あの堀井と同じく不可能なんですね。

私たちは物語と違って時間を遡ることはできませんが、いま ・ ここから選択を変えることはできます。

感情に流されず なにが起きているのか冷静に見つめる確かな視点をもつことで、あっぷあっぷしているときには見えなかった新たな選択肢が見えてきます。

そして その俯瞰の視点を思い出させ育ててくれるのが、コロナに怯えざわつく心そのものなのです。

いつ感染するかもしれない恐怖、この先の暮らしがどうなるのかという不安、そんな状況で大切な者たちを守らねばというプレッシャー、ルールを守ろうとしない者への怒り、そのひとつひとつを直視し感じる中から、思いも寄らない新しい物の見方が さりげなく姿を現します。

いまのこの世界のどんなトップやリーダーよりも信頼できる、頼もしく確かな導きです。