Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

懲戒免職

2021-10-13 | 日本映画(た行)
★★★★   2006年/日本 監督/渡邉あや

もし高校に気だるいオダギリ先生がいたら、確実に自分の男性観は狂っていただろう。峰不二子を黒板に描くオダジョーの危うさよ。彼を見つめる吉高由里子の瑞々しさよ。15分と言わず120分で観たかった。両者メゾンドヒミコ、紀子の食卓時代。美しさと儚さ全盛期の逸品。

妖精たちの森

2021-10-13 | 外国映画(や・ら・わ行)
★★★☆  1972年/イギリス 監督/マイケル・ウィナー

英国の郊外の大邸宅。下男と家庭教師の淫らな肉体関係。それを日々覗いている幼い姉弟。愛することは憎むこと。愛するものは死をもって繋がる。下男を慕う姉弟は彼らの言動を真似、無邪気な狂気を振るう。いわゆるアンファンテリブルものだが性描写も赤裸々でトラウマ納得の逸品。

本作後にラストタンゴinパリ撮入のMブランドのただならぬ妖気と、子供の心を持ったまま大人になった下男の人物造形が面白い。姉弟がどんどん感化される様は子育ての恐ろしさも感じさせる。そして汚らわしい男だからこそ惹かれる家庭教師の倒錯した愛。愛と憎しみ、清らかと汚らわしさの混沌。

007 ノー・タイム・トゥ・ダイ

2021-10-13 | 外国映画(た行)
★★★★☆  2021年/アメリカ 監督/キャリー・ジョージ・フクナガ

賛です。ダニエルボンドのフィナーレとして大いに堪能。3ヶ月ぶりの映画館ということもあり、大画面で聞くあのテーマソング、めくるめく世界美紀行、リヌス・サンドグレンによるバチバチに決まったショットに大満足。とにかくダニエルクレイグお疲れ様!のための167分ですね。

ボンドという人間の一生を5部作のラストとしてよくぞまとめたなと感心。パロマもマドレーヌもそれぞれの美しさを存分に発揮。ラミとボンドの最後のアレはウルトラセブンオマージュ?と思ったのは私だけでしょうか。豪華ディナーいただいたようで満腹。おいしゅうございました。

空白

2021-10-13 | 日本映画(か行)
★★★★   2021年/日本 監督/吉田恵輔

父親のモンスター化から人の恨みや好奇心が玉突き事故のように誘発される。唸らされるのは敢えて意図的に見せない部分。父娘の今まではもちろん、万引き直後の店長と花音に何があったか、彼女をはねた女性と母親はどう過ごしていたか。それが空白。観客の中途半端な想像力を拒絶する凄み。

「あなたのためを思って」取る行動に人は救われず、何気ない一言で人は救われる。寺島しのぶと奥野瑛太(マイティ、ワンカットなのにおいしい!)の対比がすばらしい。片岡礼子のあの衝撃の言葉もしかり。他人の空白を他人が埋めることはできない。空白を埋められるのは自分だけなのだ。

架空OL日記

2021-10-13 | TVドラマ(日本)
もう永遠に続けばいいんじゃないの。それくらいの日常性と中毒性。最初はこのゆるさで大丈夫か?と思ったが、回を増すごとにキャラがグングン立ってくる。私の推しは小峰さま。オレも更衣室でコミネコールがしたい!コ・ミ・ネ!コ・ミ・ネ!

どこにでもいそうなOLという体を装っているけど、相手のダメなところもわかってて程よい距離を保っている5人の関係性は実は限りなくファンタジーではないか。そこが心地いい。 後、各キャラを反映した洋服のコーディネートがポイント高し!テレ東ドラマはいつもスタイリストさんが優秀。