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朝日新聞Re:お答えします「人一倍」の説明は不十分、歴史修正主義か?

2016-10-17 20:12:45 | ことば

 2016年10月16日の朝日新聞「Re:お答えします」の欄に、「『人一倍』はなぜ『人二倍』ではないの?」という質問に、「明治維新まで『一倍」は2倍の意味もあった』という回答がなされているのを読んだ。

 明治維新まで、「2倍の意味」で使用していたとする説明に、広辞苑や岩波古語辞典の用例、「日本の歴史15 織田豊臣政権」を引用している。そして、そのような使用をしないようになった理由として、明治維新に出された太政官布告の紹介していた。

 この部分の説明には特に異論はないのであるが、不充分な点は、なぜ明治維新までは「2倍の意味」で使用されていたのかという説明をしないのかという事である。つまり、源流についての説明をしていないのである

 これに似た事が以前、同じ朝日新聞の「ことばの広場」欄の記事にも見られたので、このブログに投稿したが、この記事も同様の手法なのである。

 結論を言えば、明治維新までの日本の文化は中国から伝わった漢字を使用する漢字文化圏に入っていた。だから、中国語的な表現方法、「言葉」の使い方が日本においても日常的に行われていたという事である。源流は中国語なのである。しかし、そこまで説明しないために中途半端なものになっているのである。また、故意にそのようにしている(歴史修正主義の立場)とは思いたくないのであるが、しかし、源流を書かない事が「情報操作」「洗脳」「マインドコントロール」の効果を生む事も事実である。この文責者は果たして気づいていないのか、それとも意図的なのか。

 「1倍を2倍の意味」で使用している現在でも通用している中国語表現を少し紹介しておこう。

○人口が2倍になった。⇒人口増加了一倍

○彼は私の2倍の収入がある。⇒他比我収入多一倍

○予想の2倍の申込みがあった。⇒応募的人比預想的多了一倍

などである。

※別稿「重陽記事『朝日新聞 ことばの広場』:煩瑣な知識より、天皇制がいかに処したか伝える事こそ必要」も読んでください。


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