神聖天皇主権大日本帝国政府は、アジア太平洋戦争での敗戦にいたるまで、臣民(国民)に対し、政府が捏造した、「神聖天皇による建国神話」を刷り込み洗脳し奴隷扱いし、世界制覇のために命をも軽く扱った。二度と同じ轍を踏んではならない。以下に、紀元2600年奉祝会と日本放送協会(現NHK)が制定した、奉祝国民歌『紀元(皇紀)2600年』の歌詞を紹介しよう。
1、金鵄輝く日本の 栄えある光 身に受けて
今こそ祝え この明日
紀元は二千六百年 ああ一億の胸は鳴る
2、歓喜あふるるこの土を しっかと我ら 踏みしめて
遥かにあふぐ おほみこと
紀元は二千六百年 ああ肇国の雲青し
3、すさぶ世界に唯一つ ゆるがぬ御世に 生い立ちし
感謝は清き 火と燃えて
紀元は二千六百年 ああ報国の血は勇む
4、潮豊けき海原に さくらこぶしの 影おりて
世紀の文化 また新た
紀元は二千六百年 ああ燦爛のこの国威
5、正義凛たる旗のもと 明朗アジア打ち立てし
力と意気を 示せ今
紀元は二千六百年 ああイヤサカの陽は昇る
何と独善的な価値観を正当化し、それに自己陶酔した歌詞であろうか。
なお、神聖天皇主権大日本帝国政府が、その紀元2600年の紀元とした「神武天皇即位」を正当化する言葉を使用した法令が現在も効力を有している事を知っているだろうか。日本国憲法下において、今なおこの法令が効力を有している異常な状況を速やかに改めなければならないのではないだろうか。
その法令は、1898年勅令第90号「閏年に関する件」で、その文章は「神武天皇即位紀元年数の4を以て整除し得べき年を閏年とす 但し紀元年数より660を減じて100を以て整除し得べきものの中、更に4を以てその商を整除し得ざる年は平年とす」というものである。
このような非科学的で偏向した思想に基づいた神聖天皇主権大日本帝国政府によって定められた法令が、日本国憲法下の現在において効力を有している事は極めて異常であろう。戦前の為政者(戦後の自民党系)が敗戦後も天皇制を存続させる事に成功した事と大いに関係している事は明らかであろう。
(2019年12月8日投稿)