OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

出会ってから49年目の秋

2016-10-01 17:03:29 | Soundtrack
■アンヌのテーマ / 冬木透 (vap)
 
 01 イメージポエム:アンヌの休暇 (ナレーション:ひし美ゆり子) / アンヌのテーマ:Nocturne
 02 ウルトラ警備隊の休日 (from ウルトラセブン)
 03 希望
 04 ミラーマン
 05 モロボシ・ダンの光と影
 06 Sonata / Sieste1999  (from ウルトラセブン1999)
 07 帰ってきたウルトラマン
 08 ファイヤーマン
 09 Tenderness (from ウルトラマンレオ)
 10 ウルトラマンレオ
 11 ウルトラマンA
 12 アンヌのテーマ:Serenade
 13 フルートとピアノのための協奏曲 1999 (from ウルトラセブン1999)
 14 UGMの休日 (from ウルトラマン80)
 15 心を燃やすあいつ:矢的猛の歌 (from ウルトラマン80)
 16 Divertiment 1999 (from ウルトラセブン1999)
 17 ウルトラの母のバラード (from ウルトラマンタロウ)
 18 平和 (from ウルトラセブン)
 19 アンヌのテーマ:Nocturne

49年前の今日、つまり昭和42(1967)年10月1日、テレビ特撮ドラマ「ウルトラセブン(TBS)」において、そのブラウン管越しに忽然と現れた防衛軍ウルトラ警備隊の友里アンヌは、瞬時に少年時代のサイケおやじを魅了し、以来現在まで継続している片思いのトラウマは、劇中彼女を演じていた菱見百合子=現・ひし美ゆり子という女優さんへの叶わぬ恋の物語……!
 
なぁ~んていうのは、些か面映いわけですが、それでも自分の気持ちに偽りはありません。
 
ですから、菱見百合子=現・ひし美ゆり子が出ている映画やテレビ番組、雑誌グラビアや写真集等々を何時も様々な意味で心の支えとしてきたわけですが、本日掲載掲載のCDもそのひとつです。
 
それは前述「ウルトラセブン」の劇伴音楽を担当した冬木透が西暦2000年に制作の所謂リラクゼーション・ミュージック集で、演じられている楽曲は上記のとおり、必ずしも「ウルトラセブン」関連だけでなく、他にも自身が提供した他の特撮作品、そして特に書き下ろしたメロディも含むという、なかなか嬉しい企画盤なんですが、加えてアンヌ=ひし美ゆり子のナレーションがメインで使われるというトラックが最高のプレゼントなんですよっ!
 
それがド頭の「イメージポエム:アンヌの休暇」で、しかもピアノ演奏でバックに流れるメロディ「アンヌのテーマ:Nocturne」は、今回の企画と為に特に書き下ろされた珠玉の名曲♪♪~♪
 
もちろん、その「ナレーション」のパートは、この企画が制作中のひし美ゆり子の声ですから、決して当時のアンヌ隊員のイメージとは同じではありませんが、だからこその「お楽しみ」が妄想へと繋がるのだっ!?
 
という思いは失礼でも何でもなく、それもサイケおやじの本性の表れとご理解いただければ幸いでございます。
 
また、「アンヌのテーマ:Serenade」と「アンヌのテーマ:Nocturne」は、楽器編成とアレンジを変えての別バージョンですから、とにかく素敵なジャケ写ブックレットや裏ジャケを眺めつつ、フルートやピアノ、そしてストリングスで奏でられる冬木透の音楽世界に浸りきるのも幸せな気分ですよ♪♪~♪
 
 
なにしろ冬木透は映画やテレビの音源制作の他に、実はこれが本業かもしれないキリスト教に関わる作曲や合唱曲も多く手掛けており、当然ながらクラシック音楽にも造詣が深いのですから、独特のコード進行やミステリアスな和声感覚に浮遊させられてしまうのはムベなるかな!?!
 
当然ながら、それはアルバム全篇に共通する魅力です。
 
初出作品では、もう1曲「モロボシ・ダンの光と影」も、なかなか味わい深い仕上がりだと思います。
 
それと「ウルトラセブン1999」関連のトラックは前年制作の音源をリマスターしたものらしいんですが、違和感がありません。
 
その意味では他の「ウルトラシリーズ」作品や「ミラーマン」「ファイヤーマン」関連楽曲の新録バージョンが温故知新というか、不思議な新しさを発散させているのが面白いところでしょうか。
 
最後になりましたが、ブックレットには冬木透、ひし美ゆり子、田口成光が参加した座談会が掲載されていまして、これまたファンには興味深いお話が出ていますので、それは読んでのお楽しみ♪♪~♪
 
 
ということで、今年が49年目ならば、いよいよ来年は50周年!
 
何か素敵なプレゼントに期待する、これからの1年であります。
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カッコ悪くても、イイじゃ~ないか

2016-02-02 14:47:26 | Soundtrack

関東流れ唄 / 渡哲也 (テイチク)

今も昔も、この世の中に、そうそう義理と人情が通用していたはずが無いことは分かっているつもりですが、ど~してもそういう美しいものに頼りたくなるサイケおやじは、如何にも中途半端な生き様を晒しています。

実際、これまで何回も「情に流されている」と批判され、反論する事が苦しかった過去は否定出来ません。

でもねぇ……、同じ自らの過去を振り返れば、義理と人情に助けられて来た事だって、何度もあったわけだし、仕事に関わる一切を全て法律やら契約やらで型どおりにやっていたら、それは守るべき第一義である事も分かりますが、なんとも後味の悪い部分が残ってしまうのも確かだと思うんですよ、少なくとサイケおやじの性格的には。

さて、そこで本日のサイケおやじのテーマ曲は掲載のシングル盤B面曲「関東流れ唄」で、これはもう、ジャケ写から一目瞭然、渡哲也が昭和46(1971)年に主演した日活ニューアクションの傑作「関東幹部会(澤田幸弘監督)」の主題歌ですから、泣きメロ優先主義の由樹俊一郎の作曲が歌謡フォーク調の演歌になっているのは言わずもがな、極道ヤクザと自らを卑下しつつも、希求する幸せを棄てざるをえなかった境遇を綴った宮原和男の歌詞を例によって朴訥と節回す渡哲也ならではの「味」が、ハードボイルドに心へ滲みてまいります♪

ちなみに映画本篇は所謂ヤクザ映画ではありますが、そのスタイリッシュな映像やジャジー&ソフトロックな劇伴も魅力的ですから、物語そのものは義理人情とドライな世相の板挟みを描いていながら、なかなかクールな仕上がりで、若き日のサイケおやじは封切公開から少し後の名画座興行で鑑賞して直後から、好きな1本になりましたですねぇ~~♪

そして実社会に出てからは、劇中で翻弄された登場人物や物語設定そのものが、全く自分の属する組織とか人間関係の諸々と重なり合ってしまう事が度々という、せつない場面がテンコ盛りを再痛感!?

確かビデオ化もされていましたし、ぜひともDVDかBDでも復刻して欲しいものです。

ということで、流されている自分を憐れんで、この「関東流れ唄」を口ずさんでいるわけでは決してないつもりですが、そんなふうに受け取られるのも吝かではないという、いやはやなんともお恥ずかしい……。

滞在中のゴッサムシティには、そんな古き良き和風の趣なんてものは感じられませんが、人種はちがっても、心根の共通部分は何かしら絶対にあるはずと信じている次第です。

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美しき冬のメロディ

2016-01-25 17:15:20 | Soundtrack

ホワイトロックのテーマ / Rick Wakeman (A&M / キングレコード)

やっぱり冬は寒くて、雪が降っても当然とは思いつつも、沖縄や奄美大島にまで霙!?

というのは、やっぱり極端でしょう!?!

四季の移り変わりは、その「極端」を嫌うところに味わいがあるはずで、しかしそれが儘ならないところに、この世の理があるのかもしれません。

ところが、流石に人間様のやることには逆説的な素晴らしさがあって、冬なればこその楽しみを求めて止まない欲望のひとつの形が「冬季オリンピック」という催し物でありましょう。

その為だけに雪や氷や強風低温の中で厳しい鍛錬を積み重ね、自らの能力の限界に挑む姿を世界中に見せつけるという、そのあまりにもストイックな美学があればこそ、我々は凍える中にも心の高まりを覚えてしまうわけで、だからこそ、そんなガチンコは美しくなければ見ていられないはずです。

そこで冬季オリンピックには、ひたすらに清廉で荘厳な美しい音楽が必要とされるのであれば、殊更映像に記録された中にこそ、件の目的は必要とされるにちがいありません。

本日掲載したのは、そのひとつ、1976年にオーストリアのインスブルック大会の記録映画「ホワイトロック」のサントラ音源アルバムからシングルカットされた、イエスのキーボード奏者として有名なリック・ウェイクマンが自作自演の「ホワイトロックのテーマ / After The Ball」がジャストミート♪♪~♪

とにかく緩やかなピアノの響きが紡ぎ出す美メロの快感、そして各種キーボードで作られたであろうバックの彩りの慎みのある融合は素晴らしいですよ♪♪~♪

まさにこんな時節に聴けば、何時までも虜になっていたくなります。

ということで、ふっと思えば、昔はオリンピックには記録映画がほとんど毎回作られていましたが、何時ごろからか、それが失せてしまったのは寂しくありませんか?

確かに現代は家庭用ビデオ機器やネットの普及により、放送&配信映像は簡単に誰もが残せる社会ですから、あえて映画という感動再生の手法は必要ないのかもしれませんが……。

映画には必ずや音楽が付随していますから、その楽しみまでもが無くなってしまうのは、勿体ないですよねぇ~~~。

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今も八月の砂は濡れているのか

2014-08-19 15:08:24 | Soundtrack

八月の濡れた砂 / 石川セリ (キャニオン)

今年の夏も暑く、また豪雨による大被害が報告される中、関西方面へ出張したサイケおやじが感じた事は、なんとなく西日本では夏が終わりかけているような……。

もちろん、夏はまだ、終っちゃ~~いないっ!

ということで、本日掲載したのは昭和46(1971)年の日活映画「八月の濡れた砂(藤田敏八監督)」より、同名主題歌を入れた石川セリのシングル盤です。

しかし、ご存じのとおり、この映画が封切られた同年8月末は日活が経営不振で瀕死の状況であり、結果的に以降はロマンポルノ路線に転じて行った事で、芸能史的には「日活最後の一般映画」という認識ばかりが取沙汰されるのは、いやはやなんとも……。

そりゃ~、確かに映画本篇は、何かが起こりそうで、実は青春の焦燥を表現したとしかサイケおやじには思えない、何にも起こらない無気力節の心地良さみたいな作品ですから、それが如何にもリアルタイムの世相にはジャストミートしていたのでしょう。

かなりの高評価が今も継続しているのは、皆様ご存じのとおりです。

そして忘れてはならないのが、石川セリが歌った主題歌「八月の濡れた砂」で、サイケおやじには、むしろそれがあってこその映画というのが本音なんですよ♪♪~♪

あぁ、作詞:吉岡オサム&作曲:むつひろし、そして編曲:秋葉洋による、せつない歌が石川セリの外人系の節回しで表現されてしまう狙いを、あざといと言うなかれ!

実は映画本篇では、この主題歌よりも、イメージサントラ音源としてのメロディがさらにグッとサイケおやじを惹きつけているんですが、それはコーラスがメインのインスト系ですから、やっぱり歌詞を聞かせてくれる石川セリの倦怠フィーリングが逆に熱いわけでしょうか。

ところが、このレコードが出たのは翌年春の事であり、ヒットチャート云々で語られるような売れ方はしなかったと記憶しているんですが、同時にラジオの深夜放送では、なかなかオンエア率が高かったような気がしています。

ですから、サイケおやじは今でも「八月の濡れた砂」を聴くと、映画本篇の様々なシーンが所謂走馬灯のように浮かんでは消えるという、使い古された恥ずかしい表現に陥るのですが、既に述べたとおり、個人的には映画としての「八月の濡れた砂」は感性に合っていません。

むしろ同時上映された夏純子主演の「不良少女魔子」が百倍も千倍も好きな作品なんです!

そこで窮余の一策!?

映画本篇と主題歌を切り離して楽しむのが得策と、自分に言い聞かせてながら、今日まで長い年月が流れてしまいました。

そこで映画「八月の濡れた砂」については、詳しく述べる事なんてことは、サイケおやじにとっては暴挙と不遜というわけです。

ちなみに当然ながら、作品そのものはビデオ時代を経て、現在ではDVD化されているので、サイケおやじは件のイメージサントラ音源を入れたCD付のソフトを買ったんですが、やるせないメロディが心に滲みるCDばっかりを車の中で鳴らしては、あの夏の日の思い出に浸るような自己満足をやっているのですから、お恥ずかしい……。

最後になりましたが、「八月の濡れた砂」から「ざんげの値打もない」を聴いたり、歌ったりしたくなる皆様におかれましては、サイケおやじも強く共感を覚える次第でございます。

失礼致しました。

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愛のバラードで美しく散れ…

2014-02-20 14:24:00 | Soundtrack

愛のパラード / 大野雄二 (日本ビクター)

流石に今朝は気分が重い……。

何故って、深夜から日付が変わる頃を過ぎて、ずぅ~~っと釘付けになっていたソチ五輪女子フィギュアスケートのテレビ中継……、そのショートプログラム最終滑走の浅田真央が、まさかの低迷ですからねぇ……。

もう、愕然唖然で気が抜けしまったですよ……。

そりゃ~、勝負の世界は非情、しかも舞台は選手が各人、国旗を背負ってのガチンコですから、全ての結果を受け入れるしかないところに絶対的な価値があるわけですが、それにしても、あの結果は……。

正直、メダルどころか、入賞も難しいでしょう。

そういう現実を受け入れる事が、これまで彼女の演技に接して、一喜一憂してきたサイケおやじのとるべき態度だと思います。

確か彼女は、この五輪を最後に競技第一線からは引退の意向も示されていたとなれば、尚更にその気持は強いです。

そして次のフリーの演技では、美しく散って欲しいというのが、サイケおやじの希望なんですよ。

そこで願いが叶うなら、最後の浅田真央には、掲載したシングル盤A面曲「愛のパラード」で、優雅な悲しみを秘めた、素晴らしい氷上の舞を見せて欲しく思っています。

ちなみに説明不要かもしれませんが、この「愛のパラード」は昭和51(1976)年に公開された映画「犬神家の一族」の劇伴として大野雄二が書いた刹那のメロディ♪♪~♪

きっと今でも、誰もが一度は聴いたことがあろうかと思われるほど、その哀切感は痛烈で、流麗なストリングや緻密に重ねられたギター、チェンバロ風キーボードの使い方等々、現在のサイケおやじのマイナーチューニングな気分にはジャストミート……。

あぁ、もうトリプルアクセルも三回転のコンビネーションもいらない、この「愛のパラード」をバックに、ただただ、しなやかにシンプルにリンクで舞い踊ってくれれば、サイケおやじはそれで満足するでしょう。

うむ、「愛」とは悲しみも憎しみも、喜怒哀楽を全てを包み込むものと思うばかりなのでした。

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ゆり子と由美子のウルトラなお話

2014-01-05 17:19:03 | Soundtrack

ディスコ・ウルトラマン / ロサンゼルス・ウルトラ・バンド (日本コロムビア)

本日は予定どおり、ひし美ゆり子を電話ゲストに迎えての「原坂一郎と片山由美子の子どもの世界(FM amgasaki)」が放送され、時間が足りないっ! と思わず痛感されたほどの楽しさでした。

だいたいの中身はアンヌ隊員時代の「ウルトラセブン」がメインで、プレイガール時代はちょっぴりでしたが、番組では「ウルトラ警備隊の歌」が流された事から、急に関連音源を聴きたくなって、現在私有のレコードの大半を置いているトランクルームに行ってみたら、掲載の面白盤を発見してきました。

それはディスコブームが続いていた昭和54(1979)年に制作された、ご推察どおりのブツで、皆が知っている、あの「ウルトラマン」の主題歌をインストメインのディスコアレンジで聞かせてしまうという、如何にも安易な企画シングルなんですが、スタジオセッションプレイヤーが担当しているであろう演奏はソツのないスリルに満たされ、ボーカルパートは「うるぅ~とらまぁ~~ん」という掛け声的な女性コーラスのみ!?

他にはウルトラマンが十八番の「ジュワッ」という自己啓発の気合声と怪獣の叫びがSEとして用いられている、たったそれだけの仕掛で、3分半ほどを聞かせてしまうんですから、侮れません。

どうやら真相は、同時期に編集公開された「実相寺昭雄監督作品ウルトラマン」の挿入歌だったと言われているんですが、実はサイケおやじには、これを買った記憶が無くて、ターンテーブルに乗せる時に確認したら、業界の人から貰ったサンプル盤でした。

さて、そこで話は戻りますが、個人的な希望としては、ひし美ゆり子&片山由美子のトークセッションであれば、各々が共通に出演した石井輝夫監督作品についても語って欲しいんですよねぇ~。

石井輝夫監督の印象とか演出のあれこれ、現場の雰囲気等々!??!

まあ、このあたりは成人映画でもありますから、なかなか現在の状況では難しい領域かもしれませんが、ファンとしては大いに興味を惹かれるのが、正直な気持ちかと思います。

ということで、おそらくはこれから先、きっと再会トークショウが企画開催されると思いますので、この場でのサイケおやじの我儘なリクエストとさせていただきます。

楽しみは続きますねぇ~♪

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どこを聴いても大野雄二

2013-12-26 14:46:20 | Soundtrack

大追跡のテーマ c/w 黄昏は男の香り / 大野雄二 (ディスコメイト)

昭和のテレビドラマで人気を集めたジャンルのひとつが所謂刑事物、探偵物でした。

それは例えば「七人の刑事」「太陽にほえろ」「大都会」「西部警察」、あるいは「キイハンター」「傷だらけの天使」「探偵物語」等々、枚挙にいとまが無いほどであり、当然ながら他にも個性的な味わいに満ちた作品がどっさり放映されていましたですねぇ~♪

それは全く十人十色のお好みの世界であり、しかしサイケおやじが特に忘れ難いのが、昭和53(1978)年春~秋に僅か(?)26話だけで終わってしまった「大追跡(日本テレビ)」です。

物語は横浜を舞台に、はみ出し者の警察官ばかりを集めた特殊捜査チームの活躍を描いた、幾分破天荒なドラマが毎回展開されており、もちろんド派手なカーアクションや銃撃戦はお約束♪♪~♪

しかも出演者が加山雄三、藤竜也、沖雅也、柴田恭平、長谷直美、渡辺文雄あたりの、とてもカッコ良くて、個性的な面々が揃っていましたからねぇ~♪

シリアス調からオトボケムードまで、万遍無く組み立てられた演出は、小澤啓一、長谷部安春、野田幸男、村川透、西村潔等々、その方面の鬼才監督が担当していたのですから、これで面白くない仕上がりになっていたら、アクションドラマの神様は激怒されるでしょう。

中でも当時、東京キッドブラザースのミュージカル系演劇で人気を集め、急速に注目されていた柴田恭平の起用はジャストミートだったようで、劇中では野暮天の堅物を演じた沖雅也にチャワチャワと絡む柴田恭平のヘラヘラしたコンビネーションは、それまでの刑事物の概念をちょっぴりですが覆すものとして、サイケおやじは好きでしたねぇ~♪

言うまでもなく、それは後の「俺たちは天使だ」や「あだない刑事」等々への絶大な影響となって結実するのですが、もうひとつ、サイケおやじを夢中にさせていたのが、大野雄二の担当した劇伴音源でありました。

もちろん結果から言えば、前年に作ったアニメ作品「ルパン三世」のサントラ諸々や同時期に手掛けた劇場用本篇「人間の証明」「最も危険な遊戯」あたりと重なる、スマートなジャズフュージョンやファンク歌謡の世界♪♪~♪

本日掲載したシングル盤は、そこから発売された「大追跡のテーマ」と「黄昏は男の香り」のカップリングになっていますが、どちらも実際のテレビサイズ音源とは異なる、独自のスタジオレコーディングテイクになっています。

あぁ、それにしても「大追跡のテーマ」は、モロに「ルパン三世」しているのも道理!

演奏クレジットが件の「ルパン三世」を演奏していた大野雄二(key,arr) 率いる「You & Explosion Band」になっていますから、松木恒夫(g)、岡沢章(b)、市原康(ds)、ジェイク・コンセプション(sax) 等々のメンツが共通参加しているのは、決して否定出来ないサウンドの仕上がりに顕著でしょう。

また、「黄昏は男の香り」にしても、まさに大野雄二の「節」が出まくった、好きな人には好きとしか言えない名曲名演と思います。

ちなみに「大追跡」の音源は、サントラ盤扱いのLPとしても出ていますが、特にこのシングル盤に収録の「テーマ」に関しては、アルバムとは異なるミックスになっていますので、要注意!

さらに前述のLPにしても、テレビサイズの音源を集めたものではなく、あくまでもスタジオの新録音盤としてお楽しみ下さいませ。

しかも嬉しいことに、ちょい前には、そのテレビサイズ音源を纏めたCDも発売されていましたので、気になる皆様はチェックしましょうね。

ということで、最後の告白になってしまい申し訳ありませんが、実はサイケおおやじがリアルタイムで接していたテレビドラマ「大追跡」は、その映像部分よりも劇伴に惹かれていたのが、本当のところでした。

逆に言えば、それこからドラマ本篇の面白さに目覚めたというわけです。

うむ、良い時代でした♪

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信ずることのカタルシス

2013-09-10 15:39:03 | Soundtrack

新幹線大爆破 (RCA)

いよいよ東京オリンピックが開催決定となれば、前回の昭和39(1964)年には未だ小学生だったサイケおやじにも様々な感慨が蘇っています。

それは東京の街の大改造が日本全国に波及していた事が実に大きくて、例えば古い建物や道路が壊され、日々次々に新しいものが作られていたという実感であり、特に東海道新幹線の開通は、ひとつの驚異と思えましたですねぇ~。

なにしろ「超特急」ですからっ!

東京~大阪が3時間!?

これは当時としては吃驚する他はないスピードでありました。

ところが、それを当たり前とする現実が直後にも継続進化していた我国高度成長の証であり、ついには昭和50(1975)年、それを破壊する映画「新幹線大爆破(東映・佐藤純弥監督)」が制作公開されたのですから、たまりません。

その強烈なカタルシスが日本だけでなく、世界的な大ヒットに繋がったことは、今や歴史と思うばかりです。

特に劇中、珍しくも高倉健=健さんが悪役、つまり新幹線爆脅迫事件の主犯であり、首尾よく大金をせしめて逃亡を図る終盤の流れでは、なんとか逮捕されませんように! と願う観客の気持が大勢を占めるであろう、その感情移入の根源が、高度成長社会から不条理に落ちこぼれた健さんに象徴される、当時の一般庶民の豊かになった社会の中の満たされない気持であったと思うのは、サイケおやじだけでしょうか?

しかも物語設定が、決して止まることの許されない新幹線高速列車、スピードが落ちれば仕掛けられた爆弾が爆発するという状況の中で、乗客や乗務員の焦りとジコチュウ噴出!

おまけに対応に追われる鉄道関係者や警察、そして政治家の自己保身と正義感のアンバランスな葛藤が、既に漠然とした前途を予感させていた当時の日本や世界の状況にアクセスしていた事は言うまでもありません。

いゃ~、ウケ狙いの大衆映画でありながら、後々まで如何様にも深読み出来る仕上がりになっているのは、名作のひとつの要件かもしれませんよ。

さて、そこで本日掲載のシングル盤は、その大ヒット映画「新幹線大爆破」からサントラ音源を抽出した1枚で、まずA面の「脱出へのパスポート」は不気味なスキャットが印象的に使われた、ちょいと地味なトラックなんですが、一方のB面「スーパーエキスプレス109」が、ジャズファンクの激熱演奏!

もう、初っ端からニューソウル全開のパーカッションとワウワウのリズムギター、ビシバシのドラムスにキメまくりのホーンリフが飛び出せば、快楽的なエレピや不安を煽るようなストリングスの響きも感度良好♪♪~♪ いゃ~、何度聴いてもグッと気持が高揚してきますよっ!

ちなみに劇伴を担当した青山八郎は幾分過小評価気味とはいえ、このトラックに参加しているスタジオ系ミュージシャン達の充実演奏を聴けば、納得の良い仕事だと思います。

さて、話は変わりますが、今回の東京オリンピック開催決定のキメ手となったのが、例の放射能汚染水問題に対する総理大臣の力強い対応宣言(?)とされますが、個人的には疑念を打ち消せません。

しかし総理大臣ともあろう御人が、あながちホラを吹いているはずは無いっ!

そう信じる他はないし、そう思いたいわけですよ。

逆に昨日、その原発事故に関連した訴訟において、菅直人や東電旧経営陣の不起訴が決まったという事については、これまた呆れた話です。

つまりオリンピックの東京開催が放射能汚染水問題で落選した場合、その犯人探しというか、責任を誰に押し付けるか?

その生贄予備軍にされていたのが、前述の顔ぶれだったと思うのは、サイケおやじだけではないでしょう。

ただし、不起訴になった彼等に責任が全く無いかと言えば、そんな事はありませんよねぇ~~~~~、絶対に!

問題は、どうにも納得出来ない胡散臭さが解消されていない現況と思います。

しかし同時に、些か使い古された言い回しではありますが、民主主義の日本においては、一度決めた事に対して、皆が一致協力するのが、あるべき姿という事です。

疑うことよりも、信じることが難しいのは、この世の真実のひとつかもしれませんが、それでも安心して新幹線に乗っている日々の安寧と同じように、福島の原発事故が収拾に向かうことを心から願っています。

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支離滅裂に祝・東京五輪!

2013-09-08 14:54:11 | Soundtrack

金メダルへのターン! / 佐々木早苗 (テイチク)

祝! 東京オリンピック開催決定!

あんまりにもベタですけど、やっぱり景気の良い話は必要ですよねぇ~~♪

もちろん震災復興や福島の原発事故による放射能問題とか、諸々の難問を抱えている我国ですから、安易に浮かれるのは禁物なんですが、ちぃ~~っとは前向きな希望を持てる、そのきっかけのひとつとしては大朗報だと強く思います。

そこで本日は、ついつい出してしまったというスポ根ドラマの主題歌で、そのものズパリの「金メダルへのターン!」であります。

放送されていたのは昭和45(1970)年夏からの1年間ほどで、タイアップ(?)のコミック連載もあったことから、主題歌レコードのジャケ写のイメージは、そこから作られているとはいえ、とにかく舞台設定が水泳ですからねぇ~~♪

ご推察のとおり、出演者の梅田智子や青木英美をメインに水着姿の美女が大勢登場し、所謂競泳水着でありながら、テレビドラマを意識したかのような、妙にファッションセンスの高いデザインが目の保養でありました♪♪~♪

そして物語はオリンピックを目指す水泳のエリートだった梅田智子が、ある水難事故から水に対する恐怖心を抱き、それを克服してライバルと対決するという、なかなかトラウマになりそうな展開が!?

しかも劇中では、本来はライバルであるはずの梅田智子と青木英美が、それぞれの父母の再婚によって姉妹になってしまうという、これまたアブナイ(?)演出が、今もサイケおやじには強い記憶になっています。

さらに実写版スポ根ドラマでは「お約束」である、特撮を使った超絶のキメ技がありまして、水中から飛び上がってしまう「トビウオターン」とか、意図的に津波現象を作り出して、相手を妨害する「ジェットターン」、他にも「空中回転ターン」とか「うずまきターン」等々、丸っきり反則としか思えない噴飯物の特殊技能があればこそ、なかなか面白くなっていました。

ちなみに制作は東宝だったので、同社系の出演者も多数登場していたんですが、本物の水泳選手からタレント活動でも人気があった木原美知子が、そのまんまの存在で物語に加わっていたのも、妙にリアル感がありましたですねぇ~♪

さて、そこで本題の主題歌は作詞:田波靖男&雨宮雄児、作曲:渡辺岳夫、そして編曲:竹村次郎による如何にもの元気調であり、レコードでは佐々木早苗が溌剌と歌っているんですが、テレビ放映バージョンは、もしかしたら別のボーカリストが担当しているような……。

まあ、それはそれとして、もうひとつ忘れられないのが、このテレビドラマには矢鱈に「日の丸」が映し出されていた記憶も強いんですよ。

そのあたりを「国策」とは申しませんが、世界へ挑戦し、飛躍せんとする我国全体の高揚感を象徴し、煽る意味合いとしては、なかなか真っ当な演出だったのかもしれません。

気になるお目当ての美女の水着姿では、やはりモデル出身の青木英美の美しすぎる脚線美とナチュラルにセクシーな振る舞いが高得点♪♪~♪

しかし一方の梅田智子にしても、これまた上手すぎるとしか言えない演技力の冴えを存分に披露していましたからねぇ~~、今こそソフト化したら爆発的に売れると思うんですが、いかがなもんでしょうか。

ということで、オリンピックの歌としては、ご存じ「東京五輪音頭」が大有名でありますから、これからいよいよ「新・東京五輪音頭」みたいな企画が出ることを楽しみにしています。

個人的には、さくらまや!

きっと立派に歌うと思うですが、カップリングには、この「金メダルへのターン!」を入れて欲しいと、密かに願っているのでした。

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ハードボイルド憧れ症候群

2013-05-30 15:41:26 | Soundtrack

野獣死すべしのテーマ c/w TOKYOマシーン / 荒川バンド featuring 岡野等 (日本コロムビア)

今週も首吊りの足を引っ張るが如き仕事をやっているサイケおやじではありますが、決して好きでやっているわけじゃ~ないっ!

という言い訳なんか、誰も信じてはいないでしょう。

んなぁ~こたあ、百も承知なのが、まあ、サイケおやじの、せめてもの矜持ってやつです。

でもねぇ~、出来れば誰だって、穏やかにやっていきたいはず……。

そんなこんなから、思わず悲壮感に酔ってしまいそうになるサイケおやじの心に滲み入るのが、本日掲載のシングル盤A面曲「野獣死すべしのテーマ」というわけなんですが、現実はこんなにハードボイルドなカッコ良さなんか、ありはしません。

しかし男に生まれた以上、一度はやってみたいのが、このジャケ写の世界だと思っているわけです。

そしてバックに流れるのが哀切のトランペットによるクールなメロディ♪♪~♪

書き遅れてしまいましたが、このシングル盤は松田優作主演による同名大ヒット映画のテーマを収めた1枚で、現実的にはフィルムバージョンではなく、レコード用のバージョンになっています。

しかし前述したとおり、マイルス・デイビスっぽいイメージで吹いてくれる岡野等のトランペットが、たまらない「泣き」の世界を提供してくれますし、バックを務める荒川バンドは、才人・荒川達彦(sax,key,arr) 率いる名人揃いのグループですから、その完成度は言わずもがなでしょう。

ちなみに岡野等も荒川達彦も基本的にはジャズプレイヤーでしょうが、我国ではスタジオでの仕事も夥しく、レコーディングクレジットの有無にかかわらず、彼等の音は絶対に耳へ届いているはずです。

もちろんそれは広範な音楽的才能に裏打ちされたものですから、ここでB面に収録された「TOKYOマシーン」が、死ぬほどシビレるジャズファンクなのは当然が必然!

疾走感満点の演奏をリードするチャカポコのパーカッションとファンキーなギターカッティングも高得点です♪♪~♪

いゃ~、この襲いかかって来るブラスのリフの切れ味、テンション高過ぎという他は無い岡野等のトランペット、エグ味の効いたベースとドラムスのコンビネーション!

もう、全篇キメまくりの演奏には、何にも言えませんよっ!

とにかく聴けばスッキリのB面にヒリヒリした感傷のA面という、これはサイケおやじの必需品のひとつであります。

ということで、最後になりましたが、大藪春彦の原作を映画化した「野獣死すべし」は、このシングル盤が作られた松田優作主演による昭和55(1980)年版の東映作品の他に、昭和34(1959)年の仲代達矢主演による東宝作品、さらに昭和49(1974)年の藤岡弘主演による同じく東宝作品の「復讐のメカニック」という、何れ劣らぬ素晴らしいハードボイルド物が残れされています。

そして幸いな事に現在、前述の3作品が全てDVD化されていますので、機会があれば、ぜひともご覧くださいませ。

三者三様のハードボイルドが堪能出来ますし、そこに自らの生き様を重ね合わせるのも、決して勘違いでは無い!

そう、サイケおやじは、信じているのでした。

コメント (2)
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