OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ビートルズカバー曲の不滅

2016-05-29 17:35:56 | Rock
The Long And Winding Road / Peter Frampton (A&M / キングレコード)
 
今にして思えば、ロック&ポップスというよりも、様々な面で洋楽が一番良かった時代は、1970年代後半だったんじゃ~ないでしょうか。
 
もちろんその頃はロックを作った偉人達、例えばエルヴィス・プレスリージミ・ヘンドリックスは鬼籍に入っていましたし、またビートルズも形骸化していましたが、それゆえに逆説的な発展が頂点に達していたような感じで、言葉は悪いかもしれませんが、もしかしたら「洋楽バブル期」だったように思うんですねぇ~~。
 
中でもビートルズの金字塔アルバムをモチーフにし、1978年に制作公開されたミュージカル映画「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」はビージーズとピーター・フランプトンという、まさに当時人気絶頂だった洋楽スタアをメインに、エアロスミスアース・ウインド&ファイアービリー・プレストンアリス・クーパーまでもが出演した豪華絢爛な作品で、当然ながら劇中にはビートルズの名曲カバーがテンコ盛り♪♪~♪
 
しかも、それらをプロデュースしたのがビートルズ所縁のジョージ・マーティンですから、後は自ずと足は映画館へ向かったものの、結論から言えば映画そのものは決して傑作とは言い難く……。
 
なにしろナレーションは入るものの、登場人物には台詞が無いに等しいんですから、一応は第一次世界大戦中に戦場で音楽を演奏し、平和をもたらした伝説的なバンドリーダーのサージェント・ペッパーの孫達が、その英雄没後にロンリー・ハーツ・クラブ・バンドを再興させ、あれやこれやの紆余曲折を経て成長していくという物語は分かり易いんですが、やっぱり歌や演奏シーンだけでは「映画」としての面白味に欠け、贅沢なプロモーション映像集ってな仕上がりだったというのが、サイケおやじの偽りの無い感想でした。
 
ただし、それゆえにというか、同時に発売された2枚組LPのサントラ音源集の出来は侮れない内容で、そこに登場した歌手やバンド各々による名唱名演がシングルカットされ、大ヒットした事は間違いのない現実だったんですねぇ~~♪
 
例えばピーター・フランプトンが出した本日掲載のシングル盤A面曲「The Long And Winding Road」はビートルズのオリジナルバージョンの味を損ねていない、なかなか素直な仕上がりでイヤミがなく、ジョージ・マーティンの的確なプロデュースが大正解だった実証作と思います。
 
ちなみに書き遅れていましたが、件の映画は決して原作アルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」に所収の楽曲だけでなく、他の「ビートルズの聖典」が多数使われているのは今に至るも嬉しいところ♪♪~♪
 
まあ、ビージーズが歌う「A Day In The Life」という気持ちの悪いテイクもありますが、エアロスミスの「Come Together」やアース・ウインド&ファイアーの「Got To Get You Into My Life」あたりは、ノー文句でカッコE~~ですよっ!
 
どうやら近々、その前述したサントラアルバムがリマスターされてCD再発されるらしいので、機会があれば皆様にもお楽しみいただきとうございます。
 
それとこの機会に書いておきたいのが、肝心の映画を制作したロバート・スティグウッドの事でして、ご存じのとおり、この人物はビージーズクリームのマネージメントで成功し、ビートルズが自ら設立したアップルコープスとの関係も微妙な立場でありながら、同時期には世界的なヒットミュージカルのイギリスにおける興行権の獲得や新しいレコード会社としてRSOを発足させ、そこにエリック・クラプトンを囲い込む等々、なかなか商売上手だったようです。
 
そして決定的なのはミュージカル物に熱心だったというところで、これまた世界的なヒット作「ジーザス・クライスト・スーバースター」を実写化し、いよいよロックオペラの傑作とされるザ・フーの「トミー」、ビージーズを再ブレイクさせたディスコミュージカル「サタデー・ナイト・フィーヴァー」、一転してオールディズ物の「グリース」等々のメガヒット映画を制作したプロデュース能力は凄いと思うばかり!
 
ですから、この映画版「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」にしても、所期の目的は明確だったはずなんでしょうが、流石に元ネタの懐が深過ぎたのかもしません。
 
しかし、だからこそ、映像的には面白くない分だけサントラ音源の魅力がたっぷり楽しめるのだとしたら、それはそれで成功作なんじゃ~ないでしょうか。
 
どうか皆様には、虚心坦懐にお楽しみいただきとうございます。
 
最後になりましたが、問題の映画版のDVDは確か海外盤で売られていたと記憶していますが、リマスター諸々に関しては現物を所有確認していないので、定かではありません。
 
ど~せなら、この機会にリニューアル&リマスターのBD化を望んでみたくなるのでした。
コメント (2)
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