OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ルーツ・オブ・歌謡ロック:DTBWB篇

2017-11-25 18:14:15 | 日本のロック
青春すきま風 / ダウン・タウン・ブギウギ・バンド (東芝)

宇崎竜童率いるダウン・タウン・ブギウギ・バンド=DTBWBを今更「歌謡ロック」云々で語るなんてこたぁ~、不遜の極みではありますが、それにしても昭和49(1974)年5月に発売された本日掲載のシングル盤、おそらくはデビュー2作目のレコードのジャケ写から拝察するだけでも、まだまだ「つなぎルック」を着用していない時代の自由な初々しさには瞠目させられる皆様も大勢いらっしゃるかもしれません。
 
また音楽的にも、DTBWBは最初っから歌謡ロックというか、GSの延長線上に以降流行った歌謡フォークの味わいをぶち込んだ、これがなかなか不敵な狙いがサイケおやじの好みでありまして、このシングル盤A面収録の「青春すきま風」は当然ながら宇崎竜童の作詞作曲ながら、これがど~しても吉田拓郎っぽく聞こえてしまうのは、それこそ「時代」というやつでしょうか。

しかしDTBWB自らがアレンジしたサウンドから滲み出る絶妙の泥臭さは、サイケおやじにとっては歌謡フォークとは異なる魅力に感じられ、また既に比較されつつあったキャロルのような恣意的な洋楽っぽさよりは好ましく思えましたですねぇ~~♪

そりゃ~確かに不発だった事は認めざるをえませんが、宇崎竜童(vo,g,tp)、和田静男(g)、新井武士(b)、相原誠(ds) という当時のメンバーが作り出そうとしていたのは明らかに堂々の歌謡ロックだったとすれば、この「青春すきま風」を含む最初のLP「脱・どん底」はそのジャンルの名盤に他なりませんっ!

そのアルバムについても追々ご紹介しなければなりませんが、簡単に述べさせていただければ、中には時として演歌ロックやブルース歌謡にも似た味わいがあるのですから、歌謡ロックのルーツを辿る道中には、ぜひとも立ち寄って後悔はされないはずと思うばかりですし、だからこそ、この「青春すきま風」の吉田拓郎っぽさは尚更意味深なのかもしれません。

ということで、皆様ご存じのとおり、DTBWBは同年末に発売した次作「スモーキン・ブギ」のヒットからブレイクし、前述の「つなぎルック」が代名詞ともなる人気バンドとして、いよいよ歌謡ロックの大傑作「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」を出すわけですが、宇崎竜童が歌謡曲の稀有なソングライターとして活躍していく基本姿勢は、やはり歌謡ロックでありましょう。

うむ、未だ革ジャン姿の宇崎御大が眩しいです。
コメント
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