■アズ(永遠の誓い)c/w I thought It Was You / 笠井紀美子(CBSソニー)
和製というか、日本人が歌うアッパー気分なファンキーソウルとしては、笠井紀美子が昭和54(1979)年に出した本日掲載のシングル盤も忘れられません。
もちろん、これは皆様がご存知とおり、彼女が同時期にハービー・ハンコック(key) 以下、凄腕のミュージシャンと共演製作した人気アルバム「バタフライ(同)」からのシングルカットですし、殊更A面に収録されたのはスティーヴィ・ワンダーが十八番のヒット曲をカバーしたものですから、ウケるのが当然とはいえ、それだって笠井紀美子の実力があればこそっ!
お馴染みのメロディとソウルフルなリズム&ビートにグイノリで歌いまくる彼女の黒いフィーリング、またバックを固めるポール・ジャクソン(b)、アル・ムザーン(ds)、ビル・サマーズ(per) が繰り出す柔軟なグルーヴの凄さ、さらにはボーカルに執拗に絡みつくハービー・ハンコックのエレピが気持ち良いんですねぇ~~♪
ただし、これは皆様ご推察のとおり、このシングル盤に収録されているは前述のLPに収録のトラックから中間部のエレピ&シンセのアドリブパートやボーカルの一部をカットして編集した所謂シングルバージョンですから、件のフルバージョンを聴いてしまえば、聊か物足りないのは確かです。
ところが、このシングルバージョンには、きっちり存在意義がありまして、それはアナログ盤7インチ、つまり45回転の強みである音圧の高さゆえに迫力があるんですよ♪♪~♪
逆に言えば、せっかくの傑作に仕上がったアルバムが、正直に言わせていただければ、サイケおやじには音質的な物足りなさを覚えるところがあったので……。
それゆえに、中古屋でこのシングル盤に邂逅した時の嬉しい予感は大当たりだったんですから、ありがたやぁ~ですよ♪♪~♪
それはB面収録の「I thought It Was You」も同様に短縮編集バージョンではありますが、この気持ちの良い名曲は前年にハービー・ハンコックが出した秀作アルバム「サンライト」のド頭に据えられていたんですから、そのキャッチーさは保証付き!
そして笠井紀美子も実にフィ~ル・ソ~・グ~~♪
それがアナログの7インチで楽しめるとあれば、気になる皆様には、ぜひともお楽しみ下さいませ。
ということで、CD時代の今となっては笠井紀美子のヒットバルバム「バタフライ」もリマスターされての再発盤が出ているはずなので、しっかりと熱いサウンドが聴かれると思います。なんのかんのと不満を抱きつつも、アナログ盤LPはたっぷりと聴いていたサイケおやじにしても、CDが欲しくなっているのでした。