■やせっぽち c/w 夏ゆらり / 松尾久美子 (FOR LIFE)
掲載したのは昭和58(1983)年6月に発売された松尾久美子の2作目のシングル盤なんですが、これが……、なんとっ!?!
作詞:爪生秀人&作曲:佐藤健から提供の収録A面曲「やせっぽち」がギンギンのサウンドで演じられた歌謡ロックになっていたんですねぇ~~!?!
とにかくイントロがディストーション全開のギターソロ、そしてヘヴィなビートを伴ったミディアムテンポのアレンジからして、これをアイドルシンガーのシングル曲として楽しむには異質と思う外はなく、しかも歌詞に綴られているのが自己嫌悪から幾分捨て鉢なマイ・ワールド(?)ですからねぇ~~!?!
しかも肝心の主役たる松尾久美子の歌唱力が失礼ながら、こ~ゆ~楽曲を表現しきれていないと思いますし、このジャケ写ポートレートの不貞腐れ感が楽曲イメージどおりであるにせよ、その頃のテレビ出演時にはミニスカのロック系衣装でアイドル丸出しの振付を披露しつつ、これを歌っていたというあたりは、いやはやなんとも…… (^^;
もちろん、そんなこんなは決して彼女に責任なんかあろうはずもなく、ほとんど制作側の思惑優先だったという推察は易いでしょう。
というか、もしも……、彼女が自作自演のシンガーソングライターっぽい存在感を打ち出していたとしたら、この「やせっぽち」は大正解でしょうし、ボーカルに対するプロデュースも違っていたんじゃ~ないでしょうか……。
そんな仕上がり具合は、同じソングライタートリオが提供したB面曲「夏ゆらり」にも感じられ、詩情溢れる歌詞の世界は素晴らしいと思いますが、しかし……、それはアイドルシンガーには表現し難い感じというか、似合っていないんじゃ~ないでしょうか……。
それでも……、こちらは彼女の声質には違和感の少ない疑似ニューミュージック調の歌謡フォーク的なメロディラインに相応しいアレンジがあり、A面曲「やせっぽち」では反ロック的な声質で無理していた感じの松尾久美子も結果オ~ライ (^^;
しかし、それでもフックの効いたメロディ展開があるわでもなく、楽曲としてのアイドル性感度は低いわけで……。
う~ん、これが売れなかった理由も納得されてしまいます、せつないですが…… (^^;
ということで、今回は松尾久美子に対し、厳しい事ばっかり書き連ねてしまい、彼女のファンからのお叱りは覚悟しております <(_ _)>
ただし、この2作目のシングル盤があればこそ、次作「かすみ草」に瞠目させられるわけでして、それは追々ご紹介させていただく所存です。
失礼いたしました <(_ _)>