OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

宴の後は

2005-12-11 12:42:44 | Weblog

昨夜の宴会では、久々に鯨飲しましたが、酔えないですねぇ……。う~ん、ますます、悪い酒モードに入ってきました。しかも宴会が、かけもちだったので、最初のところで酒を飲んでは、次の会で失礼になるので気ばっかり使って疲れ果て……。その反動で弾けたわけですが、実際は楽しくなかったというが本音です。自分の性格が嫌になりましたね、トホホ。

というわけで、今朝はヘビィロック、聴いてます――

Shades Of Deep Purple (Tetragrammaton)

こういうのが好きだというと、「なんだ、お前はヘビメタ、嫌いなんだろう!?」と言われますが、「何、言ってんだよ~、パープルはハードロック! その前はアートロックだしさぁ」と、私は反撃します。

そうです、ディープ・パープルはデビュー当時、アートロックと分類されたんでよ。それは芸術ロックというのではなくて、ヘヴィ・サイケな雰囲気、例えばクリームとかバニラファッジあたりの音楽性を指していたわけで、このアルバムは、それがモロに出ています。

この頃のメンバーはロッド・エバンス(vo)、ジョン・ロード(org)、リッチー・ブラックモア(g)、ニック・シンパー(b)、イアン・ペイス(ds) という5人組でした。

しかし私が最初に聴いたのは、このアルバムでは無く、シングル曲の「Hush」で、昭和43年の秋の終わり頃からラジオで流れはじめ、忽ち気に入った私は、翌年正月の買い初めで、そのシングル盤を買ったのです。

その曲調は、モータウンソウル味も仄かに漂う全くのヘヴィロックで、「なーなななーなな」というコーラスのリフ、「はーしゅ、はーしゅ」というキメ、切れ込んでくるノイジーなギター、厚いオルガン、叩きつけるようなドラムス、重いベース、甘さを含んだボーカルが、それはもうポップで新鮮! 最高でした。

実はこの曲は黒人シンガーのジョー・サウスがオリジナルのカバーだったのですが、そのあたりは、この道の先駆者バニラファッジのやり口を踏襲しながらも、ファンキーな部分を極力切り捨て、白人的なロックに仕立て上げたところが新しかったと思います。つまり、どこまでもポップスバンドに近いやり方だったというわけです。ロックバンドには付物のブルースっぽさもほとんどありません。

それはB面に収録されていた「One More Rainy Day」の愕くほどのポップ味、そのクラシック音楽趣味のアレンジ等は、当時の日本のGSにも通じるものがありました。

こうしてパープルは私の心を掴んだわけですが、まさか後にあれほどのハードロック・バンドになろうとは……。実際、この頃は単なるポップス・バンドという扱いだったと思います。もちろんこれ以降もシングル盤を何枚かリリースしていますが、日本ではこの曲ほど流行ったものは、しばらくありませんでした。

そして次にブレイクするのが昭和45年、ご存知「Black Night」の大ヒットになるわけです。

さて、このアルバムは、そんな彼等のアートロック時代の演奏がたっぷり聞かれますが、その中身は意外なほどジャズが隠し味となっています。それはイアン・ペイスの抜群に上手いドラムス、ジョン・ロードのクラシックをベースにしたジャズ風オルガン、かなり遊びながらドライブするニック・シンパーのエレキ・ベースがたまらないところです。

後に一座のスターになるリッチー・ブラックモアのギターは、上手いけれども、この頃はまだ目立った存在ではありません。しかし初っ端のインスト自作曲「And The Aeddress」やハードな「Mandrake Root」における暴れ方は、ジミヘンからの影響+独自の重い音色が、後年は聴くことの出来なくなった魅力的な部分ですし、リズム・ギターの上手さも特筆物です。アドリブではスパニッシュ・モード+ブルーノート・スケールの融合が特徴的です。

バンド全体としてはカバー曲のアレンジの上手さが凄いところで、例えばビートルズの「Help」のソフトロック味、ジミヘンで有名な「Hey Joe」の中近東&クラシカルな味等々、今聴いても飽きません。

ということで、やっぱり好きだなぁ~♪ 一般的には評価低いこの時期=所謂第一期ですが、実は私は大好きなことを、ここに告白しておきます。

アルバム自体の出来も、曲間では効果音も使いながら良く纏めていますし、金属的なところが無く、むしろ暖かい作品ですよ。虚心坦懐に聴いて欲しいアルバムです。最近のCDはジャケット違うみたいですが、ボーナストラックが入っています。

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