■夜が終る時 / ピンキー (キングレコード)
辛く、苦しい状況が歌われる場合、「夜」という言葉が用いられる事は常套手段ではありますが、逆に、それを希望に変換させていく歌も少なくありません。
例えば本日掲載のシングル盤A面曲「夜が終わる時」は、ピンキー=今陽子が昭和47(1972)年に出した、なかなか力強いメッセージソング風の名曲&名唱で、とにかく藤田敏雄が綴った歌詞には――
夜が終わる時 夢も また終わる
夜が終わる時 恋も また終わる
とか、現実的な絶望が描かれ、いずみたくが附したメロディにしても、シンプルな曲想が繰り返されるだけでありながら、ピンキーの歌声は時に寂しく、それでいて芯の強さとメリハリの効いた節回しがありますから、彩りと表情豊かな大柿隆のアレンジを得た盛り上がりは大団円まで飽くことが無く聴けてしまうんですねぇ~~♪
そして――
夜が終わる時 朝が よみがえる
新しい日を 生命を 希望を
と、大きなノリで締め括られれば、そこには圧倒的とも思える現世のエネルギー、そこで生かされている我々の存在意義みたいなものまで、なんとなく感じさせれてしまうんですが、いかがなものでしょう。
そして、そこには決して抹香臭さや哲学的屁理屈とは一線を画す何かがあるとすれば、それはピンキーの卓越した歌唱力に他ならないと思うばかりです。
ということで、現実に立ち返れば、ウクライナ情勢はウクライナ側にとって、どん底の極み……。
現在の指導者には、もはや国民を守る力が無い事は明白でしょうし、サイケおやじとしては、これ以上の犠牲を積み重ねる前にロシアに頭を下げる事だって、決して屈辱では無いと考えます。
例え、それが面従腹背だと思われたって、それはそれで助かる命があるはずです。
また、現在のEUには仲裁に入る「顔」も無いし、実際問題としてウクライナを助ける行動力も無いのですから、「損して得取れ」というか、一度引き下がって、時節を待つ方が……。
ところが欧州各国はウクライナに武器の供与を申し出る始末で、つまりは自分達の手を汚さず、軍産共同体に美味しい汁を吸わせ、結局は犠牲者を増やすだけでしょう (>_<)
現時点でウクライナが白旗を出すのならば、ロシアを永劫悪者にしておけるでしょう。
そ~すれば世界各国からの同情や支援だって、すんなりと受けられると思うんですよ、ちょいと悔しいですけどねぇ……。
そんな時こそ、このピンキーが歌う「夜が終る時」を聴くというのも、少しは慰めになればと思っているのでした。