OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ナッズで逃亡

2010-12-21 15:30:41 | Rock

オープン・マイ・アイズ / ナッズ (Atlantic / 日本グラモフォン)

これっ、買いましたっ!

トッド・ラングレンが在籍していたナッズでは、一番のシングルヒット曲♪♪~♪

本日、ふらりと入った古書店にあったんですが……。

値段がメチャ安だったんで、速攻でお金払って、逃げるように車をブッ飛ばしましたよ、フッフッフッ♪♪~♪

あぁ、こういう夢みたいな日もあるんだぁ~♪

ということで、とりあえず本日はご紹介までです。

見せびらかしで、失礼致しました。

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もっと聴きたいジャズテットのライブ

2010-12-20 15:16:01 | Jazz

The Jazztet At Birdhouse (Argo)

1960年前後のモダンジャズで、ひとつの主流となったのが、所謂三管編成だったと言われていますが、実際、当時のトップバンドだったジャズメッセンジャーズにしろ、またマイルス・デイビスのバンドにしても、フロントの管楽器奏者が3名という豪華なメンツの集合が、今日でも魅力的なのは確かです。

しかし三管編成の本来の目的は、そこから醸し出されるハーモニーの美しさと繰り出されるリフのカッコ良さも、また然りだった事は、後追いで聴くそうした諸作で充分に納得されますし、特に三管編成を大きく広めたベニー・ゴルソンが率いるジャズテットこそ、その魅力を満喫出来るバンドだと思います。

そこで本日ご紹介の1枚は、1962年頃に発売されたライプアルバムで、おそらくジャズテットでは4作目となる人気盤♪♪~♪

録音は1961年5月、シカゴにあったとされるバードハウスという店でのギクから作られていますが、メンバーはアート・ファーマー(tp,flh)、トム・マッキントッシュ(tb,arr)、ベニー・ゴルソン(ts,arr)、シダー・ウォルトン(p)、トーマス・ウィリアムス(b)、アルバート・ヒース(ds) という当時のレギュラーグループだけあって、流石に纏まりのある熱演が楽しめます。

A-1 Junction
 いきなりムード満点のファンキー節はベニー・ゴルソンが書いたものですが、もちろん十八番の所謂ゴルソンハーモニーが存分に楽しめる、実にゴキゲンな名演です。そしてシャープでグルーヴィなリズム隊共々、バンドの意思が統一されたノリは素晴らしい限り♪♪~♪
 さらにベニー・ゴルソン、アート・ファーマーと続くアドリブパートのバックで炸裂するリフのカッコ良さも特筆物でしょう。しかも、これはサイケおやじの独断と偏見かもしれませんが、ベニー・ゴルソンにしろ、アート・ファーマーにしろ、最初っから把握しているアレンジの妙を活かしたアドリブフレーズを吹いているような、つまりはちょいと出来過ぎという感も正直あるんですが、それは最高にスリリングで心地良いという、モダンジャズの楽しみに他ならないと思います。
 ちなみに収録されたトラックは、幾分の編集疑惑もあるんですが、これだけの仕上がりならば、結果オーライでしょうねぇ~♪

A-2 Farmer's Market
 1950年代からアート・ファーマーが書いたオリジナルのビバップ曲として有名な十八番なんですが、ここでも痛烈なアップテンポで爆走するジャズテットの熱演が快感! イントロからのユニゾンリフにビシッとキマッたリズム隊のラテン&4ビートが凄いですねぇ~♪
 そしてアドリブパートでは、先発するベニー・ゴルソンのモリモリ吹きまくるテナーサックスが鬱陶しさギリギリのラインで迫るの対し、熱演ながらも爽やかさが滲むアート・ファーマーのトランペットが良い感じ♪♪~♪
 う~ん、このスピード感は並みのバンドでは出せないでしょうねぇ~♪
 演奏はこの後、アルバート・ヒースのドラムソロから、これまた実にカッコ良いセカンドリフへと続き、さらにシダー・ウォルトンのスマートにドライブするピアノが飛び出せば、もう、辺りはハードバップの熱気で満たされるばかりですよっ!

A-3 Darn That Dream
 そこはかとない哀愁が魅力のスタンダード曲をアート・ファーマーがハートウォームに吹奏するという、如何にもの演出展開が安心感と安らぎを与えてくれます。
 こごては、おそらくフリューゲルホーンを吹いているんでしょうか?
 ソフトな情感が滲む、アート・ファーマー特有のメロディフェイクにジャストミートの音色が、バックを彩るゴルソンハーモニー共々にジャズテットの魅力を如実に表していると思います。
 しかし、こうした方針を「緩い」と感じるジャズ者が存在することも確かでしょう。
 それでもシダー・ウォルトンが地味な名演とでも申しましょうか、爽冷なムードのイントロや絶妙の伴奏、それに寄り添うトーマス・ウィリアムスのベースワーク、そしてダレ無いビートを供給するアルバート・ヒースのドラミングといったリズム隊の動きを中心に聴いてみると、中盤からのテンポアップ等々が実に緻密な纏まりになっていることにハッとさせられるんですねぇ~♪
 まあ、このあたりはサイケおやじの独断だと自嘲するところでもありますが、やっぱり惹きつけられる名演だと確信しています。

B-1 Shutterbug
 さて、B面トッフに収められたのは幾分モード調で演じられるアップテンポのハードバップなんですが、作曲がJ.J.ジョンソンというのがミソでしょうか。というのも、この時期の作者も自らのバンドを三管に増強し、さらに中~大編成のアレンジを使ったレコーディングを積極的に行っていたのですから、ジャズテットのライバルという側面もあったんじゃないかと思います。
 ただし、原盤裏解説によれば、J.J.ジョンソン本人がジャズテットに編曲共々提供したという事らしいので、それに応える立場のバンドも気が抜けないところでしょう。
 そして実際、タイトなテーマサンプルから、しぶといキメを織り交ぜながら得意のアドリブフレーズを連発するアート・ファーマー、煮え切らない音色でウネウネブリブリに吹きまくるベニー・ゴルソン、そして短いドラムスのブレイクからラストテーマに入っていく強烈な演奏が繰り広げられますから、たまりませんねぇ~♪
 個人的にはマイルス・デイビスの「Milestones」にちょいと似ているテーマメロディも、好きです。

B-2 'Round Midnight
 これまた収録曲中ではジャズ者が多いに気になる演目じゃないでしょうか。なにしろモダンジャズではマイルス・デイビスの決定的な名演がありますから、それを当然の如く主役を演じるアート・ファーマーが、どの様に聞かせてくれるのか? はたまたベニー・ゴルソンのアレンジはっ!?
 結論から言えば、これも名演といって過言ではないでしょう。
 ちょっと衝撃的なイントロの一発から白夜のムードで丁寧にメロディ吹奏を演じるアート・ファーマー、中間部でサブトーンを聞かせるベニー・ゴルソンの雰囲気作りもイヤミがありませんし、後半のアンサンブルから意表突いたアドリブパートのスタートも、やはりジャズテット本来の持ち味かと思います。
 ただしマイルス・デイビスのバージョンで活躍していたジョン・コルトレーンのイメージが強いことも確かですから、ベニー・ゴルソンの個性が丸出しになっているモゴモゴしたアドリブには好き嫌いがあるかもしれません。
 しかし続くアート・ファーマーが、クールでハードボイルド、それでいて優しいという、ほとんどフィリッブ・マーロウを想起させる仮想名演を披露しているのは、なんと申しましょうか……。
 その意味で続くシダー・ウォルトンの小粋なピアノが、トーマス・ウィリアムスのペース共々、耳に残ります。

B-3 November Afternoon
 そしてオーラスは、ここまでハーモニー要員としてしか目立った活躍の無かったトム・マッキントッシュのオリジナル! これがなかなかに味わい深い名曲名演になっています。
 まず幾分幾何学的なイントロから静謐なムードが滲むテーマメロディの爽快感が、良いですねぇ~♪ アップテンポながら自然とヘヴィで力強いビートが醸し出されていくのも、この曲の持つ魅力のひとつじゃないでしょうか。
 もちろんゴルソンハーモニーも冴えまくり♪♪~♪
 ですからアドリブパートに入ると、いきなりアート・ファーマーのナチュラルな歌心が全開ですし ここで唯一無二の個性と言って許される音色と完全にリンクしたフレーズの構成力は最高だと思います。
 そして、お待たせしました、いよいよ登場する作者のトロンボーンが、これまた侮れない味わいを聞かせてくれますよ。う~ん、短いのが残念っ! ただし続くベニー・ゴルソンのアドリブが、なかなか良いんで、まあ、いいか♪♪~♪

ということで、LP1枚分しか聴けないのが勿体無いほどの名演集になっています。

既に述べたように、個人的には各トラックに編集疑惑を感じますから、もしも切り取られたアドリブソロがあるのなら、それらを復刻し、また同じ時にレコーディングされた残りの演奏も入れた再発CDが出ないかなぁ~、と切望するほどです。

それとアナログ盤で聴くかぎり、少しばかりベースとピアノの存在感が薄い録音が改善されれば、もっと最高になると思いますが、まあ、それはそれとして、とにかく素敵なモダンジャズが楽しめることに間違いはありません。

ジャズテット、そしてベニー・ゴルソンが主導するモダンジャズは、個人的にはソフトパップという感じがしているのですが、ライプの現場ではたっぷりとハードバップしていますし、それを彩る柔らかなゴルソンハーモニーの魅力も、決して失われていません。

ですから、このアルバムそのものは、名盤ガイド本に登場するような事も無いと思いますが、極めてモダンジャズの良かった時代を記録した1枚として愛聴されているんじゃないでしょうか。

繰り返しますが、完全版を望んでいます。

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ケメ子は昭和元禄の美女

2010-12-19 16:25:05 | 日本のロック

ケメ子の歌 / ザ・ダーツ (日本コロムビア)

昨日は、おやじバンドによる今シーズン2回目のライプをやって、例のビートルズ屋上セッションの再現に挑戦したんですが、案の定、ウケませんでした。

ですから、その後の反省会を兼ねた宴会でのショボイ盛り上がりも、まあまあ自分達でも納得した演奏の出来だっただけに、気勢も上がりませんでしたねぇ……。

そこで次回は、なんか、こう、ネタっぽい歌でもやったほうが……、なぁ~んていう意見の集約から、思い出したのが本日ご紹介の「ケメ子の歌」です。

これは昭和43(1968)の初頭から大ヒットした、当時はアングラソングと呼ばれていた、ちょいとユーモラスな歌でしたが、忽ちの流行から競作やアンサーソングまでもが発売され、また「ケメ子の唄」のタイトルで映画化されたのは、まさに昭和元禄を代表する事件(!?)だったと思います。

その内容はシンプルなラブソングの中に女性上位とか、トホホな男の心情を滲ませた歌詞にオールディズ調の歌謡フォークっぽいメロディがつけられた、誰もが直ぐに覚えて、一緒に歌えるという親しみ易いものでしたから、社会現象となったのも当然が必然だったのです。。

そしてご推察のように、これは同時期ちょい前に大ヒットしていたフォーク・クルセイダーズの「帰って来たヨッパライ」の路線を狙ったものでした。

それは関西圏からヒットし始めたというところにレコード会社が着目した商売だったんですねぇ~。

もちろん演じているザ・ダーツは、確か京都の大学生グループだったはずで、メンバーは浅井たかし(g,vo)、原田和夫(g)、橋本謙次(b)、土森勝則(ds.vo) の4人組でしたから、当時はブームの絶頂期にあったGSのひとつという分類が一般的だったと思います。

ちなみに楽曲は最初、作者不詳のはずでしたが、アレンジは浜口庫之助というところから、元ネタのメロデイはニール・セダカの「Next Door to an Angel」というのが定説で、また後に馬場祥弘が作詞作曲したものという真相も明らかにされるのですが、個人的にはちょいと疑問も……。

まあ、それはそれとして、この見事にエレキ化された歌謡フォークの傑作は、侮れない魅力が今もあります。

そして同時期の競作盤では、ザ・ジャイアンツというグループのバージョンも同等にヒットしたはずなんですが、何故か印象に残っているのは、こっちのザ・ダーツのイメージが強いんですよねぇ。

ふたつを比べるとアレンジやメロディの展開も少し違いますが、歌詞も基本的に異なっている部分があって、前述した映画「ケメ子の唄」のストーリーは、ザ・ジャイアンツのバージョンを基にしていると言われていますが、これは小山ルミが出ていた田中康義監督作品ということで、大昔にテレビで観たことはありますが、機会があればDVD化して欲しいもんです。

ということで、こういう屈託なく歌って楽しい演目が、やっぱり不穏で不景気な当世には必要なのかなぁ……。

と思うのでした。

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個人的壁となったイエス

2010-12-18 15:35:24 | Rock Jazz

■Close To The Edge / Yes (Atlantic)

一般的にイエスの最高傑作とされる名盤ではありますが、サイケおやじにとっては、発売された1972年当時から、全くついていけないアルバムでした。

何故ならば、完璧すぎて、スキが無いというか、聴いていて疲れるんですよねぇ……。

 A-1 Close To The Edge / 危機
     a) The Soled Time Of Change / 着実な変革
     b) Total Mass Retain / 全体保持
     c) I Get Up I Get Down / 盛衰
     d) Seasons Of Man / 人の四季
 B-1 And You And I / 同志
     a
) Cord Of Life / 人生の絆
     b) Eclipse / 失墜
     c) The Preacher The Teacher / 牧師と教師
     d) Apocalypse / 黙示
 B-2 Siberian Khatru

ご存じのとおり、イエスは所謂プログレ最高峰のバンドとして、前作「こわれもの」でその地位を完全に固めたわけですが、それはメンバー各々の超絶的なテクニックと幅広い音楽性に裏打ちされた中にも、ロックジャズ特有の躍動感があって、そこにサイケおやじはシビれていたわけです。

そして「危機」と邦題が付けられた次なる新作は、まさに偽り無しのアブナイ作品だと思います。

もちろん発売前から評判が高かったのは言うまでもなく、我国の洋楽マスコミも挙っての大絶賛でしたから、理解出来ない自分が情けないという落ち込みさえありましたですね……。

実は当然というか、その頃のサイケおやじは経済的な問題からLPは買えず、しかし国営FM放送で丸ごと流されたエアチェックのテープで聴いていたというハンデ(?)もありましたが、それは言い訳に出来ないでしょう。

つまりは自分の感性に合っていなかったんですよねぇ。

それは収録演目から一目瞭然、LP全体での収録曲が僅か3曲であり、しかも組曲形式による歌と演奏は、そのタイトルからして突き放された雰囲気ですし、これまでのイエスの音楽性からして、怖いものが先立つというのが悪い予感でした。

そして実際、LPのA面全てを使ったアルバムタイトル曲の「危機」からして、様々なメロディやリフが執拗に絡み合い、一応は4バートに分かれているとはいえ、それが自然に流れるというよりも、ある意味では順列組み合わせ!?

う~ん、確かにジョン・アンダーソン(vo,per)、スティーヴ・ハウ(g,vo)、クリス・スクワイア(b,vo)、ビル・ブラッフォード(ds,per,vib) という全盛期のメンバーは物凄いテクニックを駆使して、それこそ圧倒的な音楽を構築しています。

しかし、それゆえでしょうか、サイケおやじには極めて窮屈に聞こえてしまうんですよねぇ……。特にビル・ブラッフォードのドラミングからは自由度が著しく失われている感じがしますし、クリス・スクワイアのベースプレイも奔放が足りません。

なによりもアドリブの応酬という、サイケおやじが最も好むパートが皆無に近く、これは好きだったロックジャズになっていないっ!?

そうです、それで正解というか、当時はこういう演奏を称して、シンフォニックロックなぁ~んて呼んだんですよ……。

じょっ、冗談じゃねぇ~~~~!

それがB面に入っても継続されているのは言わずもがなでしょう。

まあ、それでもこっちは、多少なりともロック的なノリを感じたんですが、極言すれば、このアルバムの曲はライプじゃ出来ねぇだろうなぁ……。

と、リアルタイムでは不遜にも間違った事を思っていたんですよ。

しかし、ご存じのとおり、イエスはライプの現場でも、きっちりとこれを再現していた事実は、後に発表される3枚組大作LP「イエス・ソングス」に記録されています。

そしてサイケおやじが、やっぱりこの「危機」を乗り越えなければならない壁としてレコードを買い、真っ向から聴くという修行に入ったのは、その「イエス・ソングス」を体験して後からなのです。

その意味で「危機」の最初のパートや「Siberian Khatru」がメタリック期のキング・クリムゾン風だった事は、このアルバム制作直後にビル・ブラッフォードが脱退し、そこへ走った現実と妙に符合するあたりが意味深だと思います。

ということで、サイケおやじの本音では、今でも楽しくないアルバムとして、イエスの中では筆頭格の1枚なんですが、後に聴いたライプバージョンやブートにおけるリハーサル音源等々を楽しんでみれば、この作品の存在意義も侮れません。

これも、やっぱりロックジャズ!?!?

う~ん、ど~してもイエスから逃れられない運命を感じましたですねぇ……。

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ブルーノートのクラーク=ボラン

2010-12-17 15:47:29 | Jazz

The Golden 8 / Kenny Clarke - Fancny Boland (Blue Note)

ジャズにおけるオールスタアズと言えば、ジャムセッションが一番に相場でしょうが、もうひとつ侮れないのがフルバン、つまりジャズオーケストラでしょう。

例えばデューク・エリントンやカウント・ベイシーあたりの有名楽団ともなれば、そこに参集しているメンバーはリーダーセッションを持っている者がほとんどですし、あるいはスタジオの仕事ではファーストコールの腕利きが当たり前というのが現状でした。

そして欧州では、クラーク=ボラン楽団にジャズ者が大注目!

バンド名が物語るように、リーダー格はモダンジャズを創成した偉大なドラマーのひとりであるケニー・クラーク、そして当時は新進気鋭の作編曲家であり、硬派なピアニストでもあったフランシー・ボランなんですが、とにかく2人が一緒に活動する中~大編成の楽団を運営するにあたっては、欧州の有力興行師だったジジ・カンピの尽力があったと言われています。

で、その最初の成果となったのが、ダスコ・ゴイコビッチのリーダー盤らしいのですが、そのレコーディングが1961年2月であり、次に有名なのが、本日ご紹介のアルバムセッションです。

しかも発売がアメリカの名門レーベル! ブルーノートなんですから、如何に当時から注目されていた実力派バンドだったか、一切無用に知れようというものです。

録音は1961年5月18&19日、メンバーはダスコ・ゴイコビッチ(tp)、レイモンド・ドロス(alto-horn)、クリス・ケレンズ(baritone-hone)、デレク・ハンブル(as)、カール・ドレボ(ts)、フランシー・ボラン(p,arr)、ジミー・ウッド(b)、ケニー・クラーク(ds,per) という、今ではお馴染みの面々も、当時は世界的に無名の達人プレイヤーも含む8人編成ですから、そのものズバリのアルバムタイトルを眩しく感じますねぇ~♪

A-1 La Campimania
 前述したダスコ・ゴイコビッチのリーダー盤でも初っ端に収められ、またクラーク=ボラン楽団としても、以降は十八番となる景気の良いハードバップ! しかも約3ヵ月前にやったダスコ・ゴイコビッチのセッションよりも、グッとテンポアップし、さらにシャープなドライヴ感が増した演奏は、このバンドの充実を証明するものでしょう。
 アドリブパートはダークな質感も好ましいクリス・ドレボのタフテナー、硬質なタッチで妥協しないフランシー・ボランのピアノ、ツッコミが激しいジミー・ウッドのペースからケニー・クラークのドラムソロと続きますが、要所を彩るシンプルなリフを基調としたバンドアンサンブルの如何にもジャズ的に楽しさが、一番の魅力じゃないでしょうか。
 個人的にはイントロからビバップ魂を感じさせるケニー・クラークのシンバルワークにシビレます♪♪~♪

A-2 Gloria
 クリス・ドレボを主役としたスローな演奏で、曲はスタンダートらしいのですが、そのメロディの思わせぶりな吹きっぷりとサブトーンを交えた音色は、まさにテナーサックスの魅力がいっぱい♪♪~♪
 もちろんハードバップ本来の黒っぽい雰囲気とソフトな情感のバランスも秀逸ですから、サイケおやじは初めて聴いた瞬間から、その当時は日本で知られていなかったクリス・ドレボの大ファンになりましたですね。

A-3 High Notes
 いきなりジミー・ウッドのベースがテーマらしきリフを弾き出し、アップテンポでスタートするハードバップなんですが、お待たせしました! ようやく登場するのがダスコ・ゴイコビッチのクールで熱いトランペットということで、辺りはすっかりマイルス・デイビス!? いゃ~、これが実にジャズ者の琴線に触れまくりなんですよねぇ~♪
 ケニー・クラークのシンバルワークも素敵ですから、往年のプレスティッジセッションを想起させられますが、バックから煽るリフのシャープなフィーリングは、明らかに1960年代じゃないでしょうか。
 本当に短いのが勿体無い!

A-4 Softly As In A Morning Sunrise
 これはお馴染みのスタンダードメロデイということで、アレンジもウリのバンドが、どのような演奏を繰り広げるのかという興味は深々でしょう。
 そして結果はクリス・ケレンズのバリトンホーンとレイモンド・ドロスのアルトホーンによる、歌心満点のアドリブ合戦が存分に堪能出来る仕上がりなんですよ♪♪~♪
 ちなみにバリトンホーンやアルトホーンが、一体どんな形態の楽器かは知らないんですが、トロンボーンのような柔らかで重厚な音を出しますから、アンサンブルでの膨らみのある色彩や豊かなハーモニーを作り出すには最適なんでしょうが、やはり2人の実力者ゆえにアドリブの素晴らしさも特筆ものでした。

A-5 The Golden Eight
 アルバムタイトル曲は急速4ビートのハードバップ!
 そしてデレク・ハンブル、ダスコ・ゴイコビッチ、クリス・ドレボと続くアドリブの激しい楽しさが、たまりませんねぇ~♪ もちろんバンドアンサンブルの迫力も素晴らしく、ビシッとキマッた演奏をさらにドライヴさせるリズム隊の意外にクールな姿勢も高得点だと思います。

B-1 Strange Meeting
 モードと循環コードの折衷みたいな曲ですが、初っ端からケニー・クラークのブラシをメインにアップテンポでブッ飛ばす演奏は痛快! そして当然ながら、こういうスタイルではダスコ・ゴイコビッチが良い味出しまくりですよ♪♪~♪
 マイルスもどき、大歓迎!!
 要所を締めるフランシー・ボランのピアノも好ましいかぎりです。

B-2 You'd Be So Nice To Come Home To
 ジャズ者ならば、このアルバム中で最も期待してしまうであろう、これが有名スタンダード曲の決定版! 告白すれば、サイケおやじはダスコ・ゴイコビッチがミュートで演じてくれる事を願ったのですが……。
 結果はフランシー・ボランのピアノをメインにした、ちょいとクールな哀愁演奏です。
 しかし、これが所謂トリスターノ派の流れをハードバップで解釈したようなスタイルで、侮れません。
 そして中盤から熱くプローするクリス・ドレボ、さらにダスコ・ゴイコビッチがリードするブラスアンサンブルとベースの掛け合いという展開は、意外なほど熱いんですよねぇ~♪
 う~ん、これはこれで、モダンジャズでは数多い同曲の名演のひとつかもしれませんねぇ~♪ スッキリしたミディアムテンポのスイング感も素敵だと思います。

B-3 Dorian
 そして始まるラテンタッチのハードバップは、所謂エキゾチックな味わいとして、ハリウッド映画のサントラ音源のようでもありますが、各プレイヤーが演じるアドリブパートの充実は特筆されるでしょう。
 中でもダスコ・ゴイコビッチが例によってマイルス・デイビスの味わいを追求すれば、バックではフランシー・ボランがハービー・ハンコックをやってしまう、この茶目っ気にはニヤリとさせられますよ。
 またデレク・ハンブルが演じるフィル・ウッズ~キャノンボール・アダレイの路線は、継承杯に一歩手前の敢闘賞! またまたサイケおやじの好むところです。

B-4 Poor Butterfly
 これも素敵なメロディの人気スタンダード曲ですから、クリス・ケレンズのバリトンホーンがトロンボーンよりも、さらにソフトな音色で演じてくれれば、身も心も素直に委ねるしかないでしょう。
 バックを彩るアレンジも控えめながら、しっかりツボを押さえていますし、中盤から歌いまくりのアドリブを披露するデレク・ハンブルも、熱くて良いんですよねぇ~♪

B-5 Basse Cuite
 ジミー・ウッドのペースがリードするハードボイルドなテーマから、実にクールでカッコ良すぎるトランペットはマイルス・デイビスじゃなくて、ダスコ・ゴイコビッチが十八番のフレーズを連発です♪♪~♪
 あぁ、これを待っていたんですよねぇ~♪
 何度聴いても、シビレが止まりません♪♪~♪
 そしてビバップ丸出しのデレク・ハンブルがチャーリー・パーカーに捧げる熱血アルトを披露するあたりも、まさに黄金のモダンジャズでしょう。
 不安感を増幅させるようなホーンアンサンブルは、ヨーロッパ風の翳りといった感じかもしれません。

ということで、今日では欧州派の名演集として決定的なアルバムになっているんですが、実はブルーノート正統派のファンからは異端の1枚として、些か白眼視されていたようです。

それは如何にもブルーノートらしいドロドロしたアングラ風情、あるいはギラギラしたコッテリ感が無いからで、それを欧州らしいスマートなフィーリングと解釈すれば、実は本場物とは違うところが偽物とは言わないまでも……。

しかし1970年代になって、ダスコ・ゴイコビッチの人気が急上昇するにつれ、またクラーク=ボランのオーケストラが学生バンドを中心に崇拝される流れがあれば、この隠れ名盤にも光が当たろうというものです。

実はサイケおやじにしても、これを聴きたいと願ったのは、ダスコ・ゴイコビッチの存在ゆえでした。

そして結果はカール・ドレボという、新しい宝石を発見し、また欧州モダンジャズの凄さに目覚めたというわけです。

ちなみに中編成でのアンサンブルとモダンジャズとしての存在意義を鑑みれば、ウエストコースト派の演奏、あるいは黒人系ならばベニー・ゴルソンあたりのソフトパップをイメージしてしまいますが、フランシー・ボランのアレンジは、その何れとも異なるシャープさと彩りの豊かさ、そしてヘヴィなドライヴ感があります。

それは既にグループがダンス用の営業よりも、鑑賞としてのモダンジャズを優先させた意識の表れだと思いますし、ほとんどの曲を書き、またアレンジを施したフランシー・ボランの先端的アイディアの発露といって過言ではないでしょう。

実はクラーク=ボラン楽団の映像作品を観て、殊更に実感したのですが、フランシー・ボランは思いっきり愛想の無い人で、それがまた、やっている音楽にジャストミートしている気がしたほどです。

またセッションのプロデュースにはブルーノート本社のアルフレッド・ライオン、あるいはフランシス・ウルフは関わっておらず、前述した興行師のジジ・カンピの仕切りにより、レコーディングエンジニアも現地のスタジオ関係者と思われますが、それでもきっちりと「ブルーノートの音」のイメージを保っているのは、カッティングマスターを作る仕事はヴァン・ゲルダーがやった所為でしょう。

個人的には何時までも飽きないアルバムです。

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PCの神様は意地悪

2010-12-16 15:36:44 | Weblog

いゃ……、PCが安定しませんねぇ……。

なんか、電源が突然、切れたりするんですよ。

その所為で、書きかけのファイルがダメになったりしてます。

よって、本日は休載、ご理解下さい。

バックアップも危なそうで、怖いです。

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コルトレーンはタイムマシンか?

2010-12-15 16:01:17 | Jazz

John Coltrane Complete Live In Stuttgart 1963 (Domino = CD)

常日頃の鑑賞生活において、サイケおやじは「Complete」、そして「previously unissued」という言葉に弱いです。

そこで本日ご紹介は、そのふたつの条件を充分に満たす、これが素晴らしい発掘音源♪♪~♪

主役のジョン・コルトレーンは説明不要、ジャズの偉人として、時には神様扱いも当然という部分は、サイケおやじも含めて、1970年代までのジャズ喫茶を体験された皆様であれば、納得される真実だろうと思います。

決定的だったのは、所謂黄金のカルテットによる1960年代前半の演奏が、猛烈にして過激! しかし同時にヘヴィな精神性が醸し出す静謐なムードが、たまらない安らぎに結びつくという、今もって論理的な解明は不可能と思われる事象は、これがジャズ者の宿業かもしれない快感なんですねぇ~♪

そして殊更に実感されるのが残されたライプ音源の数々で、もちろん中にはプライベート録音による劣悪な音質ソースもありますが、熱烈なファンならずとも、全てを聴いておきたいという欲求は満たされることがないのです。

で、これは最近出た2枚組CDで、件のカルテットが上昇期だった1963年11月の欧州巡業から、ドイツはシュトゥットガルトでのステージを収めたものですが、以前からそれなりの高音質が評価され、加えて安定した演奏が楽しめるという優れものでした。

それが今回、さらに未発表だった音源を追加し、タイトルを信ずるならば、当日のステージが完全版となった嬉しい復刻! しかも新たなリマスターも行われているようです。

☆1963年11月4日、ドイツのシュトゥットガルトで録音
 CD-1 01 The Promise
 CD-1 02 Afro Blue
 CD-1 03 I Want To Talk About You
 CD-1 04 Impressions (previously unissued)
 CD-2 01 My Favorite Things
 CD-2 02 Every Time We Say Goodbye
 CD-2 03 Mr. P.C. (previously unissued)
 上記演目は既に黄金のカルテットでは定番中の人気曲ばかりですが、流石にジョン・コルトーン(ts,ss) 以下、マッコイ・タイナー(p)、ジミー・ギャリソン(b)、エルビン・ジョーンズ(ds) の4人が充実期とあって、全篇にテンションの高い演奏が繰り広げられています。
 しかも無暗矢鱈に激しいばかりのフリー的な部分は意外と少なく、初っ端からの「The Promise」や「Afro Blue」ではソプラノサックスを吹きまくるジョン・コルトレーンが、どんなにエルビン・ジョーンズに煽られようとも、自己のペースを崩さず、逆にバンドとしての纏まりを尊重する姿勢を感じさせるのは、この時期にしては珍しい事かもしれません。
 ですからお馴染みのパラード演奏「I Want To Talk About You」では、歌心優先主義のメロディフェイクが冴えまくり♪♪~♪ もちろんそれは手抜きなんかじゃなくて、過激な方向へ進もうとするリズム隊を牽制しつつ、自らの情熱の赴くままに吹いてしまった結果としての名演と言っては、贔屓の引き倒しでしょうか。
 ここからはあくまでもサイケおやじの根拠の無い推論ですが、どちらかといえば保守的な観客も多い欧州巡業という事情も考慮した演奏だったのかもしれませんし、そう思ってしまえば、例によって最終パートで聞かせる無伴奏アドリブソロの纏まりの良さも納得出来ます。
 ところが、その反動というか、今回が初登場とされる「Impressions」が凄まじい限り!
 もう、タガが外れたかのように暴走するリズム隊は言わずもがな、スピード違反のマッコイ・タイナーにオドロのベースソロを演じるジミー・ギャリソン、そして果敢にもジョン・コルトレーンに喧嘩を売ってしまうエルビン・ジョーンズの3人は、決して若気の至りとは言えない心意気!
 そしていよいよ登場するジョン・コルトレーンが、エキセントリックなフレーズとビート無視の爆裂ソロをやってしまえば、そこは地獄のジャズ道場! これを苦痛に感じるか、あるい快感悶絶とするかによって、自らの立ち位置が決まるほどだと思います。
 う~ん、やるだけやって、何事なかったかのようにラストテーマを吹いてしまうジョン・コルトレーンの白々しさが、たまりませんよ♪♪~♪ まさに熱気の28分36秒!?!
 となれば、続く「My Favorite Things」に安らぎを覚えてしまうのも、これがジャズ者ならではの学習効果であり、思えばこういう演奏をジャズ喫茶で聞いては、居眠りモードに入っていった若い頃の自分を回想したりしますねぇ~♪ まさにハブロフの犬!?
 しかし心優しいメロディが心に染みる「Every Time We Say Goodbye」では、ジョン・コルトレーンの意図的とも勘繰れる、ある種のハグラカシがイナタイ! マッコイ・タイナーの綺麗なピアノタッチも眩しいほどですが、なんとなくドラムスとベースが……。
 こうして迎える大団円が、なんと35分37秒もやってしまう「Mr. P.C.」で、これもまた今回が初出とされる音源!! 正直、メッチャメチャに疲れますよ、真っ向勝負で聴いていたら!!! なにしろピアノ~ベース~ドラムスと続く地獄のアドリブパートが終了し、ジョン・コルトレーンが登場するのは17分30秒を過ぎてからというだけで、ヤバイでしょう~~~。
 ちなみに音質は、この手のソースの中では全体に良好で、もちろん最近のブートのような超高音質ではありませんが、何の問題も無く聴けるレベルですし、一般的に当時の同系音源に顕著だった弱いピアノの存在感が、ここでは前に出たミックスになっているのが、最高に嬉しいですねぇ~♪
 まあ、欲を言えば、もう少しドラムスの音圧が欲しかったところですが、それは危険な贅沢でしょう。もし、そうなっていたら、聴いているうちに発狂は間違いないでしょうから!?

☆1963年11月1日、フランスのパリで録音
 CD-2 04 Chasin' The Trane (previously unissued)
 これはボーナストラックで、シュトゥットガルトに先立つパリでの録音らしく、ちょいと音質は落ちますが、この熱演の前には、それほど気になることも無いと思います。
 その意味で、5分半ほどの演奏が短くて、物足りないかもしれませんねぇ。

ということで、鑑賞には相当の体力が要求されるブツではありますが、こういう心地良い疲れっていうのも、時には必要でしょう。と言うよりも、こうした汗と熱気を感じることが、若かった頃の自分を取り戻す一瞬として貴重なのかもしれません。

今のお若い皆様には、どのように聴こえるのかは知る由もありませんが、これが確かにジャズの真髄だった時代がありました。

う~ん、あの日へ帰りたい!

これは、そう思う心へのタイムマシンなんでしょうか。

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ウケる前にやれっ!

2010-12-14 15:46:14 | The Who

Summertime Blues c/w Shakin' All Over / The Whe (Track/ Polydor)

まあ、とにかくバンド、やろうぜっ!

というきっかけは、気の合う仲間と好きな曲をワイワイ歌う!

それに尽きると思いますが、つまりはカラオケ衝動と一緒かもしれませんね。

しかし同時に、それでウケれば、女の子にもモテるはずっ!?!

なぁ~んていう、下心も充分にある事は否めません。

ですから、出来るだけ、カッコE~~、演目をやろうとするのですが、いきなり誰もがディープパープルやクリームを演じられるわけも無く、もちろんイエスやキング・クリムゾンは雲の上の存在でしたから、サイケおやじの世代では、必然的にシンプルで熱いという、本日ご紹介のシングル曲が常に筆頭候補のひとつだったと思います。

それは両面収録の2曲が、揃ってR&R不滅の古典であり、ザ・フーは所謂カバーバージョンのハードロックスタイルで演じていましたから、親しみ易くてド迫力!

もちろんリアルタイムでは歴史的名盤となったライプアルバムの傑作「ライブ・アット・リーズ」からのカットでしたし、なによりも「Summertime Blues」は例のウッドストックでの熱演が映画で拝めたという僥倖も大きかったですねぇ~♪

また、これはサイケおやじの全くの妄想的推察なんですが、おそらくこのシングル盤こそが、我国におけるザ・フー最大のヒットじゃないでしょうか? とにかくラジオの洋楽番組を中心に広く一般にまで浸透した歌と演奏だったことは間違いありません。

斯くして「Summertime Blues」はアマチュアバンドには必修科目となり、もちろんプロでも多くのミュージシャンが演じているのは、例えば、うじきつよし率いる「子供ばんど」のバージョンが時代を超えて定番化しているように、説明不要の世界になっています。

しかし、シンプルであるがゆえに、R&R本来のノリを出すのは容易なことではありません。

そこがプロと素人の決定的な違いだと思います。

ただし、バンドをやっている誰もがプロになろうなんて、そんな大それた野心を持っているはずもありませんから、結局はその場が楽しければOK♪♪~♪

という環境に最も相応しいのが、ザ・フーが本来の持ち味とジャストミートしています。

最後になりましたが、既に「ライブ・アット・リーズ」のLPを持っていたサイケおやじが、何故にこのシングル盤をゲットしたかといえば、それはモノラルミックスだったからに他なりません。

尤も、これは単純にステレオミックスをモノラルに落としただけのものかもしれませんが、ラジオでオンエアする事を考慮したのでしょうか、ギュ~~っとスリムに凝縮されたような音像が感じられます。

ということで、おやじバンドはそれなりに年寄り趣味と思われがちな選曲になりますが、いえいえ、R&Rは何時までも若く! ですよ♪♪~♪

それには、「Summertime Blues」をハードロックでブチかます事が一番だと思うのでした。

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何時でもウケる、ヤミヤミの不思議

2010-12-13 15:27:48 | Pops

Yummy, Yummy, Yummy / Ohio Express (Buddah / 日本コロムビア)

あらためて述べるまでもなく、素人バンドがウケを取るのは容易なことではありません。

もちろん下手を演じて、仲間内からお情けの拍手という展開は日常茶飯事の「美しい仕来たり」ではありますが、それに感謝しつつも、やはり現場の雰囲気の良さを作っての喝采を希望するのが、正直な気持です。

まあ、このあたりは、自らの実力を鑑みれば贅沢な欲望なんですが、それでもそれなりの方策ってのは、確かに存在しています。

例えば学生時代に入れてもらっていたバンドでは、諸先輩からそうした秘訣が伝承されていて、ウケ狙いの演目としては本日ご紹介のシングル曲がイチオシされていました。

これはご存じ、1968年に大ヒットしたオハイオ・エクスプレスの代表曲で、リアルタイムではお子様向けのお気楽ロックという、所謂「バブルガム」とはいえ、それゆえに快適なビートとウキウキするようなメロディが実に心地良く、それでは皆様、御一緒に歌いましょう~~♪

てなもんですよねぇ。

実際、キャッチーなハードロックリフを用いたイントロからヤミヤミヤミ~♪ という最初のフレーズを出してしまえば、ほどよいサイケデリック味のコーラスやタイトなキメが痛快なリズム的興奮を呼び覚まし、全篇が楽しさでいっぱいという仕掛けです。

ちなみにこの曲も「バブルガム」の慣例どおり、発売元がブッダということになれば、以前にご紹介した1910フルーツガム・カンパニーの「Simon Says」同様、ジェリー・カセネッツ&ジェフ・カッツが運営していたスーパー・K・プロダクションの制作になっています。

つまりスタジオセッションで作り上げることを前提とした楽曲であり、極言すれば心置きなくヒット狙いをやれた幸せな状況での名唱名演だと思いますねぇ~♪

ちょいと鼻声気味の印象的なリードボーカルはジョーイ・レヴィンという歌手が担当した事になっていますが、オハイオ・エクスプレスというバンドそのものはジェリー・カセネッツ&ジェフ・カッツと邂逅する以前からローカルで活動していたそうですから、果たしいジョーイ・レヴィンが、そのオリジナルメンバーであったか否かは、知る由もありませせん。

もちろん当時は巡業用にそれらしいメンバーが集められ、オハイオ・エクスプレスがきっちりとライプをやっていたことは、当時の洋楽マスコミで報じられていたと記憶しています。

で、サイケおやじの個人的な体験として、やっぱりライプの現場では、この「Yummy, Yummy, Yummy」がウケるんですよねぇ~♪ それは地方の海浜ホテルのヒアガーデンであったり、あるいはショボいダンパであったりと、決して聴いてくれるお客さんばかりではない所での出来事ですから、真実味が違います。

う~ん、諸先輩の仰られた事は、本当だったんですよねぇ~♪

しかし、そのウケる原因が今もって解明出来ないところに、ポップスの魅力があるんじゃないでしょうか。

参考までに、この曲がヒットしていた頃には、B級GSやフィリピンバンド等々が相当に演じていましたし、後のグラムロックブーム期のバンド、そして1980年代に入っても、例えばちわきまゆみが歌っていたほどの永劫性があることを付け加えておきます。

よし、次のおやじバンドでは、これを切り札にしようっ!

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PPMの普遍の魅力

2010-12-12 15:45:21 | Pops

Lemon Tree c/w 悲惨な戦争 / Peter, Paul and Mary (Waner Bros. / 東芝)

昨夜は以前に書きました、おやじバンドによるビートルズ屋上セッション再現ライプの初回ギグをやったんですが……。

サイケおやじが下手の決定版を演じまくり、見事にイモって足を引っ張ったという顛末でした。

まあ、演じている時から、それは分かっていたんですが、後から録音を聴くほどに、情けない気分でいっぱいです。

しかし、それは当然の仕儀として、一緒のイベントに出た幾つかのグループの中に、本日ご紹介するPPMスタイルを演じた3人組は良かったですねぇ~♪

なにしろマリー役の女性が地域の英語教師だとかで、本物の金髪外人美女だったというだけで、勝負ありってやつですよ♪♪~♪

もちろん本来のコーラスワークとギターアンサンブルも纏まっていましたから、ウケていたのは当然でした。。

おぉ♪♪~♪、サイケおやじも心から拍手喝采!

ちなみに日頃は歌謡フォークを否定するからのような発言も多いサイケおやじですが、やはりPPMは別格で、ギターを少しは弾けるようになったのも、PPMのおかげという話は以前にも書いたとおりです。

また、高校生の頃は所謂フォークブームが我国でも真っ盛りでしたから、入れてもらっていた同好会のフォーク組ではPPMのコピーが当然の必修科目ということで、本当はそこに参加したくとも、ど~しようもないツッパリから横目で見ていたロック組のサイケおやじの屈折は……。

そんなこんながあって、しかし自宅では密かにPPMを楽しんでいたというわけですから、ちょっとはレコードも集めています。

で、掲載したシングル盤は中古でゲットしたものですが、やはり「来日記念盤」という輝かしい文字が嬉しいところでしょう。

肝心の収録曲は、A面の「Lemon Tree」がPPMの出世作となった1962年初夏の大ヒットで、ちょいと辛辣な歌詞が爽やかなメロディとコーラスによって歌われるのがミソでしょうか。

そしてB面の「悲惨な戦争 / The Cruel War」は、PPMが1966年に放ったヒット曲という以上に反戦運動の象徴として、ベトナム戦争真っ只中の1960年代後半、および我国では昭和40年代に、その手の集会では必ず歌われていた哀切の名曲ですが、実際、PPMのせつせつとした表現は、その重苦しさも、胸キュンのムードも、なんとも言えずに心に残る名唱だと思います。

ちなみに前述したPPMコピーグループの外人女性は、弟さんがアメリカ海軍に入っている事もあり、一触即発ムードが充満する最近の極東情勢を大いに心配するコメントを出されていましたが、同感ですねぇ。

ということで、PPMは時代を越えてウケが良く、その普遍の魅力を再認識!

それはビートルズだって同じですから、来週にも予定されている2回目のライプでは、もう少しはマシな演奏が出来るよう、練習に勤しむ覚悟を決めるのでした。

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