OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

イケイケのオネーチャン、これが音頭の大ヒット

2023-08-10 17:51:53 | 歌謡曲

うわさの小唄 / 栗咲ジュン (日本コロムビア)

掲載したのは、このイケイケのオネーチャン風情が強烈なジャケ写も印象的な栗咲ジュンが昭和49(1974)年末に放った大ヒット「うわさの小唄」をA面に入れたシングル盤なんですが、これを覚えていらっしゃるのは、おそらくはサイケおやじと同世代の皆様であろうと推察する次第です。

で、この「うわさの小唄」はジャケットスリーブにも記載があるとおり、その頃に爆発的な視聴率を誇っていたテレビのバラエティ番組「金曜10時!うわさのチャンネル!!(日本テレビ)」の主題歌でして、作詞:阿久悠&作曲:市川昭介という制作クレジットからしても、曲タイトルどおりというか、正統派民謡系音頭節であり、ミディアムアップの曲の流れは矢鱈に調子良く、栗咲ジュンの揺れながら節回している感じの歌いっぷりも痛快ならば、時として素っ頓狂な女性コーラス隊の掛け声も景気の良さの極みつき (^^♪

歌詞の世界の意味深さ加減も、件の番組の破天荒さに直結しているものと思えば、今や様座なジャンルで大活躍しているアレンジャーの矢野立美が編曲者としてクレジットされているのも貴重な記録と言う前に、これは素敵な仕事でありましょう。

ちなみに歌っている栗咲ジュンのジャケ写のイメージは、ピッチピチのホットパンツにイケイケなヘアメイク等々、こ~ゆ~センスって芸名共々、明らかに同時期の風吹ジュンを意識したパロディ企画だったと思うばかりですが、ここで披露される彼女の歌唱力は本物であり、おそらくは民謡 ~ 演歌のジャンルで活動していたんでしょうが、例えキワモノと決め付けられがちなジャケ写イメージと相反する楽曲のヒット性感度の高さは、高視聴率番組との相互作用があろうとも、楽しく聴ければ、それでOK (^^♪

そ~ゆ~ところも大衆音楽の流行には不可欠じゃ~ないでしょうか (^^)

ということで、栗咲ジュンは、この「うわさの小唄」の大ヒットによって、自己名義のLPも制作発売し、そこにはガンガンガッチリの民謡や変形歌謡曲(?)が収められていたので、サイケおやじは近年、探索を続けているんですが…… (^^;

CD化を希望していることは言わずもがな、オンタイムのステージギグ映像も見たいものですねぇ~~♪

最後になりましたが、今回は深く触れなかった件のテレビバラエティ「金曜10時!うわさのチャンネル!!(日本テレビ)」については、みっちりと何時かは検証(?)せねばならない「昭和の遺産」であろうと思っております。

それは今に至るも功罪に満ちた番組だったという、ひとつの結論は出ているのかもしれませんが当時、思いっきり俗悪・低俗と非難されていながら、そこにあったエネルギー量の凄さは、数多溢れかえっている現代の薄っぺらなバラエティ番組では、受け止めることさえ出来ないはずで、正にテレビの黄金時代を象徴していた番組だった様な気がしております。

今のテレビ番組で後年、語り継がれるものなんか、あるんですかねぇ~~ (^^;


青木英美の美脚の胸騒ぎ

2023-08-09 17:35:30 | 歌謡曲

胸騒ぎ / 青木英美 (テイチク)

本日の主役たる青木英美は昭和40年代中頃から昭和50年代前半に東宝制作のテレビドラマや映画で活躍したセクシー&キュートな女優さんで、とにかく掲載したジャケ写からも一目瞭然、スレンダーでありながら、メリハリの利いたナイスバディ、殊更目立つ美脚の魅力に加え、ちょいとエスニック系のキツイ面立ちで大きな人気を集めていましたですねぇ~~♪

サイケおやじが最初に彼女に惹かれたのは昭和45(1970)年のスポコンドラマ「金メダルへのターン!(フジテレビ)」で、これは水泳が主題だったもんですから、水着姿の美女が大勢登場するのは必然であり、そこで青木英美は主人公・梅田智子のライバルとして素晴らしい存在感を発揮していたんですが、だからこそ、主役以上の人気があった事は、サイケおやじの実体験に基づく伝説(?)であり、そのあたりは後追いでも、ご確認出来るものと思っております (^^♪

そして更なる大ブレイクとなったのが、昭和47(1972)年に放送がスタートした村野武範が先生役を演じた学園ドラマ「飛び出せ!青春(日本テレビ)」における、ちょいワルっぽいセクシーさを表出させた女子生徒としての青木英美は、現在でも忘れられていない彼女一代の当たり役だと思うんですが、いかがなものでしょう (^^)

それは確か、優等生女子生徒役の某女優よりも、間違いのない人気であり、サイケおやじの周辺にも青木英美ファンが急増していましたですね (^^)

なにしろ、既に述べたとおり、青木英美には出し惜しみする事の無い素晴らしい肢体がありましたからねぇ~~♪

しかし、それでいて、決して裸の安売りなんて仕事はやっていないあたりが、尚更の人気に繋がっていたと思っておりますよ、サイケおやじは (^^)

ですから、当時の慣例として、歌手活動も必然という中で、本日掲載のシングル盤は彼女が人気絶頂時に出してくれた歌謡曲の本命盤と申しましょうか、実は……、これ以前にも3枚ほどシングル盤を出してはいたんですが、如何にも「女優のレコード」という趣が感じられる、ちょいと芝居っぽい楽曲ばかりだったので、それはそれで魅力はあるんですが、やっぱりねぇ~~~♪

作詞:千家和也&作編曲:葵まさひこ!!

という、歌謡曲ファンには嬉しいソングライターコンビからの楽曲提供となれば、ここにA面収録の「胸騒ぎ」には曲タイトルどおり、聴く前からワクワク・ゾクゾクさられられるのは必定!?

そして針を落として流れ出すのは、イントロからテンションの高いリズムアレンジにハッスルしたホーンセクションがあればこそ、ミディアムアップで歌い出す青木英美の節回しは全く彼女のイメージどおりと申しましょうか、決して上手いとは言い難い歌唱力を逆手に活かしたとしか思えない、ズベ公の純情節みたいなストレートさがサイケおやじの好みのツボを直撃ですよっ!

もちろん、曲の流れの要所にはフェロモンの放出を要求されるパートが仕込まれているんですから、たまりません (^^♪

ある意味でのトーシロっぽさが、これほど良い方向へと作用したポップス歌謡も珍しいと思えば、所謂セクシーアイドルとしての青木英美の本領は見事に発揮されたと思うばかりですし、既に述べたとおり、美脚を惜しげもなく見せつけてくれるジャケ写の魅力共々に、これもアイドル歌謡の典型のひとつとして、じっくりと愛でるのも罪にはならないでしょう (^^♪

ということで、おそらくは彼女の本格的な歌謡曲のレコードは、これが最終作かもしれませんが、皆様ご存じのとおり、女優・青木英美としては以降日本テレビで放映されていた刑事ドラマの傑作「太陽にほえろ!」や「大都会 part 3」にレギュラー出演し、他にも様々な出演作がある中で、ウリの美脚を披露するサービスシーンの美味しさは言わずもがな、ワルっぽい役でも持ち前の憎めなさを発揮して、強い印象を残していたわけですが、そ~ゆ~芸能活動からはフェードアウトしていったのが昭和50年代中頃から……。

モデル業をメインに、結婚後も所謂「ミセスモデル」として各方面で活躍しているのは、皆様ご存じのとおりです。

しかし、サイケおやじは、セクシーなアイドル女優としての青木英美を決して忘れてはいませんし、この「胸騒ぎ」で聴かせてくれる彼女の素直なヘタウマ歌唱を愛聴しているというわけです (^^)

最後になりましたが、世が世なら、青木英美は絶対に素晴らしい写真集を出せていたはずですし、だからこそ、当時のフィルムからスチールカットを起こしてのマニアックなビジュアル本とか、そ~ゆ~ものに期待するのは、サイケおやじだけかなぁ~~ (^^;

そんな妄想、尽きることがありませんです (^^;


許してたもれ…

2023-08-08 17:44:10 | サイケおやじの日常

久々に仕事が縺れて、会議が紛糾!?

実質的には傍観者という立場のサイケおやじにまで、余波が及んだというか…… (^^;

そりゃ~~、苦境は理解しているつもりですが、今更ながらに年寄りの冷や水は勘弁願いたいところです。

今夜は夜の街で痛飲です。

失礼いたしました <(_ _)>


人は変わってこそ…

2023-08-07 17:56:10 | ニューミュージック

酔いたい気持 / 渋谷祐子 (キングレコード)

昔の知り合いに久々に会って、ちょいと吃驚するなぁ~んて事は珍しくもない、つまりは歳月は人を変えるってやつなんでしょうが、サイケおやじが本日、偶然にも再会した知人には、ちょいと驚かされました。

なにしろ件の知人は、どちらかと云えばネクラっぽい性格で、しかし、それでいて仕事は冷静沈着、真っ当な結末を常に追求していた内省的な真面目人間だったんですが、それが……、何があったかは知る由も無いとはいえ、何か……、「ふっきれた」感じだったんですねぇ~~~。

う~ん、妙に前向きというか、明るくて、力強い印象に変貌していたのは、これ如何にっ!

そんなこんながサイケおやじを戸惑わせたわけですが、そこで思い出したのが昭和53(1978)年に渋谷祐子が出した本日の掲載盤A面曲「酔いたい気持」です。

これは作詞:三浦徳子&作曲:渋谷祐子、そして編曲:瀬尾一三という制作クレジットが確認出来る、ラテンロック調のニューミュージック歌謡であり、歌詞の世界は所謂男女の別れ、愛想尽かしの女の独白という、なかなか下世話な演歌色も滲んでいるんですが、キャッチーな曲メロとミディアムアップのラテンロックなアレンジ、そして頭サビで力強く歌い回す渋谷祐子のボーカルが三位一体という仕上がりは高得点♪♪~♪

実際、当時の有線では、それなりに流れていた人気曲だったと思うですが、ここでサイケおやじが前述した気分に共通点を見出したのは、歌っている渋谷祐子の変貌ぶりに意表を突かれたからでして、実は彼女はヤマハ系のシンガーソングライターとして昭和49(1974)年に栗秋雅子と組んでいた、ドド=DoDo と名乗るフォークデュオで公式デビューして以降は、イノセントな雰囲気も強い、お淑やかで如何にもの歌謡フォークを聴かせていたんですから、この変わり身の凄さにはっ!?!

というか、これは後で聴いたんですが、渋谷祐子は、この「酔いたい気持」以前に実質的なソロデビューのシングル曲「レディ・マドンナはもう歌わない」という、ネクラなスローバラードを出しており、そこでも前述したフォークデュオのドドから引き継いだ様な自作自演を披露していたんですからねぇ~~ (^^;

まあ……、こ~ゆ~変貌は女の常という捉え方もあるのかもしれませんが、この「酔いたい気持」を含んだ彼女のアルバム「POP LADY Ⅱ」には、さらにオシャレ系のニューミュージックがテンコ盛りであり、発売された昭和54(1979)年当時の流行ド真ん中というサウンドに彩られた歌の世界が楽しめますよ (^^♪

ちなみに、アルバムタイトルからも皆様ご推察のとおり、渋谷祐子名義では、これ以前に「POP LADY」というLPが制作発売されているんですが、そちらにあった「軽い重苦しさ」という、ちょいと二律背反したイメージが、この 2nd アルバムからは感じられないと思っていますので、お楽しみくださいませ。

と、書いてはみたんですが、彼女の音源って、CD化されているんですかねぇ~~ (^^;

完全に無責任な文章で、申し訳ございません <(_ _)>

しかし、人は何かの「きっかけ」で、変わってしまうということを本日は述べさせていただいたというわけです。

最後になりましたが、冒頭で述べた件の知人は4年前に癌を克服したとか (^^)

う~ん、死の淵から蘇った人間は強いという証なんでしょうかねぇ~~♪

そ~ゆ~、変身・変容は素晴らしいと思うばかりです。


今日は……、ダウン…

2023-08-06 17:35:31 | サイケおやじの日常

猛暑の中、高齢者バンドの練習に出かけたら、バテバテで、老いの深まりを痛感しております……。

まあ……、これはサイケおやじだけじゃ~なくて、メンバー全員の症状(?)でもあったんですが、情けない……。

ストーンズは、古希過ぎたって、ビンビンにやれているんですから、枯れちゃ~いられないとは思うんですが……。

本日は、泣き言、失礼いたしました <(_ _)>

皆様も、ご自愛くださいませ。


この人だぁ~れ part-140:中園ナナ~ 夏はルンバだっ!

2023-08-05 17:26:10 | 歌謡曲

バッカジャナカロカ・ルンバ / 中園ナナ (キングレコード)

夏と云えば「キューバ」産の大衆音楽も欠かせないほど世界中に浸透しておりますが、そこにはウキウキさせられるリズム的興奮があればこそ、ダンスミュージックとしての実用性も鑑みれて、例えば「ルンバ」は、その代表格になりましょうか。

ですから、基本的に雑食性が強い我が国の歌謡曲には、そんなこんなのキューバ系(?)が数多く制作され、その何れもが楽しさと一抹の哀愁を滲ませたキャッチーなスタイルということで、本日ご紹介させていただくのは昭和47(1972)年に発売されたとする中園ナナのシングル盤A面曲「バッカジャナカロカ・ルンバ」です。

歌っている中園ナナについては、例によってサイケおやじには「この人」シリーズの女性歌手ではありますが、楽曲そのものは、一聴瞭然!

あのルンバの有名曲「マイアミ・ビーチ・ルンバ」をアップテンポに焼き直し、ノベルティなコミックソングに仕立てたという、所謂キワモノの誹りも免れないトラックではありますが、それでもアービング・フィールダーズ&アルバート・ガムジーが書いたオリジナルを時代に即応した編曲で歌謡曲化した馬飼野康二の手腕は流石であり、しかも……、かもまさるが附した日本語の歌詞の世界が、あの尾崎紅葉の「金色夜叉」、つまりは寛一・お宮の熱海の海岸における愁嘆場と後の復讐劇なんですから、たまりません (^^;

実は、こ~ゆ~「金色夜叉」ソングは歌謡曲では度々題材になっているみたいですが、昭和元禄以降はギャグネタに近いレコードも作られ、拙ブログでも以前ご紹介した「お宮さん / ザ・トーイズ」という傑作もある中で、この中園ナナの「バッカジャナカロカ・ルンバ」は所謂「金の亡者」を笑い飛ばしつつ、「お金の魔力」に含みを持たせるあたりは、なかなか楽しいものがあります (^^;

なにしろ、それはイントロからの下世話なドラムスに重なって入るアフロキューバン伝来のリズムと情熱のブラス、そしてハッチャキなラテン系のコール&レスポンスは言わずもがな、グッと粘っこさも好ましい中園ナナのグイノリ歌唱がイイ感じ♪♪~♪

もちろん、例えばザビア・クガート・オーケストラ等々の正統派(?)バージョンの味わいを大切にしつつも、ここでのアップテンポのツッコミとか、日本語の歌詞とラテン系の合いの手の語感の楽しさは、完全なる楽しさ優先モードじゃ~あぁ~りませんかっ!

いゃ~~、ルンバって、楽しいですねぇ~~、何が歌われていようともっ!

もちろん、社交ダンスの世界では、アクション系のダンスの定番が「ルンバ」ということもあり、露出度の高い衣装で派手に美脚を振り上げるハイキックなポーズとか、そ~ゆ~ところを鑑賞するのもサイケおやじは大好き (^^♪

うむ、全く熱くさせられるのが、ルンバの魅力と思うばかりでございます (^^)


香月サコのエグ味のエレキ演歌

2023-08-04 16:33:27 | 歌謡曲

赤い夕日 / 香月サコ (ポリドール)

とにかく、なんでも「エレキ」だったのが昭和40年代初頭の我が国歌謡界だったればこそ、それは如何様に探索しても、到底掘りつくせない「宝の山」と思うサイケおやじが出会った大好曲が昭和43(1968)年に発売された本日掲載のシングル盤A面曲「赤い夕日」です。

歌っている香月サコは、オンタイムで活動していた時期よりも現代において人気が高い女性シンガーという位置付けになりましょうか、コアなマニアばかりか、所謂フェロモン歌謡の後追いファンからも熱い支持を得ている事は、中古市場における彼女のレコードの高値安定にも明らかですし、それに反比例するが如き、音源復刻の停滞も、尚更の人気を煽っているみたいですが、それはそれとして、この「赤い夕日」は作詞:水木かおる&作曲:城美好、そして補作曲:彩木雅夫&編曲:森岡賢一郎とクレジットされた、これがエレキギターと強いビートが効きまくったミディアムテンポのエレキ演歌と申しましょうか、エグ味が隠し様も無い香月サコの声質と粘っこいコブシ回しが最高なんですねぇ~~ (^^♪

実際、ここでの澄んだ音色で泣きのフレーズを弾いてくれるエレキギター、チープなオルガン、加えて幾分バタバタしたドラムスに濃厚なストリングスの響きが用意されていれば、香月サコのヌメヌメした歌いっぷりは、男への恨み節と悔恨の情が綴られた歌詞の世界を完全に活かさしきっており、これ以上無いほどの相性だと思うんですが、いかがなものでょう。

いゃ~~、こ~ゆ~名曲・名唱が普通に制作されていたんですから、流石に昭和歌謡曲は侮れませんねぇ~~♪

もちろん、既に述べたとおり、彼女はフェロモン歌謡の分野でも傑作を残しており、それも追々にご紹介させていただく所存ではありますが、個人的には香月サコと云えは、この「赤い夕日」が最も好きですし、ぜひとも、皆様にもっ!

ということで、本日は決して夏向きのレコード紹介にはなりませんでしたが、一応は「エレキ歌謡」という括りが付けられそうなんで、ご容赦を <(_ _)>

う~ん、久々に聴き返してみたら、既にして「歌謡ロック」の趣も感じられたりして、彼女の音源復刻をコンプリートでお願いしたものですねぇ~~ (^^)


メロンはセクシー果物か?

2023-08-03 18:34:10 | 歌謡曲

メロンの気持 / 森山加代子 (東芝)

夏の果物の代表格と云えば西瓜が定番かもしれませんが、昭和30年代に少年期を過ごしたサイケおやじにとっては、断然の憧れがメロンでありました。

ど~でしょうか、この気持ち、サイケおやじと同世代の皆様であれば、共感いただけると思うんですが、もちろん、メロンと云っても、我が国古来(?)からある「マクワウリ」とは完全に一線を画す、つまりは所謂「マスクメロン」という、あの表面に迷路みたいな曲線模様が入った大きくて、薄緑色の果物は、デパートや有名果物屋の店頭に鎮座させられていた高級品であり、それだけで仄かに甘い香りが美食の代名詞だったんですよねぇ~ (^^;

ですから、メロン=甘くて、うっとり、キュートな宝物?

そんなイメージが確かにあったからでしょうか、森山加代子が「月影のナポリ」に続けて出した日本語による洋楽カバーの傑作「メロンの気持」が忽ち大ヒットしたのもムベなるかなっ!?

その軽快で、ちょいとばかり粘っこいリズム&ビートを持ったオリジナルメロデイ「Corazón De Melón」は、キューバの作曲家と云われるカルロス・リグアルが書いたそうですが、サイケおやじが原曲ヒットを最初に聴いたのは、ペレス・プラード楽団をバックに歌ったローズマリー・クルーニーのバージョンで、これは1959年頃のレコードではありますが、もちろん、最初の出会いは前述した昭和35(1960)年に大ヒットした森山加代子の日本語バージョンでありました。

それは訳詞:ホセ・しばざき&編曲:岩井直溥というスタッフが手掛けた、これぞっ!

日本語による洋楽カバー曲のお手本とも言いたくなる傑作で、特に歌詞のキメ――

   メロン メロン メロメロ メロン♪

―― と歌われるパートの楽しさとキュートな雰囲気の良さは、その前段として――

   ねえ わたしはメロン
   つきの はたけの
   つゆに ぬれた
   あまい メロン

―― なぁ~んて、思わせぶりにセクシーな歌詞が附されており、それを森山加代子が愛くるしく節回すんですから、たまりません ♪♪~♪

以降の歌詞も、全く同傾向の誘惑ソングみたいな趣向になっているあたりは、聴いてのお楽しみなんですが、これは聴き方によれば、発禁スレスレじゃ~なかろうか (^^;

そのあたりは前述したローズマリー・クルーニーのバージョンが、意外なほど(?)力強く歌っているのとは完全に異なる印象ですし、また幾つか同時期に制作発売された国内競作バージョンの中でも、この森山加代子のシングルバージョンが、殊更鮮やかな仕上がりだと思っております。

ちなみに、現代でも使われている、何かに夢中になっている表現の「メロメロ」っていう言い回しは、この森山加代子の「メロンの気持」が由来なんでしょうかねぇ~~?

ということで、昭和30年代の果物の王様は言わずもがな、バナナでありましたか、メロンは尚更に「高嶺の花」だった事を鑑みれば、如何に現代が裕福になったのかは説明不要でしょうし、それとは裏腹に憧れの対象が少なくなったのは、些か寂しい気もいたします。

「食べる楽しみ」なんてものは贅沢の象徴でもあり、生きている証でもあろうかと思えば、食物ソング(?)がウケるのも不思議じゃ~ありませんねぇ~~♪

しかし……、最近のサイケおやじは、何を食べようか? という欲望は薄くなっているのですが…… (^^;


尾崎奈々の再会エレキ歌謡

2023-08-02 17:47:49 | 歌謡曲

再会の湖 c/w あの愛はかえらない / 尾崎奈々 (Reprise / ワーナーパイオニア)

本日の主役たる尾崎奈々は昭和40年代に活躍したスレンダー系の美人女優で、所謂清純派として松竹制作の映画&テレビドラマに多数出演しておりましたが、だからこそ、歌手としての活動も当然が必然のスタアの証ということで、本日掲載したのは、猛暑の今だからこそ聴きたい夏向きエレキ歌謡 (^^♪

ただし、発売されたのは昭和46(1971)年10月でしたから、純粋な「エレキ歌謡」というよりも、当時流行の「ベンチャーズ歌謡」を多少は意識したところもある様な気もいたしますが、とにかく作詞:林春生&作曲:井上忠夫が提供の収録A面曲「再会の湖」はアップテンポの哀愁エレキサウンドが否が応でも楽しめるロストラブソングでして、しかも森岡賢一郎の編曲が殊更リズムアレンジにおいて、北欧系インストバンドが十八番にしていたドラムスやベースのプレイに表れているもんですから、たまりません (^^♪

そして肝心の尾崎奈々の歌唱も、それなりに安定した節回しと微妙なエグ味を滲ませた、これが哀しみのポップス歌唱と申しましょうか、サイケおやじは決して嫌いではありません。

なによりも、既に述べたとおり、北欧系エレキインストのボーカルバージョンみたいな曲調との相性がイイんですよねぇ~~ (^^♪

正に涼しげなジャケ写ポートレートを眺めての鑑賞にジャストミートの仕上がりだと思うんですが、いかがなものでしょう。

ですから、同じ制作スタッフが関わった収録B面曲「あの愛はかえらない」が、これまたアップテンポのエレキ歌謡というのは美しい「お約束」として、グッと惹きつけられるわけですが、楽曲の流れの要所で、フェロモン系の「ため息」を歌わなければならないパートがあり、なんだか……、その部分で「ためらい」が感じられたりして、まあ……、このあたりは既に述べたとおり、清純派としてのイメージの所為なのか、あるいは本人が自然体で恥ずかしがっているのか?

そ~した妄想&推察も楽しいと言えば、それはサイケおやじの変態性の証明なんでしょうが、それはそれとして、幾分不安定な彼女の歌唱も、楽曲そのものの素晴らしさとエレキ歌謡伝来のサウンドがニクイばかりですから、サイケおやじは好きです (^^♪

ということで、台風やら、猛暑、そして凶悪犯罪が多発という、いやはやなんともの世相は昔っから変わっていないのかもしれませんが、老い深まりて往年の夏を思い起こせば、海とエレキと快楽こそが、平和の証して、今も忘れてはならないものと確信しております。

そして、だからこその悲喜交々も、素直に受け入れられるのが年寄りの特権だとしたら、昔に拘り続ける自分も正当化出来るんじゃ~なかろうか?

そんなふうに自分に言い聞かせているのでした (^^;


ハワイアンじゃ~なくて、ポップス歌謡の裏名盤

2023-08-01 17:17:52 | 歌謡曲

アロハの恋人 c/w 今日より永遠に / ムトー・早苗 (RCA / 日本ビクター)

「昭和」という時代、庶民の憧れの地と云えばハワイ♪♪~♪

―― という確かな答えがあったわけですが実際、年末年始の休みにはハワイ旅行がステータスの証でもあり、また夏場ともなれば、ショッピングセンターやビアガーデン等々で流れる音楽はハワイアン♪♪~♪

その陽気で、時には哀愁も感じさせるハワイ系の洋楽こそは、忽ち歌謡曲にもミックスされ、スチールギターと軽快なリズム、そしてフワフワモードのコーラスにファルセットも特徴的なボーカルで醸し出される歌と演奏は、殊更夏なればこその気持ち良さがありますよねぇ~~ (^^♪

さて、そこで本日掲載のシングル盤A面曲「アロハの恋人」は、曲タイトルからして、あまりにもベタなご紹介と思われるかもしれませんが、しかし、これは作詞:橋本淳&作編曲:筒美京平が提供したミディアムアップのキュートなポップス歌謡であり、それを弾むが如く節回すムトー・早苗の明るいボーカルは、程好く用いられるマイナーコードの曲展開にも臆する事の無い伸びやかさが大いな魅力 (^^♪

発売されたのは昭和45(1970)年とされていますが、楽曲そのものの味わいから、これは翌年デビューする南沙織でもイケていたと思えるほどの仕上がりじゃ~ないでしょうか (^^♪

ちなみに、それでもカラオケパートにはハワイアンムードを残そうとしていたのか、スチールギターや南国風味のパーカッションが薄く使われているありも意味深と申しましょうか、サイケおやじは例によって、ムトー・早苗については知るところが無いままに、ジャケットスリーブ裏解説に記された彼女の短いプロフィールによれば、「ミス・ハワイアナ・コンテスト」で選ばれた17歳!?!

―― ということになっているのですから、やはりハワイアンムードは必須の企画だったんでしょうが、出来上がった「アロハの恋人」のポップス歌謡性感度の高さは、なかなかに秀逸♪♪~♪

残念ながら、サイケおやじはリアルタイムのテレビやステージに出演している彼女の記憶は全くありませんし、どの様な活動を展開していたのかも、雲を掴むなんとやら……。

それでも、中古ながら、なんとなくゲットした掲載盤の内容の好ましさがあればこそ、もっともっと残してくれた音源を探索しているもんですから、ここにA面と同じソングライターコンビから提供の収録B面曲「今日より永遠に」も大切に聴いておりまして、そのミディアムソローの優しいメロディ展開と「ハワイご当地ソング」みたいな歌詞の世界を清涼な声質で歌ってくれるムトー・早苗は、こちらが本領かもしれないと思ってしまうほど (^^♪

冒頭に提起した純粋(?)ハワイアン歌謡ではありませんが、このシングル盤とムトー・早苗と名乗る女性シンガーの実在は、確かに夏向き歌謡曲の需要と供給みたいなものかもしれませんねぇ~~ (^^)

ということで、本日は屁理屈の積み重ね、鬱陶しくて申し訳ございません <(_ _)>

また、ジャケ写画像もスマホでの撮影だった所為で粒子が荒れてしまい、ど~にも本意ではありませんが、収録楽曲そのものについては、ぜひともお楽しみいただきとうございます <(_ _)>

夏向きの歌謡曲って、探し甲斐ありますねぇ~~ (^^;