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平和百人一首 (五)       まもる

2009年02月06日 10時45分48秒 | 文芸作品
 清しかる朝の窓あけ今日もまた
    生命甲斐ある生活(たつき)祈りぬ    東京  塚野ひろみ 

                                 
 新なる国興さむと二千尺
    坑底ふかく鶴嘴ふるふ     福岡  安武忠利


☆「生命甲斐ある生活・・」の歌に花森安治氏の「一銭五厘の旗」を思い出した。

戦争には敗けた しかし

戦争のないことは すばらしかった 

軍隊というところは ものごとを

おそろしく はっきりさせるところだ

星一つの二等兵のころ 教育掛りの軍曹

が 突如として どなった

貴様らの代りは 一銭五厘で来る

軍馬は そうはいかんぞ

聞いたとたん あっ気にとられた

しばらくして むらむらと腹が立った

そのころ 葉書は一銭五厘だった

兵隊は 一銭五厘の葉書で いくらでも

召集できる という意味だった

そうか ぼくらは一銭五厘か

そうだったのか

そういえば どなっている軍曹も 一銭

五厘なのだ 一銭五厘が 一銭五厘を

どなったり なぐったりしている
 

考えてみれば すこしまえまで

みんな虫けらめ だった

寄らしむべし知らしむべからず だった

しぼれば しぼるほど出る だった

明治ご一新になって それがそう簡単に

変わるわけはなかった

昭和になってそれがそう簡単に

変わるわけがなかった

満洲事変 支那事変 大東亜戦争

貴様らの代りは 一銭五厘で来るぞ と

どなられながら 一銭五厘は戦場をくた

くたになって歩いた へとへとになって

眠った

一銭五厘は 死んだ

一銭五厘は けがをした 片わになった


あの八月十五日から

数週間 数カ月 数年

ぼくらは いつも腹をへらしながら

栄養失調で 道傍でもどこでも すぐに

しゃがみこみ 坐りこみながら

買い出し列車にぶらさがりながら

頭のほうは まるで熱に浮かされたよう

に 上ずって 昂奮していた

戦争は もうすんだのだ

もう ぼくらの生きているあいだには

戦争はないだろう

ぼくらは もう二度と召集されることは

ないだろう

敗けた日本は どうなるのだろう

どうなるのかしらないが

敗けて よかった

あのまま 敗けないで 戦争がつづいて

いたら

ぼくらは 死ぬまで

戦争するか

空襲で焼け死ぬか

飢えて死ぬか

とにかく死ぬまで 貴様らの代りは

一銭五厘でくる とどなられて おどお

どと暮していなければならなかった


敗けてよかった

それとも あれは幻覚だったのか

ぼくらにとって

日本にとって

あの数週間 あの数カ月 あの数年

おまわりさんは にこにこして ぼくら

を もしもし ちょっと といった

あなたはね といった

ぼくらは 主人で おまわりさんは

家来だった

役所へゆくと みんな にこにこ笑って

かしこまりました なんとかしましょう

といった

申し訳ありません だめでしたといった

ぼくらが主人で 役所は ぼくらの家来

だった

焼け跡のガラクタの上に ふわりふわり

と 七色の雲が たなびいていた

これからは 文化国家になります と

総理大臣も にこにこ笑っていた

文化国家としては まず国立劇場の立派

なのを建てることです と大臣も にこ

にこ笑っていた

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下田散策    落石

2009年02月06日 09時41分58秒 | Weblog
春を求めて伊豆半島に行ってきました。
下田では宝福寺のお吉の墓がありました。
ラシャメンとして差別され入水自殺をしたお吉。
引き取り手のない遺体を、この寺の住職が葬ったとのこと。
あれから150年、観光資源となったお吉さん。
あの世で、笑っているかも知れません。

その時、ふっと時代は変わったと感じました。
太平洋時代の幕開けとなったペリー来航。
いまアメリカは満身創痍。
新しい時代が始まっている。
とくに今回の不況は、そのことを誰の目にも
はっきりと見せてくれました。

そんな気分にぴったりの記事。
2月3日の中日新聞にエコノミストの水野和夫氏に聞く
という特集記事がありました。

簡単にいえば、1975年に欧米・日本の近代化は終了、
これからは中国・インドの近代化の時代というもの。

日本は貿易立国ということで進むしかないから
新興国に消費財を売り込む道をとらざるを得ない、というもの。

これはすでに何回も指摘されたことです。
問題はアメリカとの関係。

日本は国債を増やし、社債も増えている。
つまり借金経営、そこにアメリカが国債を買えと言ってくる。
買ったら共倒れ。

針路の取り方が、とても難しい。

現実が意識を方向づけるけれども、意識はどうしても遅れる。
チェンジは遅れてやってくる。

21世紀の日本を方向付ける選挙がまもなくやってくる。
とても重要な選挙になるが、その重要性を国民が認識するのは
終ってからにならないようにしたいもの。

日本としてはアメリカを袖には出来ない。
アメリカ国債を政治的な判断から買った場合
一時的にドルの暴落は避けられるけれども
ドルの目減りは止らない。

今回の金融恐慌で、年金生活者の元手は大きく減少。
ドルがさらに下がれば、ますます目減りしていく。
これはある程度仕方ないのかも。

水野氏によれば、景気後退は5年は続き、
経済成長率はマイナス10%、失業率も倍になるという。
(納得!)

民主党にこうした事態を改善する力があるとは
感じられないが、とにかくオバマさんを選択した
アメリカ人と同じ選択しかないでしょうね。

その場合、共産党が、どのくらいの役割を果たせるのか?
そこがよく見えない。

いずれにせよ悩ましい時代の転換期です。

ただ、せっかくの転換期だから、
無駄遣いの廃止、つまり、
①軍事費の節減
②使い捨て文化からの脱出
この2つは実現の可能性が大きくなったといえませんか?
年寄りの声として大きな声で言ってもいいことかな?

少しでもそちらに進むように。

           











コメント (6)
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