昭和５年、東京の霊岸小学校では１年生の４０人のうち、
毎日、三度の食事をとっているのは３人だけ、
ほとんどの子供は一日、一食か二食。
経済不況の影響は子供たちの生活にも大きくのしかかってきた。
学校では子供たちにワカメを売らせて家計の助けとしようと。
五年生を対象にワカメ売りを考案、一個４５銭の手籠を用意。
一束２銭でワカメを仕入れ、一人２０束を持たせた。
子供たちは放課後、夕暮れまでワカメを売って歩いた。
五年生全員が参加を希望、一人平均３０銭の収入があったという。
こうした欠食児童が社会問題となり、学校給食が検討され始める。
そして戦後になって全員に学校給食が行き渡る。
そして今、お金があるのに給食費を支払おうとしない親が現れる時代に。
平和はつらいものだが、それに耐えねばならない 渡辺一夫
