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 閻魔大王・格付け会社について   文科系

2010年08月02日 07時42分46秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 アメリカの格付け会社をどう見るかという問題で、友人と討論になった。要約すればこんな内容で。「インチキが多いのではないか」と語った僕に、彼は「間違いとか例外的なインチキはあっても、それが常態ではない。一般的には信用されてよいと思う」と。その時僕はそれ以上に語る資料も、準備もなかったので、「調べておく」とお応えした。その後ちょっと調べ、まとめてみたので、この場を借りて、お答えしたい。

 まず少なくとも、大きな常態的インチキがあったのは事実であろう。こんな諸事件があったのだから。この友人との討論の発端になったのはアメリカで01年12月に起こった超大企業エンロン倒産のこと。それに係わって、こういう歴史的事実があったことがはっきりしている。
 エンロンは倒産寸前まで超優良格付けであった。それは、会計会社・アーサーアンダーセンも係わった粉飾隠しによって支えられていた。アンダーセンはアメリカ4大会計会社の一つであって、この粉飾を問題にされて顧客が逃げ、翌02年に潰れた。ここで問題になるのが、アンダーセンが係わった粉飾はエンロンだけなのかということだ。02年7月に破綻したワールドコムの粉飾にも、1999年からアンダーセンが係わっていたという事実がある。ここからこう述べたら、言い過ぎであろうか。アンダーセンは、かなりの粉飾の監査を通していたのではないかと。つまり、粉飾会計に荷担し、超大会社の偽格付けを下支えしていたことになると。エンロン問題におけるアンダーセンが、05年に逆転無罪になったという事実があったとしても、いかがわしさを拭いきれないのである。

 上の言い分には当然、こういう反論が起こる。格付け会社自身は、会計会社に誤魔化された被害者であって、インチキをやったわけではない。ましてや、それを常態としているわけではない、と。この点で問題にしたいのが、サブプライム関連証券とそれにも関連したクレジットデフォルトスワップである。
 前者はジャックボンド並みのもの、後者は一斉に請求されたら支払い不能になるとハッキリしていたもの、こう言われ続けてきた。こんな批判が続いてきた両者に、格付け会社は長くトリプルAを付けてきたが、これらは事実そういう予言通りに大破綻を来したのだった。ちなみにCDSは、空売りなどがどこかで失敗すれば連鎖請求は確実であって、その支払いは不能になると、以前から予言されていたはずである。また、以上のトリプルA商品破綻などについては、トリプルA格付けがあったから、またCDSがあるから、「信用」が保たれてかえって政府介入の大被害に至ったという側面もあったはずだ。結果論で言えば、ネズミ講とどこが違ったのだろう。膨大な税金を支出して政府がネズミ講を救済したのと、どこが違うのだろう。 

 さて、最後にこんなこともある。格付け会社と4大会計会社と投資金融会社などが人脈交換で深くつながってきたという歴史的事実があるということだ。つまり、ツーカーなのである。そこにすべてのいかがわしさの根源があると述べたら、言いすぎだろうか。
 格付け会社を最後の審判判事か、この世の閻魔大王のように扱うのは、やはり誤っていると主張したい。誰かに踊らされて、ネズミ講を宣伝するようなものだ。バブル造成、その破裂、サブプライム破裂、CDS破裂、こういう一連の責任者たちに対する政府のオカシナオカシナ救済(自己責任社会で?)という歴史的事実が、以上の主張を裏づけていると言える。
コメント (2)
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