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新聞の片隅に載ったニュースから(79)     大西五郎

2013年02月21日 10時15分39秒 | Weblog
新聞の片隅に載ったニュースから(79)

首脳会談あれば日中関係改善も 丹羽前中国大使講演(2013. 2.20 毎日新聞)

 丹羽宇一郎・前中国大使は19日、東京都内で開かれたアジア調査会(会長・栗山尚一元駐米大使)主催の講演会で、尖閣諸島を巡る日中対立について「今春にも日中韓首脳会談が行われる。この機会が唯一最大のチャンスだ」と強調。日中韓首脳会談は通常5月ごろに開かれており、次回の開催予定地の韓国で日中首脳会談を実現し、関係改善を図るべきだとの考えを示した。
 丹羽氏は「日本は『尖閣には外交上の争いがある』と認めるべきだ。さもないと話し合いができない」と指摘。3月に開かれる中国の全国人民代表大会の前に「領土問題は存在しない」との日本政府の立場を修正するよう求めた。また政府が昨年9月に尖閣を国有化した際に「一日を争うようなことか」と野田首相に延期を進言していたことも明らかにした。

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 丹羽氏は石原慎太郎東京都知事(当時)が尖閣列島を東京都が購入する計画を発表したことに対して、イギリスのフィナンシャルタイムズの取材に答えて「実行されれば日中関係に重大な危機をもたらすことになる」と反対の態度を明らかにしました。事実は丹羽氏が憂慮した通りになりましたが、この発言に対して藤村官房長官(当時)は領土問題など存在しないとする日本政府の立場から、「丹羽氏の発言は政府の立場を表明したものでは全くない」と否定しました。
 この丹羽氏の考え方に対して自民党の外交部会が昨年6月に「丹羽氏は大使として相応しくない」として更迭を政府に要求しました。政府は直ちに更迭という措置はとりませんでしたが、通常国会の終了後中国大使を交代させることを決め、9月に西宮伸一外務審議官を後任の中国大使として発令しました。しかし西宮氏が急性心不全で倒れ、そのまま亡くなったため、引き続き丹羽氏が大使を務め、昨年12月に依願退職しました。
 日本政府は「尖閣列島は歴史的にも日本固有の領土であり、領土問題は存在しない」という態度をとっています。この問題で中国と話し合いを行わないという方針ですが、それではいつまで経っても問題は解決しないと思います。歴史的にも、実効支配していた証拠があるなら、それを中国に示して話し合うのが解決の道ではないでしょうか。
 なお、丹羽氏の講演については20日の朝日新聞も報じていますが、丹羽氏は昨年9月の国際会議で当時の野田首相が中国の胡錦濤国家主席から日本政府が尖閣列島を国有化しようとしていることに反対だと伝えられましたが、その翌日に国有化を決め、いうなれば胡錦涛氏の面子をつぶした」と指摘しました。中国との外交では面子ということも問題解決の一つの要素になると思います。
 自民党の外交部会が「中国に理解を示すような態度は怪しからん」といって更迭を要求したのも最近自民党で強まっているタカ派的短絡思考です。大使が赴任したその国がどのような思考回路で問題を提起してくるかを洞察し、どう対処すべきかを本国政府に提言することは必要なことです。外交は相手があることだということを自民党の右派グループは理解すべきです。

                                       大西 五郎
コメント (8)
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