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「よたよたランナーの手記」(69) 長い雌伏で、雄飛は?  文科系

2014年10月10日 03時21分58秒 | 文芸作品
 ちょっと中期的に、9月20日まで最高39度の一週間ほど続いた熱風邪からの回復以降を、さらにそれ以前とも比べつつ、まとめてみる。22日に13日以来9日ぶりのランで、30分をゆっくりと3.7キロ。23日にはちょっと頑張って、4.2キロ。25日、30分で4.3キロまで行った。この最高速度は、前日と同じ9キロ時。
 次が28日、30分で4.1キロしか走れなくって、なにか体力の非常な衰えを感じたものだ。治っていたはずの右アキレス腱周辺の疲れ、筋肉痛?が再発してきたし、体重が2キロも減って近年珍しく55キロを切り、体脂肪率10.7%なのだから、無理もないのである。そこで、今の体力を確認してみる作業として、29,30日と久しぶりに階段往復をやってみた。いつものように我が家の18階段を80往復ずつやったのだが、案の定身体が疲弊していると分かった。両脚のふくらはぎから足首にかけて筋肉痛が出たのである。この程度の運動ではかってなかったことであって、きつい風邪の後遺症なのか、やっぱり年なのか。例によってまずはとにかく、いろんな確認作業に入った。

 1日にサイクリング、3日には階段100往復、4日には70往復と、走るのを控えて、身体の運動順応度・回復度・強化度を慎重に調べていった。その上で、7日に9日ぶりで走ってみたのだが、30分で4.1キロ。まー何とかこんな風に感じられた。
「アキレス腱はまーまーで、心肺機能もさほど低下していない。一応次へのスタート地点には立てているのかな?」

 ということで迎えた9日には、4.4キロまで行けた。最高速度は9.6キロ時である。心拍数は終わり頃の最高時で、170とかまでになっていた。かと思えば150に下がったりと、とにかく不安定この上なかったが、事後の状態はまー一安心。「走れるな!」と感じたものだ。
 さてただし、今年3月15日の30分×2回で9.85キロはおろか、その後アキレス腱痛から復活してきた9月13日の同8.8キロもまだまだ「先のことだ」のようだ。前者では最高時速11キロでも心拍は155までだったのだし、後者はほぼ時速9キロで走り通しただけなのだから、今は、前者などもう金輪際無理かも知れないとさえ思われるのである。この3月前後からは、2度の外国旅行、しつこいアキレス腱痛、左脚力の衰え発見を巡る一進一退、おまけに高熱で一週間寝込むなどなどと、とにかくいろいろあった。
 
 年を取ると、身体のほんのちょっとした不調が意欲・精神力の減衰に直結し、その衰退と活動低下との悪循環が始まると、今回も改めて痛感したもの。胃や大腸の内視鏡までやった高齢者無料健診結果にほっとしたり、コツコツと運動できているおかげもあったりだからか、頭脳の活力は明らかに戻ってきた。ギターレッスンなどへの意欲、内容もずいぶん向上しているし、本、文章もよく読めるようになった。また、こんな時こそ大好きな愛車・パナレーサーをいつも思い出すべく玄関に立てかけてある。僕の心身を保持、向上させてくれるという意味で、これほどに大好きなものがあることの幸せを日々温め直しているわけだ。ジムでちょっと走りを重ねてから、来週あたりにも、高い青空の下でツーリングに出かけるぞ!
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世界経済史の今を観る(9) 経済諸問題解決の方向③  文科系

2014年10月10日 01時51分17秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
世界経済諸問題解決の方向③ ワシントン・コンセンサスへの規制、運動


①防衛と規制

 中進国が先進国を追いかけ、後進国が中進国を追いかけて物作りが活発になるにつれて、アメリカを中心とした先進国は株、金融に活路を見出していった。その結果が5回目で述べたこのことだ。
『1970年から2007年までの38年間に、208カ国で通貨危機が、124カ国で銀行危機が、63カ国で国家債務危機が発生しています。金融危機は、先進国、新興工業国、開発途上国を問わず、アジア、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカを問わず起こっていたのです。これに対し、第二次大戦後1970年以前の時期には、国際金融危機や大規模な一国金融危機はほとんど発生していません』

 この状況の最新問題は、ユーロ危機である。背後に日米などの金融機関がいることが分かっていても、どうしようもないという窮状、難問なのである。さらにまた、ギリシャ、スペインなどの現窮状はサブプライムバブルや、例えばキリシャ国家自身がゴールドマン・サックスに騙された事やに起因する事も既に世界周知の事実である。
 汗水垂らして蓄えた金を一夜にして奪っていくこんな動きに対して、いろんな防衛、規制論議が起こるのは当然のことだろう。まず防衛というのは、一時的な当面の絆創膏手当に過ぎないにしても、こんな事があげられる。
「金融危機国への外貨融通制度、あるいは銀行など」が各地域に国家連合的に作られ始めた。アジア通貨危機から学んだASEANプラス日中韓が、日中等の支出で大きな資金枠を持った例。岩波新書「金融権力」(本山美彦京都大学名誉教授著)は、南米7カ国が形成したバンコデルスル(南の銀行)に注目している。
 最近の次の出来事も、この部分に関わることと言える。南アフリカで開かれたBRICS首脳会議は、新興国支援を目的とした「BRICS開発銀行」と、危機の際に資金を融通し合う「共同積立基金」の創設で合意したそうだ。戦後の世界経済は、「世界銀行」と「国際通貨基金」を中心とするブレドン・ウッズ体制によって支えられてきた。BRICSの構想は、その「過去の遺物」から離れ、独自の体制づくりに乗り出すというものだ。

 G20などにおける、世界レベルの金融規制改革の現状はどうだろうか。先回に観てきたような堂々巡りにしても、こんな事が論議されてきた。銀行の自己資本比率を高めるだとか、レバレッジ規制だとか。さらに「大きくて潰せない銀行」を世界29行にしぼった対策として「潰せるようにする」ことや、税金なしに破綻処理をする方向なども論議されてきた。が、現状は何も決まっていないに等しいと言える。アメリカや日本が邪魔しているのであろう。

②実体経済重視の方向

「金融にはまだまだチャンスがある。当面日本はここに活路を求めよ」と語る人にさえ今、中・後進国が遠からずキャッチアップを遂げるから、そうしたら世界中に現状よりもはるかに失業者が増えて、世界は困窮しつくすと観る人も多いはずだ。中後進国などの生産性アップは凄まじく、すぐに供給過多の時代が来るということだ。たとえば、岩波ブックレット「グローバル資本主義と日本の選択」の武者陵司・武者リサーチ代表がその一人である。ドイツ銀行、大和証券などを経たアナリストとしてかなり有名な人らしい。この人は加えてこう述べている。『インドでも中国でも、極端に安いチープレーバーの供給は、少なくともあと5~10年は続くのではないでしょうか』と語っている。生産性が高い現代はそのような速さで物作りの飽和状態に困り抜くようになると観ているのである。当然のことだろう、人間はものの中でしか生きていけず、金融だけで食ったり暮らしたりはできないのだから、自動車やIT産業に代わるような新商品が生み出されなければ、あるいは別のやり方で職を創り出さねば、世界の人々の職業がどんどんなくなっていくばかりだろう。「グリーンニューディール」政策とか、格差の解消・雇用問題などをなによりも強調する人々は、そういう方向と言えよう。「グリーンニューディール」とはこういうものだ。
『用語の起源は、イギリスを中心とする有識者グループが2008年7月に公表した報告書「グリーン・ニューディール」である。ここでは、気候・金融・エネルギー危機に対応するため、再生可能・省エネルギー技術への投資促進、「グリーン雇用」の創出、国内・国際金融システムの再構築等が提唱されている。
 同年10月には、国連環境計画(UNDP)が「グリーン経済イニシアティブ」を発表し、これを受けて(中略) オバマ大統領は、今後10年間で1500億ドルの再生可能エネルギーへの戦略的投資、500万人のグリーン雇用創出などを政権公約として打ち出した。(中略)』 (東洋経済「現代世界経済をとらえる Ver5」)」)

 グリーンニューディール政策には雇用対策も柱として含まれているわけだが、雇用対策自身を現世界最大の経済課題と語る人はこんなことを言う。以下のこと以外には、雇用対策などないと語っている。いや、生きていればケインズもそう言うはずだと述べているのである。

『成長主義者は、成長すれば多くの経済問題が容易に解決されるのに、なぜ成長に疑問を呈するのかと懐疑者を責める。たしかに、毎年1%の成長でも30年続けば、2010年現在約480兆円の名目GDPは、30年後には約650兆円と、35%も増える。30年間の累積で見れば、わずか1%の成長で増加額の累計は2450兆円にも達する。この増加額の30%が財政収入になると仮定すれば、30年間で735兆円の自然増収が期待できる。数字だけを見れば、こんな”美味しい”話になぜ疑問を呈するのかと、成長主義者が懐疑者を責めるのは当然のように見える。
 しかし、あらためて考えてほしい。こんな”美味しい”話を本当に信じてよいのだろうか。(中略)
 私はこうした成長論こそ、現代の日本における”奇想”だと考えている。それでも成長戦略という”奇想”に未来を託すのか、分配政策を見直し資本主義の純化に歯止めをかけるのか、あるいは資本主義という歴史的なシステムの崩壊を待つのか。いずれにしても喫緊の課題はデフレ脱却でもなく、財政再建でもなく、雇用の不安を止めることである』
(NHK出版新書 高橋伸彰立命館大学教授著「ケインズはこう言った」2012年8月発行)

 なお高橋氏はこうして、その最大主張としてこんな事を語っている。
『私は非自発的雇用の解決には労働時間の大幅な短縮が必要だと考えている。具体的には、週40時間、1日8時間の現行法定労働時間数を、週20時間、1日5時間に短縮するように労働基準法をあらためるべきだと考えている。企業による労働力の買い叩きを抑止するためには、年間実質1~2%の経済成長を目指すよりも、人為的に労働需要の逼迫を創り出すほうが有効だからだ。経済学者は、そんなことをしたら企業が倒産すると大合唱するかも知れない』
 週20時間労働? 全く現実性がないように思われる。が、イギリスで起こった資本主義は最初10数時間などと今から見れば途方もない労働時間だったことを僕は思い出していた。それが8時間になったのである。人類が必要と認めればこんなことも可能だということだろう。なお、高橋氏がこの本で最大問題にしている非自発的雇用とは年間2000時間働いても200万円に満たないワーキングプアや、週40時間を遙かに超える無給長時間労働を拒否できない正社員たちのことだ。これに関して高橋氏は、ケインズ理解、読み直しの基本として、こんな風に解説してみせる。
 ケインズは失業者をなくすために有効需要政策を創出し、論じたのであって、100年後の世界先進国に上で述べたような意味での非自発的雇用の膨大な群れが発生するなどという事態は彼の想定外の(酷すぎる)問題であったと述べているである。つまり、8時間労働制が実現したのだから将来の世界はもっともっと労働時間が少なくなるはずだと発想していたと、そうケインズを読むのである。ケインズにとっては自明の理すぎて、語る必要もない前提だったということだ。

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