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新聞の片隅に載ったニュースから(172)     大西五郎

2014年10月19日 19時08分08秒 | Weblog
女性3閣僚 靖国参拝(14.10.19 中日新聞)

高市早苗総務相、山谷えり子国家公安委員長、有村治子女性活躍担当相の三閣僚は十八日、秋季例大祭に合わせて東京・九段北の靖国神社に参拝した。十七~二十日の例大祭中に第二次安倍内閣の閣僚が参拝したのは初めて。岸田文雄外相ら主要閣僚は参拝を見送る。
中韓両国は、東京裁判のA級戦犯が合祀されているなどとして靖国神社への閣僚参拝に反対。安倍晋三首相が17日、秋季例大祭に合わせ「真榊(まさがき)」と呼ばれる供物を奉納したことにも反発している。
参拝後、高市氏は記者団に「国策に殉じ、国の存立を守ってくださった方に感謝と哀悼の誠をささげた。(中韓との)外交関係になるような性質のものではない」と述べた。山谷氏も「国のために尊い命をささげたみ霊に感謝の誠をささげた」と語り、有村氏は「国民の一人として参拝させてもらった。他国に『参拝せよ』とか『参拝するな』と言われる話ではない」と述べた。
閣僚の靖国参拝をめぐり、公明党は日中首脳会談実現に向けた機運に「水を差すのは避けるべきだ」(山口那津男代表)と自制を求めていた。
公明党幹部は十八日、「十一月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で中韓両国の首脳会談を実現するため、みんなが汗を流していることを閣僚として自覚してほしい」と不快感を示した。自民党幹部も「タイミングが悪い」と語り、外交に悪影響を及ぼすとの懸念を示した。

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高市総務相の「国策に殉じ、国の存立を守ってくださった方に感謝と哀悼の誠を捧げた」という説明は納得がいきません。国の指導者(政治家と軍部首脳)が誤った国策を立て、多くの国民がその国策によって軍隊に駆り立てられ、戦場で命を失いました。靖国神社はその死を美化し、賞揚する施設です。
また高市氏は「(中韓との)外交関係になるようなものではない」と述べ、有村女性活躍担当相も「他国に『参拝せよ』とか『参拝するな』と言われる話ではない」と言いますが、閣僚として靖国参拝が持っている問題点を理解していないと云えます。自国に他国の軍隊が攻め込んできて、多くの国民が犠牲になった。それなのに、その戦争指導者を神として祀る神社に閣僚が参拝するということは、その国から見れば、今も日本が侵略を正当化していると受け取ることになります。まさに歴史認識の問題なのです。
先日の内閣改造で5人の女性が入閣しましたが、靖国神社に参拝した3人と名前入りの団扇を選挙区で配ったことが問題になっている松島みどり法相の4人は保守的というよりは右翼的というほうに近いとされる日本会議のメンバーです。安倍首相の政治信条に近いとされています。首相への忠義立てに靖国神社参拝を行なったようにも思えますが、首相に媚びることが日本の国益を損なうことになることを考えてほしいと思います。
                                            大西 五郎
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グローバル化で世界の公に暗雲   文科系

2014年10月19日 13時39分26秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 本日の中日新聞4面「言論」欄に「グローバル化にかかる暗雲」という題名で、佐々木毅東京大名誉教授が投稿している。内容はこういったものだ。佐々木氏がここで言う「暗雲」は、具体的には次の三つ(もしくは後で述べるように四つ)を指している。

 民間旅客機が撃ち落とされても後始末もちゃんとできずより複雑になったウクライナ問題。
 西アフリカに端を発したエボラ出血熱の管理に失敗した事。
「イスラム国」と称するテロ集団が台頭して世界の若者を集めているところから来るテロリズムの国際的拡大への恐れ、である。
 そして今ひとつ別枠で指摘しているのがこれであり、続いてこの暗雲の背景をこのように考察してみせる。
『市場はこうした事態に神経質に反応しているが市場自体、この間中央銀行の異次元緩和によって供給された膨大なマネーを抱え、その暴走が起こっても不思議はない環境にある。特に米国の国際問題への非関与的スタンスが国際的ガバナンスのリーダー不在状況をもたらしつつある事は否定できない。実際、米国の政治は「動かない政治」に陥りつつある』
 この投稿の末尾は、こう結ばれている。
『これはグローバル化と「小さな政府」というセットが招いた自業自得とも言える』

 この佐々木毅氏の論考は、最近ここでよく引用してきた元世界銀行副総裁・ノーベル経済学賞受賞者、ジョセフ・スティングリッツの警告と、僕にはダブって見えて仕方なかった。97年のアジア通貨危機の発端となったタイ・バーツ暴落を、後でより深く研究、反省して述懐したこの言葉である。
『「ゲームのルール作りとグローバル経済の運営を託された国際機関は、先進工業国の利益のため、もっと正確にいうなら先進国内の特定の利権(農業、石油大手など)のために働いている」と指摘し、「アジア諸国が健全な金融システムと適切な政策を保持していたにしても危機は発生しえた」と主張しました』(岩波ブックレット、伊藤正直・東京大学大学院経済学研究科教授著「金融危機は再びやってくる」)

 この二つの文章を並べて現世界を観れば、こういうことにしかならないと思う。先進工業国、その中の特定の利権(農業、石油大手など)のためだけにしか国際機関が動かなくなったことによって、グローバルガバナンスが危機を迎え、崩壊しかけているのであると。「小さな政府」が動かす「小さな」国連などが、この特定の利権のために働いているだけなのだから、なおさらのことだとも言えよう。国家からばかりではなく、世界からも公というものがどんどん消滅しているということでもあろう。1%に都合の良い規制緩和だけが横行するわけだ。

 この対極の鬼子として、最近コメントした先進国失業率の数字をあげてみたい。
『他国の失業率は自国と同じ意味 2014-10-18 14:53:57
 この国際経済競争時代では、他国の失業率は自国のそれと一緒。それだけ世界的に購買力が消えていて、景気が悪いという事と結びつくのである。だからこそ、上の他国の数字を日本にも広めたい。改めて中日新聞の資料を書きますが、25歳以下の失業率と一般失業率が以下の数字でした。若者の未来は地球の未来。こんなに未来がないという事で、大変な時代だと思います。こんなに豊かな社会なのに、この不条理!

ギリシャ 62.5%、27%
スペイン 56.4%、26.8%
イタリア 40.5%、12%
フランス 26.5%、11% 』
コメント (2)
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