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アギーレジャパン(13) ブラジル戦前半の数字から  文科系

2014年10月16日 08時51分59秒 | スポーツ
 ブラジル戦については、例によって0対4という結果だけに驚いてなのだろうが、独断的戦評もずいぶん世に喧伝されている。大マスコミなどでも「ブラジル戦を選手選考に使うなんて」という批判も多かった。これも今は独断の一種なのだと言っておく。ちなみに独断とは、例えば広辞苑によるこういう内容で使っているつもりだ。
「それほどの根拠もなく。自己の判断を下すこと。また、その判断」

 さて、正しい観察、特にその資料から見れば、あの闘いの前半は実に立派なものであった。アギーレも「前半は良かったが、2点目を取られてから崩れた」と述懐したが、この言葉は完全に正しいと思ったものだ。僕も、アギーレが重視するボールへの寄せの厳しさにつき前半終了直後にそう判断していただけではなく、正にアギーレのこの言葉自身を資料でもって検証してくれたマスコミもある。サッカーマガジン・ゾーン・ウェブに一連のこんな数字があった。これは僕の観察にも合致したものだったと言う意味で、我が意を得たりと読んだものだ。サッカー評論をきちんとやるって、難しいことだと再認識したもの。読売が大々的意識的にやっているように、「昔の名選手です」というだけで良い戦評ができるなどというものではとうていないことは確かなようだ。

『 試合終了後アギーレ監督は、「前半は非常に良い形が出来た。同点に追いつけるところもあった。後半相手に2点目を取られて崩れてしまった」とコメントしていた。
 本当だろうか。次戦に向けた改善は正確な現状分析から始まる。この試合の前半が本当に良かったのか? アギーレジャパンの方向性は見えてきたのか? データからその方向性を眺めてみたい。

 この試合のボール保持率はブラジル60.6%対日本39.4%だ。前半に限って言えばブラジル67%対日本33%、パスの本数(成功率)はブラジル325(88%)本対日本180本(76.7%)とほぼブラジルがゲームを支配していた。
 しかし日本が上回ったデータもいくつかある。シュート数はブラジル5本対日本6本、流れの中からのクロスボールはブラジル3本対日本9本、Duels(フィフティ・フィフティのボールの奪い合いのデータ)は日本の31勝23敗だった。

 格上のブラジル相手にボールを持たれても仕方がない。しかし奪ったボールをなるべく効率よく攻撃に繋げたいという意図であれば、その目的はある程度達成できたかもしれない。
 ブラジルがシュート1本を打つために要したパス(実際に通ったパス数/シュート)は57本。対する日本は23本だった。また、1本のクロスを上げるのに要したパスはブラジル95本に対して日本が15本と、これも圧倒的に日本代表の方が効率が良かった。Duelsの勝率が高く、クロス、シュートというチャンスメーキングを少ない手数で達成できたのだからアギーレ監督の感じたこと、それを言葉にしたコメントは正しかったと言える。』

 もちろん、この後のこの記事は、ゲームの問題点を挙げていく。将来が見えてきたかどうかなどという観点からのことだ。例えばこんな風に。
『 では、このサッカーを成熟させていけば日本代表は強くなり、ワールドカップベスト8という目標が達成できるのだろうか。どうしてもそうは思えないというのが正直な感想だ。
 アギーレ監督は前半追いつくことが出来たと述べていた。サッカーである以上あらゆる可能性は否定できないが、どうしても今の延長線上に世界的な大会で欧州や南米の強豪チームに勝てるチーム作りという絵が見えてこない。それが見えてこない理由を次の「絵」が説明してくれるはずだ』

 ところで、当面の目標、問題は、4年後もさりながら、アジアカップなのだ。アギーレもそのための選手探しが今は第1と述べてきたのだから。そうであればこそ、このゲーム先発7人にJリーグ勢を使っている意義が限りなく大きいと思う。そのうち、既に外国勢に慣れている森重はともかかく、小林、森岡、柴崎、田口、太田、塩谷にはもの凄い財産になったことだろう。それもアジアカップに向けた当面数ヶ月の目標として。この陣営で曲がりなりにも前半の闘いは上のマガジンゾーンで拾われたような数字をあげたことでもあるし、アジアカップに向けて当面の選手たちにとてつもない目標ができたはずなのである。太田、柴崎などを筆頭に、彼らは異口同音にこう語っていた。
「確かに、競り合いで飛び込みも速いし、未知の長い足も出てくるなど冷厳な事実を見せつけられたが、通用した所も多かった」
 
 なお、アギーレは攻撃はまだ本格的には教えていないし、個人目標、指示もほとんど与えてはいないと聞く。守備のやり方を中心に、チームとしてのやり方、指示を与えてきただけのようだ。当然のことと思う。選手選考が第1ならば、チーム戦略を個人がどう消化するかを観る方が選手選考の重大な資料になるからである。そしてアジアカップはと言えば、日本が苦手なボール奪取さえしっかりしていれば、見通しは立つのだから。さらにまた、こういう中期目標にブラジル戦を使うやり方は当然あって良いと思うし、その意味で彼は非常に賢い人なのだろうと僕は観察をしている。日本人に合うかどうかなど、彼の代表監督としての当否はまだ分からないが、目標目指してという意味では、ザックよりも賢いし、野心的だと観た。ザックは最終段階に入る頃に、ボール奪取組織と繋ぎ攻撃との兼ね合いを選手の言うまま繋ぎに引きずられることが多かったという悔いが、僕には鮮やか過ぎた。
コメント (3)
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