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アギーレジャパン(11)ジャマイカ戦   文科系

2014年10月11日 05時18分50秒 | スポーツ
 吉田の不在で、水本でなく森重がCB、もう一人のそれに塩谷が入った。よってアンカーは細貝、中盤は左が香川で右柴崎。この3人は、最後に香川が田口に代わったがほぼ先発完投だった。前3人は左から武藤、岡崎、本田。
 さて、今回は1970さんのエントリーとそれへの皆のコメントがあるから、それらにもたれかかって書くことにする。
 70さんはこの相手なら最低でも4点取れたと言われたが、これは誰でもそう思ったはずだ。一体何本のシュートを外したことか。最も多く外したのが武藤、本田。香川、岡崎も外したし、特に本田のドフリー・ループシュート外しは惜しかった。彼我のシュート数は、15対5を超えていたのではないか(今、新聞で確認したら、20対5だった)。アギーレが望んだようにジャマイカ・ゴール前へ何人も入り込めたからこそこのシュート数なのであって、隔靴掻痒、物足りなかったこと甚だしいと誰でも感じたろう。なぜだったのか。これは結構難しい問題だと僕は感じたが、70さんはこう語っている。
『今日の岡崎、武藤は守備やり過ぎ、こんな相手には攻撃専念位でいい。守備は後ろに任せる。本来433の中盤は守備、攻撃半々で前後をフォローするのが基本なんだから。逆になっている。これではいつまで経っても速い攻撃は出来ない。前が守備をやり過ぎれば当然攻撃はワンテンポ遅れる。つまり時間の無駄。ちょっと先行き厳しいチームになってきたわ』
 確かに、こういう点があったと見うる。特に、70さんの代表への長期的要望から来るゲーム観点(攻撃的繋ぎと、「433の前3人の攻撃重視役割」を重視する観点)としては「攻撃はワンテンポ遅れ」たと見うる。が、「勝つためにこそ」ということで相手への潰し、ボール奪取を重視する僕は、ちょっと違う。前3人も潰しを重視したからこそ、何本もショートカウンターができたのであると僕は観たのだ。ちなみに唯一の得点は、岡崎が高い位置で敵ボール奪取に成功して、前に走り込んだ本田、柴崎と渡ることによってもたらされている。
ただ、こう見てさえ、次のことはなお不思議なのである。なぜあれほどシュートを外したのか。「ワンテンポ遅れ」た事が主たる原因なのだろうか? 昨日のゲームに関しては大変難しい所だが、僕は違う意見だ。武藤、柴崎が入った連携になれていないということと、このゲームのアギーレがいろんなFWを使ってみることの方を重視したからではないかと観た。敵がイエローでしか阻止できなかった岡崎を後半早々に小林に替えているのだし、その次にはよく打っていた武藤を柿谷に替えている。ただ、「奪ったら速く攻めろ」とアギーレが言い続けたらしいから、やや打ち急いだのかも知れない。得点場面以外では案外ゴール前ショートパスも少ない気がしたし。
 このことは、すぐ後にあるブラジル戦を観れば判明するのではないか。この強豪チームとやっても守備が有効で、結構チャンスを作れるかどうか。2失点までに抑えて、5本ちょっとのシュートが打てれば、僕の観測が正しかったということになろう。強い相手に対してこそ武藤、岡崎、本田の守備が案外効くだろうし、アンカー細貝や、柴崎の守備も良かったと、僕は観ているからである。というよりも、アギーレのこういうチーム構想は、強いチームに対するときのものだと僕は観ている。

 なお、小林、太田、田口を使ったのは、良いことだった。カジュさん、ちょっとの時間だったが予想に反して田口が観られて、お互い良かったね。森重はもちろん、塩谷もとても強いね!
コメント (5)
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世界経済史の今を観る(10)経済諸問題解決の方向③  文科系

2014年10月11日 04時03分17秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
解決の方向③ ワシントン・コンセンサスへの規制、運動

 ③ワシントンコンセンサスに対する抵抗、運動

 ここまでにも紹介した岩波新書、西川潤早稲田大学大学院教授の著「世界経済入門」(07年第5刷版)は、1988年に初版が出て、『大学や高校の国際経済学、国際関係論や政治経済の副読本としても広く使われ』たというベストセラーである。が、この第5版はグローバリズム経済を前にして、それへの反発という点を終始問題意識の一つに置いて書き直された『新しい入門書』という重要かつ珍しい側面を持っている。そこのさわりを紹介して、このシリーズの終わりとしたい。

 西川氏は、『経済のグローバル化』は、『人権や環境など、意識のグローバル化』を進展させずにはおかなかったと語る。そして、この書は、この両者の『相関、緊張関係を通じて、新しい世界秩序が生成しているとの視点に立っている』と解説される。これは『第3版へのまえがき』の部分に書かれた表現だが、これに呼応した回答として述べられているのは、最終章最終節のこんな記述であろう。

『この経済のグローバル化が世界的にもたらす不均衡に際して、ナショナリズム、地域主義、市民社会、テロリズムといくつかのチェック要因が現れている』
『これらの不均衡やそれに根ざす抵抗要因に対して、アメリカはますます軍備を拡大し、他国への軍事介入によって、グローバリゼーションを貫徹しようと試みている』
『(アメリカの)帝国化とそれへの協力、あるいはナショナリズムが、グローバル化への適切な対応でないとしたら、残りの選択肢は何だろうか。それは、テロリズムではありえない』
『これまでの分析を念頭に置けば、市民社会と地域主義が私たちにとって、グローバリゼーションから起こる不均衡を是正するための手がかりとなる事情が見えてくる』

 とこう述べて、西川氏がこの部分の結論とするところはこういうことになる。
『1999年にオランダのハーグで、国際連盟成立のきっかけとなったハーグ平和会議1世紀を記念して、平和市民会議が100国、1万人余の代表を集めて開催された。この宣言では「公正な世界秩序のための10の基本原則」として、その第一に日本の平和憲法第9条にならって、各国政府が戦争の放棄を決議することを勧告している』
『2001年には、多国籍企業や政府の代表がスイスで開くダボス会議に対抗して、ブラジルのポルトアレグレで世界のNGO、NPOの代表6万人が集まり、世界社会フォーラムを開催した。このフォーラムは「巨大多国籍企業とその利益に奉仕する諸国家、国際機関が推進しているグローバリゼーションに反対し、その代案を提起する」ことを目的として開かれたものである。ポルトアレグレは、労働者の自治組織が市政を運営し、発展途上国とは思えないほど社会保障の充実した都市で、それ自体、グローバリゼーションのもたらす不均衡へのオールタナティブとなっている。その後、「もうひとつの世界は可能だ」を合言葉とするこの市民集会は年々拡大し、2004年1月、インドのムンバイで開かれた第4回の世界社会フォーラムでは、参加者が10万人を超えた』
『もうひとつ、アジアとの関係も重要になる。いま、日本とアジアの経済関係はきわめて深く、第9章に述べたように、新たに東南アジアと東アジアを結ぶ東アジア・コミュニティの構想も動き始めている。しかし、このような地域協力を政府の手にのみ委ねておくのでは、こうした協力も得てして戦略や欲得がらみのものとなり、ナショナリズムの対立がいつ何時、抗争を引き起こすとも限らない』

 以上について、僕の下手な説明は要るまい。ただ一言だけ。西川氏のこの問題意識は、僕がここまでこのシリーズ原稿を書いてきた動機に通じるところがとても大きいと感じたものだ。

(終わり)

 長らくお読み下さって有り難うございました。
コメント (2)
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