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トランプという人間(3) 文科系

2018年03月22日 10時35分23秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 今日は、トランプ(政権)の意思決定組織・命令系統というものを書いてみたい。以下の内容は、現在唯一のトランプ本「炎と怒り」の中から取った物。


 不動産業のワンマン経営者というだけで政治活動経験ゼロというトランプには、ちゃんとした意思決定組織、命令系統というものがないのだそうだ。大統領府という平場に提出していく政治原案を話し合い、決めていく首脳部隊・機関のことだ。となると、トランプの最側近人物、諸個人がこの役割を果たしていくことになる。そういう最側近人物として第一に上げられてきたのがスティーブン・バノンという人物であったが、この「大統領選挙時代からのトランプの頭脳」自身が同書中でこんなことを語っていた。大統領になれるなどとは到底考えていなかった事が示されていて面白い出来事と言える。
「大統領選挙に当選したと分かった時のトランプは、まるで幽霊でも見たような顔をしていた」

 さて、このバノンが、いったんトランプ周辺から退けられている。もう一方の「政権首脳」である娘イヴァンカとその夫クシュナー(2人ともハーバード大学の出身である)との確執、対立が原因とあった。つまりこういうことなのだ。トランプの政策を決めていたのが身内と選挙参謀とであって、その両者が度々対立した、と。そして、いったん政権から離れたそのバノンが「炎と怒り」のニュースソースの一つなのだから、面白い。
 ただバノンは、この出版、内部情報暴露に後悔を公表して、今はまた政権に近づいているようだ。弁護士などで訴訟部隊を作り、トランプの過去の醜聞などを金に物を言わせて消し去ってしまうことで挙げたバノンの功績はとても大きいことだったとのこと。また、他に適切な周辺人物もいないということなのだろう。


 さて、こういう政権であってみれば、政権発足後しばらくはこんな事が起こるのは日常茶飯事だったようだ。
「どこで、何が、どう決まったのかよく分からない」
「決まったことへの反対発言もあちこちから出てくるようだし・・・」
「政権基本戦略がはっきりしないから、初めから論議しないとならないことが多すぎる」

 エルサレム問題。メキシコとの壁やイスラム教国民の締め出し問題。金融の新自由主義だけは世界に広めその益を享受しておいて物貿易では保護主義色を強めたという手前勝手の問題。軍事拡大の問題。そもそも閣僚がどんどん辞めていく問題・・・などなどすべてが、こんな政権組織内部のごたごたの中からにじみ出てきただけのものとも言えるのである。

 ロシアゲート事件さえまだ全く片付いていないし、この政権、一体どこへ行くのだろう? プーチンや中国にも媚を売っているように見えるのは、無原則なだけなのか、目前の実益だけを取るようなお得意の「ディール」であるのか、そういうことさえもまだ分からないのである。混迷や紛争を世界に深め続けていくだけの政権にならねば良いのだが、多分そうなるという気がする。そんな彼を支えて行けるか否かは、今の激しい人事転換を観るに、アメリカ最強の組織、軍部が決めていくことになるのだろう。
コメント
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