九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

「ベネズエラ軍は反乱を」と、米副大統領大演説    文科系

2019年03月05日 01時44分43秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 援助物資のベネズエラ搬入戦術に失敗したアメリカは、焦り始めている。コロンビアで開かれている関係諸国会議で、ペンス副大統領が行った演説には、その焦りを表現して余るほどのものがあった。この会議で既に、ブラジル、アルゼンチン、コロンビアが軍事介入に反対する演説をやっているのだから。この辺りの諸国に影響力を持つスペインまでも、これには反対した。ペンス副大統領はとうとう「ベネズエラ軍が反乱を起こさなければ、間もなく米軍の爆撃があるぞ」とまで語ったのである。
 以下も「マスコミに載らない海外記事」サイトから取った。


 『コロンビア・サミットで「後戻りはあり得ない」とペンスはベネズエラを戦争で恫喝 
  エリック・ロンドン 2019年2月26日

 昨日、マイク・ペンスアメリカ副大統領は、コロンビア、ボゴタでのリマグループ会議で14の中南米諸国代表者の前で好戦的演説をした。発言は、週末、ベネズエラ国境で、アメリカが計画した数人の人々が亡くなった衝突を生じさせた挑発と時間的に一致するよう調整されていた。

 ペンスは、アフガニスタンとイラクの戦争準備段階でのジョージ・W・ブッシュ演説から盗作した表現を焼き直し、公然の社会主義非難と組み合わせた。
 「後戻りはあり得ない」とペンスは述べた。「全ての選択肢がある。」
 「中南米に新たな日々が到来しつつある」と彼は続けた。「ベネズエラでも西半球中でも社会主義は消えつつある、自由と繁栄と民主主義が我々の目の前で再生しつつある。」もしマドゥロを打倒しなければ「あなた方が避難する港はなく、容易な脱出策、解決策はない。あなた方はすべてを失う。」とペンスはベネズエラ軍を恫喝し最後通牒を送った。

 ペンスは、アメリカがベネズエラ政府当局者を追加制裁し、アメリカ傀儡フアン・グアイド政権に「あなた方の国にあるベネズエラ資産の所有権を移す」よう中南米右翼政権に要求したと発表した。
 言い換えれば、アメリカは、半球をまたいで路上強盗を行っているのだ。

 ペンスは演説で、ベネズエラに対するアメリカ戦争恫喝を強化するため、いくつか正当化した。ベネズエラは先住民族を搾取し、石油探検を通して環境に打撃を与え、国民を貧しくしているとペンスは述べた。
 これらの主張は、恫喝が深刻でなければ、ばかげたものでしかない。これらの分野それぞれで、アメリカは世界最悪の違反者だ。

 国境の移民のため「住むところを追われた人々の受け入れ」を拒絶していることに関するペンスのベネズエラ攻撃は特に汚らわしかった。
 ワシントン・ポストは、ペンスがベネズエラに入るのを待つ移民「すすり泣く年配の男性を抱きしめた」と書いた。ポスト記者は目に涙をためて、「ペンスは男性に「我々はあなたとともにある。」と英語で言った」と書いた。
 難民申請ためのアメリカ入国が禁じられた後、アメリカ-メキシコ国境のメキシコ都市の路上で何千という移民が現在寝ていることに、ポスト記事は言及しなかった。

 週末に計画された対決と同時に、アメリカ軍は戦争計画をエスカレートしている。軍事介入準備の一環で「過去数日間、アメリカ軍は機密諜報収集のため、ベネズエラ沖の国際領空偵察飛行の数を増加した」とCNNは報じた。
 土曜日、プエルトリコのリカルド・ ロセジョ知事が、許可なくベネズエラ領海に入ったアメリカの船に、ベネズエラ軍が「発砲する」と脅したと報告した。船はバヌアツで登録されていたが、国際海事法に違反して、アメリカ国旗を掲げていた。アメリカ当局者は、船が200トンの「人道支援」物資を運んでいたと主張している。
 ベネズエラ当局者は、コロンビアに送ったアメリカ「人道支援」物資には武器が含まれていると主張している。先週水曜、コロンビア軍将軍のルイス・ナヴァロ・ヒメネス少将はフロリダに出張し、そこでアメリカ南方指令部の指導部と会った。

 昨日、ワシントン・ポストが、ボゴタの舞台裏で、グアイドが「必要とあらば、アメリカの武力行使があり得るという保証を求めた」と書いた。ベネズエラの右翼野党リーダーフリオ・ボルヘスは、日曜日、野党は「ニコラス・マドゥロの独裁に対する外交的圧力エスカレーションと軍事力行使を強く促す。」とツイッターに書き込んだ。

 トランプ大統領は長い間、対ベネズエラ戦争を行うことへの彼の個人的興味を表明している。最近刊行された本で、前FBI部長代理アンドリュー・マッケーブは、トランプがかつて、彼の前でベネズエラに言及したと報じ「これは我々が戦うべき国だ。連中は大変な石油を持っていて、我々の勝手口にある。」

 帝国主義カーネギー国際平和基金の支援を得て、元世界銀行当局者に設立された、シンクタンク「Group of 50」を率いるフランシスコ・トロが昨日公表した無謀なワシントン・ポスト論説記事が、ワシントンの好戦的ムードの例示だ。
 「アメリカの軍事行動で、ベネズエラはカリブ海のリビアになりかねない」という記事題名にもかかわらず、トロは地域を戦争の瀬戸際に押しやるよう主張している。先週末の国境での対決は「ベネズエラ政権に、軍事行動を、ささいな憶測から、真剣な政策議論をするよう動かした」とトロは書いている。
 トロは、ベネズエラ軍は「アメリカ軍事行動が正真正銘、差し迫っていると考えない限り、マドゥロに反抗することはありそうにない。だから最良の策は、彼らが素早くマドゥロを打倒しない限り、彼らの存在が爆撃で消滅すると、ベネズエラ将官を確信させるように設計された戦略で、そのメッセージが、爆撃で消滅させられるのは惨たんたるものなのを理解している人々によって届けられるべきなのだ。言い換えれば、アメリカがすべきは、ベネズエラ将官の恫喝の認識を高めるような更なる措置、おどしつけだ。」

 記事はこう結論している。「神よ、我らを助けたまえ。」

 この扇動的戦略は、アメリカ政界で超党派支援を得ている。前ブッシュ政権幹部のホセ・カルデナスはForeign Policyにこう書いている。
 「歴代政権で、ベネズエラに対するアメリカ政策は、議会で超党派的な合意を享受してきた。上院外交委員会の幹部のボブ・メネンデス上院議員のような民主党員や、下院外交委員会委員長、共和党のエリオット・エンゲルなどは、長年、ベネズエラ民主主義の機能停止に対する積極的な批判者だ。」

 だがアメリカが、軍事介入恫喝に対し、同盟諸国の同意確保が可能かどうかと確実ではない。戦争の脅威の増大は、地域とヨーロッパのワシントン同盟国内の分裂を深めた。
 リマグループ宣言は、マドゥロの即刻辞任を要求しているが、「民主主義への移行が、軍事力行使なしで、政治的、外交的な手段によって平和に…ベネズエラ国民自身によって行われるべき」ことも指摘している。
 月曜日、ボゴタで、ブラジルのアミウトン・モウロン副大統領は、ブラジルにとって「軍事的選択は決して選択肢ではなく」「我々は非介入を主張する」と述べた。日曜日、スペインのジョセップ・ボレル外務大臣は「我々は、いかなる外国の軍事介入も支持せず、徹底的に非難することを明確に警告した。」とエフェ通信に語った。
 アメリカによる政権転覆作戦に対する地域諸国政府やヨーロッパの支持にもかかわらず、これらの声明は、半球全体を、あえて前例がないレベルの混乱に陥らせるほどの無謀さを、アメリカが続けていることへの懸念を示している。

 トランプ政権は、火曜日に予定されている国連安全保障理事会緊急会議を招集した。南米におけるアメリカ帝国主義の企てのエセ合法の国際的イチジクの葉を阻止するため、常任理事国として拒否権を行使する可能性が高いロシアと中国を非難する好機として、アメリカは活用するだろう。』
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

太平洋戦争、右翼のデマに(2) 日米同罪論に① 文科系

2019年03月05日 01時10分37秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 二つ目の問題は日米戦争における戦争責任の問題である。 


『 太平洋戦争、右翼のデマに(2)  文科系  2010年11月16日 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

2 太平洋戦争の二つ目の性格

『二つ目の論点は、日米戦争における戦争責任の問題である』

 この日米戦争責任論の第1として吉田裕氏は、先ずこういう議論を紹介し、これに反論を加えている。
『アジア・太平洋戦争には、植民地を保有する帝国主義大国である欧米列強と、同じくアジア最大の帝国主義国である日本との間の植民地再分割戦争という側面があり、帝国主義国家相互の戦争という側面に限っていえば、日本はアメリカ、イギリス、オランダに対して戦争責任を負ういわれはないという主張』
 これに対する反論を吉田氏は、家永三郎氏の考え方に賛同して、この文章を紹介している。
『日本は中国侵略戦争を継続するために、これを中止させようとするアメリカ・イギリス・オランダと開戦することになったのであって、中国侵略戦争の延長線上に対英米欄戦争が発生したのであり、中国との戦争と対英米欄戦争とを分離して、別個の戦争と考えることはできない』

 日米戦争責任論の第2は、日本の開戦決意の時期にかかわる問題である。当時アメリカが出した有名なハル・ノートとの関係を、吉田氏は語っていく。まず、右翼側の戦争責任論をこうまとめてみせる。
『日米交渉の最終段階でアメリカの国務長官ハルから提出された、いわゆるハル・ノートは、日本軍の中国からの撤兵、汪兆銘政権の否認、三国同盟の空文化など、日本政府が決して受け入れることのできない厳しい対日要求をもりこんだ対日最後通牒だった。そのため、日本政府は自衛権の行使に踏み切らざるをえず、12月1日の御前会議で対米英開戦を決定した、というものである。この場合は、「日米同罪論」というよりは、むしろ一歩踏み込んで、アメリカ側に戦争責任があるという主張である』
 これへの反論を要約すれば、こういうことだ。日本軍はハル・ノート以前から、開戦準備を密かに急いでいたのであって、ハル・ノートは単に無視されていたというだけではなくて、日本によるこれへの応対、交渉は、不意打ち戦争を隠すための道具に使われた、と。

 日本の対米開戦、ここまでの違法性などをまとめると、こういうことだろう。
「日本が、中国侵略から南部仏印侵略へという動きを強行した」
「イギリス権益の侵害に対してなされた、アメリカによるたびたびの抗議を無視した」
「こういう日本の行為は、ドイツの英本土上陸作戦に苦闘中のイギリスのどさくさにつけ込んだものでもあった」
「アメリカに対しては、交渉するふりをして、密かに電撃的開戦準備を進めていった」


(続く) 』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする