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太平洋戦争、右翼のデマに(3) 日米同罪論に② 文科系

2019年03月06日 11時19分24秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
【 太平洋戦争、右翼のデマに(3)  文科系 2010年11月17日 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

3 太平洋戦争の二つ目の性格、日米同罪論に対して(その2)

 ここでまとめるのはこういうことだ。
『「日米同罪論」あるいは自衛戦争論の第3の問題点は、それが日本が戦った戦争の国際法上の違法性を無視ないし軽視していることである』
 この違法性は、まずこのように展開されていく。
 戦争に関わる当時の国際法には、第1次世界大戦の痛切な反省が色濃く反映されている。まず第1は、戦争の違法化の論議が起こり、あい次いで植民地における民族運動の高揚、民族自決原理の台頭があった。たいして満州事変以降の日本は、22年に中国関連で日本も加わって結ばれた9カ国条約への違反を重ねており、これを事実上棚上げしていたと言える。この条約は当時の戦争違法化、民族自決権を盛り込んだアジア・中国版とも言える国際法であったのに。先回に見たハル・ノートもこの9カ国条約を基としているが、日本軍は正にこの条約内容においてこそ、ノートに反発していたのだ。
『 参謀本部戦争指導班の11月27日付の業務日誌は、ハル・ノートの対日要求の中に「4原則の無条件承認」が含まれていることにも言及しながら、「米の回答全く高圧的なり。而も意図極めて明確、9カ国条約の再確認是なり」と記しているし(軍事史学会編『機密戦争日誌(上)』) 』
 つまり、当時の日本軍部は自らも参加した9カ国条約を守る意思など無かったということだ。

次いで、こう語り進められる。
『同時に、開戦にともなってさまざまな国際法上の違法行為が発生したことも忘れてはならない』
『よく知られているのは、真珠湾への奇襲攻撃である』。開始8日午前3時19分、対米覚書手交4時20分というものだ。この点については従来から、こういう説があった。対米覚書の日本大使館における暗号解読が遅れたとされてきたのだ。これにたいする本書の解明はこうなっている。
『外務省本省は13部に分かれた覚書の最終結論部分の発電をぎりぎりまで遅らせただけでなく、それを「大至急」または「至急」の指定をすることなしに、「普通電」として発電していたことがわかってきた』
 もう一つの違法性はイギリス、オランダに対するもので、イギリスに対してはこう展開されている。
『日米間の場合には、事前の外交交渉が存在し、戦争開始後とはいえ交渉打ち切りの通告がともかくもなされた。しかし、日英戦争の場合には、外交交渉も最後通牒もないままに、真珠湾攻撃の1時間ほど前に、いきなりマレー半島への強襲上陸を開始しているのだから、国際法上の違法性はこちらの方がきわだっている』

オランダに対しては、このイギリスよりもさらに酷く、こうまとめられている。
『イギリスに対しては、真珠湾攻撃後に発表された天皇による宣戦の詔勅の中で(宣戦布告がなされているとも言えるが)、オランダに対しては宣戦布告をせず、豊富な石油資源を有するオランダ領インドネシアを「無疵で手に入れたいという意見」が強かったからである』

 こうして著者は、まとめる。
『日本政府は宣戦布告の事前通告問題の重要性をほとんど認識していなかったといえよう』


(続く)】

 こうして、今の安倍政権、ネトウヨ諸君の種本家らはこう考えているのかも知れない。
『大日本帝国は、満州事変の後国際連盟から脱退したのだから、どんな国際法にも縛られない』
 これについても、こんな反論が可能だろう。
「私は日本人を止めると宣言しても、その法律を著しく犯せば死刑になるだろう。つまり法律には縛られる」
コメント (1)
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