いつもここで主張してきたことだが、今はもっと標記のことを強調したい。W杯予選と五輪向け親善ゲームとが重なって、いくつかの国際ゲームがあった中で改めてそう噛みしめている。五輪世代の対アルゼンチン(世界4位)2ゲームが合計3対1、フル代表が韓国(世界38位)と3対0、モンゴルとの対戦はかってない実に14得点だ。こういう強さほどには世界順位が27位と伸びないその理由は、いつも言うように簡単。アジア最高順位で、かつ強豪国が近所に無いからポイントを稼ぐゲームが組めないのだ。それが、14年ブラジル、18年ロシアの両W杯辺りから、どんどん強くなってきて、海外在籍日本人選手の活躍も増え、ロシア大会で日本が接戦を演じたベルギーは、今や世界1位なのである。近年ちょっと前からの、海外日本選手の活躍も眺めてみよう。
まず、ドイツ2年目の長谷部がリーグ優勝を遂げて、ドイツ・リーグ・年間ベスト11に選ばれたこと。この長谷部は今でも、ドイツ上位チーム、フランクフルトの攻守を指揮するキャプテンを張っている。次いで、ドルトムントのエースになりおおせた香川を当時世界最強のマンチェスター・ユナイテッド・ファーガソン監督が、チームの中心に据えるべく、引き抜いたこと。これは、一年後にファーガソン退任、凡庸監督の就任によって、マンU劣化で香川は使われずに終わってしまって、残念至極。次いで、ドイツでFWエースに育ち上がった岡崎が、プレミアのレスターに呼ばれて奇跡のレスター初優勝、そのレギュラーFWを張り続けた。さらには、南野拓実で、リバプール移籍は失敗したが、同じプレミアの中堅サウザンプトンで得点を挙げ続けている。DFには、吉田に続いて富安が育つし、代表のボランチ常連柴崎を、遠藤と守田が押しのける勢いである。今心配なのは、柴崎と中島だが、日本人若手はもうスペインには行かない方が良いと言いたい。この国の強豪3チーム以外は、高く売るためにだけ日本人を取っているように見えてならないからだ。
と、こういう訳で、今の日本の実力は世界15位前後ほどだと、僕は観ている。そして、今の勢いならまだまだ上がっていく、とも。五輪世代の南米王者・アルゼンチンに勝った先日のU24のゲームは、日本の若手がかってないような逞しいゲームができるのだと世界に示したものである。