名古屋・ガンバ戦を観た。2対0で、また名古屋の0行進が続いていくのかと楽しみになるような試合だった。この試合はなによりも、名古屋が今季初めて敗れた鳥栖の戦い方を逆にガンバ相手に演じたとそんな印象が第一。「ボールは持っているのだけれど、実は持たされているだけ、得点狙いの肝腎なところでは止められていた」と鳥栖にされたことを、今度は名古屋がガンバにやったと、そんな試合だったのである。これができた理由、立役者は、鳥栖戦では先発ではなかった、相馬勇紀。その次第は以下の通りだ。
名古屋の2得点には、いずれも相馬が1G1A(1ゴール1アシスト)で千両役者というところ。これは手前味噌になるが、鳥栖に敗れたゲーム総括でこう書いた僕自身の文章を再掲しておきたい。
『なお、名古屋の敗因の一つに、これもあったと思う。相馬を先発にすべきだった。得点力がリーグ8位と低い名古屋に、「綺麗に繋いで得点」は失点の少ない今季の鳥栖相手には特に望み薄くなるから、何度も走れて確率も高く、カウンター反撃も喰いにくい相馬のクロスをもっと多用すべきだった』
1得点目は、相馬の左クロスにファーの山崎が胸トラップ落としからシュートを悠々と決めたもの。2得点目は、同じく敵ゴールの右コーナー近くの左マイナスクロスの位置にまで猛烈なスピードで持ち込んでから中へ入って、立ち塞がるマーカーを左に行くと見せかけて右に切り返して外し、シュート。キーパーが一杯に伸ばした左手先を抜いたファーポスト側に見事決めて見せた。相馬にこんなシュート技術もあるのかと、びっくりするような見事な切り返しシュート力だった。この相馬、どうもクロスのみか、シュートにも目覚めたようで、恐ろしい選手になった。
なお、このゲームでも稲垣の距離と勢いのある押さえたシュートがみられた。惜しくもゴールに向かって左ポスト外に外れたが、ガンバは肝を冷やした瞬間だったろう。
そしてもう一つ、気づいた点がある。FW山崎凌吾のことだ。この選手のクロス受け・シュートなどを観て思ったことだが、187センチと背がある割りに非常に柔らかい技術を持っていると思った。家長とか柿谷とかと似通ったものを感じた。調べてみたら、今話題の鳥栖の育成で育った人らしい。流石の「前からプレスの鬼のはず」とばかりに、自分で勝手に、今後是非注目していこうと思ったところだ。