首相が官僚を抑え、動かす時、「政治主導」と言って命令する。説明抜きにおかしな行動を貫く時も「政治主導」と周囲に怒鳴り散らす。例えば「五輪実行」に何の説明責任も果たさないのも政治主導だし、ワクチンが自分らの無能から遅れすぎても五輪をやると言い張って「ワクチン百万本」などと周囲に無理難題を押しつけたのも、政治主導なのだ。
ところで、これらすべて、こんな首相、与党に「最高国権」(国会多数派)を与えた国民の責任なのである。管は官房長官時代から官僚に対して常にこう怒鳴ってきたのだから。
「我々は国民の委託を受けているが、君たちはそうではないのだ・・・」
「五輪絶対開催」、「説明無しでも開催」とはこうして、国民が許したと管は語り、行動してきたわけだ。今年中にある選挙で過半数を割らせなければ、こんな事ばかりか、もっともっと勝手な酷いことをやっていくのは必定。国民一人当たり購買力平価GDPが19年度にとうとう韓国にも抜かれ、50歳以上の「結婚経験なし」男性が4人に1人に近づいている。という日本国家にはもう何の余裕もないのだから、これからこのままだと、無理や我慢ばかりが国民に押しつけられることになってくる。アベノミクス2%目標がいつまでたっても達成できず幻想に終わったからこそ日本は落ちてきただけなのだが、日銀に一杯金を刷らせて、禁じ手財政ファイナンス下の安倍官製バブルで持っているだけの国になってしまった。その悲惨さは次の通りだ。
作朝の朝日新聞に、「日銀資産、過去最高」をよく読むと、その資産内訳のまー悲惨なこと! 国債が532兆、貸出金126兆、上場投資信託36兆で時価総額52兆など、合計715兆だそうだ。国債とは国の借金、信託株は今や最大株主の日銀が抜けたら即下落でパー。日本最後の信用砦が自ら、国の借金も、幻想の株価も支えろと「政治主導」されたわけだ。ただし日銀へのこの「政治主導」は、古来財政ファイナンスと言われてきて、禁じ手とされてきたもの。それをMMTだかなんだかとおだてられて、ここまで無理を通してきてしまった。日本の政治主導はこうして今や、暴力に成り果てている。