九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

『ポスト「資本主義」世界の構図』  文科系

2013年02月13日 16時43分00秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 この拙稿は、ここでも1月9日の「世界から日本、9条を見る」などで触れた本「なぜ日本経済が21世紀をリードするのか」(NHK出版新書 徳川家広)のさわり部分の要約紹介である。この題名は、売ることをも意識してか描かれている内容から見るとやや誇張と思うが、副題とか構えとかからそれなりの内容のものと判断させていただいた。上の表題はこの本の副題を採用させていただいたものだし、この人の構えはちょっと長期のスパンであって、アダムスミスなどから始まるその時代区分などに関わってこう記しているのが僕には面白かったからである。
『21世紀に入って、すでに10年以上が経過しているのに、21世紀を「予測」する本を書いてしまいました。実はこの時代区分の方法には、イギリスのマルクス主義の歴史家エリック・ホブズボームという偉大な先達がいます。ホブズボームはフランス革命から第一次大戦の勃発までを「長い19世紀」、そして第一次世界大戦の勃発からソ連の崩壊までを「短い20世紀」と呼んでいます』
 歴史の長期的時代区分とは、歴史の何を最も重視するかによって変わってくるものである。著者が、産業特に労働力の代替物としてのエネルギー開発に目を付けているのは明らかであって、このこと自身がそれなりの見識と思うのである。

 さて、サブプライムバブルが資本主義経済の一時的病なのかその崩壊が始まる徴候なのかは今、大論議が要るところだろう。作者はこれを「終焉に向かう資本主義」の病理そのものと見て、こう論じている。
『マルクスの指摘した生産過剰の問題、ケインズが指摘した需要不足の問題が、蘇ってきたかのようです。(中略)企業は雇用を破壊して一時的には利潤を増やせても、中長期で見れば消費需要は落ち込み、最終的には消費によってのみ実現される利潤も、当然ながら低下する運命にありました』
 こう述べた上でこの著作は、イギリス、ユーロ、アメリカ経済の今後を予測し、これらと対比して日本の相対的優位性をいろいろとあげている。そして最後に「ポスト資本主義への二つのシナリオ」を提示するのだが、それはまず世界のエネルギーの将来が上手くいった場合とそうでない場合に分けられている。その上で、上手くいかなかった場合、日本の前途は大きく開かれていると語る。こんな具合に。
『日本は相対的に見て、受けるダメージがいちばん低い国になります。日本は現に、GDP1ドルを生み出すのに必要なエネルギーが世界でいちばん低いという、きわめてエネルギー効率の高い経済を誇っています。火力発電でも製鉄でも、必要なエネルギーは世界最低なのです。エネルギー価格が上昇していった場合、日本企業が受けるダメージは相対的に軽く、国際競争に勝ち残る可能性も、その分だけ高いということになります』
 この点で例えばアメリカなどはエネルギー効率が大変悪い国だと述べられた上で、近くドル体制が崩壊すればエネルギー輸出国にならざるを得ない国だとも述べられることになる。

 そして、世界のエネルギー開発が上手くいった場合としてまた、二つの道が提示されている。資本主義の失敗の教訓を上手くくみ取った場合と、そうでない場合との二つだ。
 後者、つまり『再度資本主義の過ちを犯す危険性もある』場合については、こんな表現になっている。
『エネルギーが労働を代替えし、失業者を制御するために戦争を起こし、あるいは人口を容赦なく管理し弾圧する警察国家が成立するといった、暗澹とした未来図が想像されます』
 エネルギー開発が上手くいってかつ資本主義の教訓から人類が学べた場合はどうだろうか。この部分はおかしな記述としか僕には思えないのだが、まー書いてみよう。
『(その場合も)決してハッピー・エンディングというわけには、いきません。人類の文化は資源の希少性を前提にして発展してきたものなので、貧困や欠乏が解消された社会において、人が果たして幸福を実感できるものなのかどうかが不明なのです』
 こういう時代のことならマルクスやケインズだったらこう描くことは明らかである。生活必要が満たされ始めた人々は、人間にとってポジティブなものを求め、深めあっていくことになる。労働時間を減らしあって、趣味や、家族や友人との語らい、文化や芸術に楽しんだり、哲学をしたりもするだろうと。

 経済学の本と言っても、「目前の景気がこうなる」とか「自由主義競争永続・万能論」式のものとかではなくって、長い経済学史の伝統を踏まえて人類の近い未来を考え合うような本が読んでみたいものだと思っている。
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悩ましい中国    らくせき

2013年02月13日 10時21分00秒 | Weblog
北朝鮮の核実験が行われ、NHKは特番を組み連呼報道をしていました。
連呼するのに何の意味があるのか?と疑ってしまいました。

現内閣が、こうして対応していますというPR臭さも感じてしまいました。

一番困惑しているのは中国でしょうか?
日本や韓国が核実験をした場合のアメリカのような立場でしょうか?

ある意味で北朝鮮のほうが日本よりホネのある外交政策をとっているのかも・・・

これは核実験を許容しての投稿ではない積り。ちょっと臍曲がりですねが・・・

北朝鮮がなにを望んでいるのか?
この核実験から、なにが見えてくるのか?
そんな報道があったら読んでみたいのですが。



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ちょっと気になるニュース   らくせき

2013年02月12日 19時41分00秒 | Weblog
朝鮮日報の記事です。

韓国の市民団体「独島守護隊」は11日、日本の「在日特権を許さない市民の会(特在会)」が22日の在日本大韓民国民団(民団)島根県地方本部前での集会参加を呼びかける案内をホームページなどに掲載していることを明らかにした。


 案内文は「竹島が奪われてから半世紀以上がたった」としながら、韓国政府が現在に至るまで一切謝罪をしていないばかりか、竹島を独島と呼んで韓国の領土だと言い張っていると非難。また、竹島の日記念行事を韓国人が毎年妨害していると主張した。


 日本の警察は民団島根県地方本部に対し、安全を理由に当日の本部閉鎖を要請したと伝えられる。


 独島守護隊のキム・ジョムグ代表は「日本の右翼は毎年『竹島の日』には民団前でデモを行ってきたが、最近、宣伝・扇動の勢いを強めている」と指摘し、対策の必要性を訴えた。


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新聞の片隅に載ったニュースから(75)    大西五郎

2013年02月10日 19時04分39秒 | Weblog
新聞の片隅に載ったニュースから(75)

「体罰否定なら教育はできぬ」伊吹衆院議長岐阜で講演(2013. 2.10 中日新聞)

 伊吹文明衆院議長(75)は九日、岐阜市内で開かれた自民党県連の政冶塾で「体罰を全く否定して教育なんかはできない」と述べ、スポーツ指導や教育現場での体罰を一部容認した。
 政治家を目指す塾生ら二十三人の前で講演した後、女子柔道の暴力問題をめぐる質問にこたえた。
 「この頃は少しそんなこと(体罰)をやると、父親、母親が学校に怒鳴りこんでくるというが、父母がどの程度の愛情を子に持っているか」と、保護者の対応も批判した。
 さらに、英国のエリートを育てる私立校では教師がむちを持っていると説明。日本では「何のために体罰を加えるのかという原点がしっかりしていないから問題になる。立派な人間、選手になってほしいという愛情を持って体罰を加えているのかが判然としない人が多すぎる」と語った。
 井吹氏は二〇〇六年九月から〇七年九月まで安倍内閣で文部科学相を務めた。衆院議長就任に伴い自民党の会派を離れ無所属となっている。

□□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□□

 元文部科学大臣の体罰容認論ですが、「立派な人間、選手になってほしいという愛情を持って体罰を加えるなら、それは必要だ」という考えのようです。
 女子柔道オリンピック代表選手に対する体罰とパワハラが選手たちからの告発によって問題になって辞任した園田隆二元監督は辞任の記者会見で「選手を立派に育てたいという気持ちから(の体罰)だった」と体罰を加えたことや言葉で選手をなじった理由を述べましたが、「一方的な愛情(思い込み)だったようだ」とも反省の弁を語りました。だとすると、伊吹氏の論法だと「許される体罰」ということになります。
桜宮高校で起きた体罰による自殺問題がきっかけで高校に対する調査が行われ、広い範囲で体罰が行われていることが分かりました。高校のスポーツクラブの監督やコーチは大学体育会出身者が多いのですが、自分が体育会時代に受けた“愛のムチ”と称する体罰を加えて指導するという観念が植え付けられているのではないでしょうか。大学の体育会こそ調査する必要があります。
元読売巨人軍投手の桑田真澄氏が「私は高校野球部で体罰を受けたことはない」(つまり体罰なくても選手は成長する)と語り、「体罰はむしろ選手を萎縮させる効果があり、絶対に行うべきではない」と、自らの経験から語っています。
 それともう一つ伊吹講演で問題なのは、衆議院議長が自民党県連の政冶塾の講師を務めたことです。衆参両院の議長は各会派から中立の立場が要請されます。ですからこれまで歴代の衆参両院議長は会派を離脱して無所属になりました。その中立であるべき衆議院議長が特定政党が主催する政冶塾、当然自民党から国会議員なり地方議員になることを目指す者たちの養成塾の講師を引き受けることは、議長の中立性に反する行為ということになるのではないでしょうか。

                                       大西 五郎
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憶測  中国の狙い    らくせき

2013年02月07日 19時42分17秒 | Weblog
今回の中国の軍艦が自衛隊の護衛艦にレーダー照射をしたのは
米軍の偵察機に中国軍機がスクランブルをかけ、
さらに自衛隊機が逆スクランブルという状況のなかで起きたようですね。
今回の照射は、かなり意識的に行われた感じです。

一体、中国の狙いはどこにあるのでしょう?
憶測ですが、中国側の狙いは、尖閣問題を紛争地として
世界にPRすることにあるのでは?
そのためには小さな軍事的な衝突も選択肢のなかに
入っているのではないでしょうか?

今回の照射も日米の出方を探るために行い、
反応を見ながら、中国政府としての姿勢を表明するのでは?

しかしこんなやり方が本当だとしたら
現在の中国政府には「中国」という名はふさわしくないですね。
徳のある国家のみが「中国」を名乗ることが出来ると思います。
いまの中国は単なる覇権国家です。





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随筆  年、ジタバタ  文科系

2013年02月07日 12時51分20秒 | 文芸作品
  年、ジタバタ

 10年に、慢性心房細動で心臓カテーテル手術を二度受けた。これによって最後まで続けてきたスポーツ・ランニングを断念しなければならなくなった。他にも不具合を数え上げれば切りがない。目は網膜剥離で手術をしているし、白内障を辛うじて止めている現状でもある。耳はというと、ギター弾きすぎの難聴。窓を開けて弾けと医者に厳命されている。音が響きにくい最も広い部屋を開けっ放しにして、冬はストーブを夏は扇風機を傍らに引き寄せて弾くという、漫画みたいな一年の光景!
 ランナー断念から約一年半、その効用が消えた体になっていくのが手に取るように分かった。ランナー時代はなかったことなのだが、階段を上ると息が切れだして、驚いた。心臓の立ち上がりがどんどん遅くなっていくのを、何かにつけて思い知らされた。そしてそのしわ寄せが、体の無理している部分にたちまち現われてきた。僕の場合はギターによる酷使部分。なんせ今でも、一日に二~三時間弾くのだから、酸素の回りが悪くなれば痛む部分がすぐに出てくるわけだ。三ヶ月ほど前から左右の手、指が痛みだし、準備運動とか途中休憩などとだましだましやって来たのだが、とうとう右手薬指がダウン。腱鞘炎でいわゆるバネ指の症状が始まった。医者に行ったら薬指付け根に注射を打たれたが、果たして治るのだろうか。週一回で四回ほど打たれた。これで治らなければ切開手術だそうだが、種々注意を働かせて、ちょっと悪い現状を維持している程度。
 周囲を見回してみると、ギター大好き老人たちは、みんなどこかを傷めて、だましだまし弾いていると分かる。肩や腕を痛める人が最も多いが、メニエル症候群になる人がいるのは、意外に高いギター音圧の耳への影響かも知れない。こんなことから、数ヶ月ギターから離れる人も出る。数ヶ月離れるなんて!退職後に先生についた僕なら見る影もない音に再び巻き返す気力が萎えてしまうかも知れない。その巻き返しができなくて、僕からギターが奪われたら一体どう生きたらよいのか。痛みを騙し騙し弾くことになる。
「助かった」という感じで、ほっとしたこともある。以上の間中、平均七十往復ほどの階段登り体力だけはかろうじて維持に努めてきたことである。この酸素吸収力維持によって、この身体がどれだけ助かっていることかと、改めて振り返ることができた。これがなかったらこの右薬指など、もうとっくに手術を宣告されていたに違いない。そんなふうに考えつつ胸をなで下ろしていた。こんなことで慰めるしかない歳になったということだろう。

 でも、どんな努力も、何の楽しみも生まないって、そんな年齢ってないのではないか。これは母の晩年をよーく観ていて教えて貰ったことだ。僕の母が、僕の目の前で自力でパジャマを着た日々をこのごろよく思い出す。初めは五分ほどかけて。最後のころは二十分もかかって、不自由な右手、弱った下肢を懸命に働かせながら。隣りで僕が黙って見守っていたからできたことだったと思う。「子だけが生き甲斐」、その愛情の凄まじさを感じた時だった。僕の子どもらはあんなふうに待っていてくれるだろうか。
 
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   沈着冷静に対処した小野寺防衛大臣と『中日新聞』       只今

2013年02月06日 08時05分15秒 | Weblog
 火遊び以上の危険をはらんだ中国艦の「レーダー照射」についての記者会見
 での小野寺大臣は、極めて冷静であった。
 例えば、「場所は?」との質問に対しても、「東シナ海でご了承いただきたい」 「公海上です」とだけ答えた。
 これは深読みかもしれないが、「やつっけろ!」「一歩も退くな」
 といった暴言をまき散らしている日中両国のプチナショナリストを意識してのことと思われた。
 しかし5日19時のNHKニュースは、画面に「尖閣列島周辺」と表示した。
 『朝日新聞』は、一面で大きく「尖閣周辺」と記した。
            これに対して

 『中日新聞』は、一面ではあるが、左方で「東シナ海」と記した。

 このことについては、少なくとも防衛大臣は、『中日新聞』の見出しを借用すれば、
 〔「一紙即発」も冷静対処〕したことは、認識したいと思います。

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随筆  ある老いの様相   文科系

2013年02月05日 13時53分32秒 | 文芸作品
 ある老いの様相

 ある夜、電話に出ると、同人誌の女性のこんな第一声。ちょっと年上の人だが、なんだろう?
「○○さん(僕の名前)、ありがとねー。ほんま、嬉しかったわ!そんなに変わった!」
 あっそうか、二~三日前に彼女に出した手紙、同人誌作品への批評文のことなんだ。その弾んだ口調に押されるようにして僕の口を突いて出た言葉はこうだった。
「いや、思った通りのことを書き送りたくなっただけ。ここ二~三年のできとは全く違うと思う。手紙に三つ四つ箇条書きした通りなんだけど、文に乱れがないし、今年は随分余裕を持って書けてたんじゃない?まちがいなく貴女の最高の小説、作品だと読みました」
「うん。そうすると見抜かれてたんかなー。ここ二~三年の私のことも」
 と、これを切り出しに彼女が説明しだしたことは、こんな内容である。親類などで何人かの親しかった人が亡くなった。特に仲の良かった「ほんま良い人」たちもいて、凄いショックだったのだという。
〈そうだったのだ。あの乱れが、そういうことだったのだ〉
 僕は一挙に思い出した。この彼女、本当におかしかったのである。心ここにあらずというか、僕よりちょっと先輩の女性としては事務仕事なども得意そうに見えた彼女が、重大な忘れ事をしたと自嘲してみせるなど、とにかくいろいろ抜けていることありありと見えた時期があった。そして、今思えば、それが文章にこそ、よく表れていたのである。そもそも原稿締め切り期日に間に合わない。僕自身が、初校期限後に書き足しなどいろいろ手伝ったこともあった。今なら言えるのだが、その時に感じたことが、これだ。
〈記憶力がえらく減衰しているようだ。これが、書く妨げになっているのだろう。語尾が不揃いでおかしいとか、多すぎる登場人物の説明不足とかも目立つし〉
 過去の自身も含めたいろんな体験から鬱病に詳しい僕には、その疑いさえあると観えた時もあった。そして、なんか悲しかった。この人が、このまま老い切ってしまう?

 さて、ここまで思い至って初めて、僕の何げない手紙への彼女の感謝の内容、度合いの強さが、よーく分かった。〈自分はどうも、ちょっとおかしいのではないか。これが老いという、避けられないこと、その最後の方の関門を通り過ぎつつあるということなのだろうか〉、そんなことを長い間悩んできたにちがいない。〈文章でこんなに苦労し、書けない私ではなかったはずだ〉などなどを繰り返しながら。生活のいろんな局面でも、考えが進まず手に着かないことも多かったのではないだろうか。こんな数年を経て、今回の僕の批評文。「回復」してきたと思えてきたやの作品、自分自身を、他人が評価してくれた!
〈やっぱり難しいものが、立派に書けたんだ。ちょっと回復したというか、おかしくなくなったのかな。逆に、あの時期が単なる老いじゃなかったんだろう〉

 電話を切った後、改めてこんな思いに耽っていた。亡くなった人がそれだけ彼女にとって大切な人だったんだ。「喪失鬱病」というのを聞いたことがあるが、ある人生とこれだけ惚れあうって、素晴らしいことだ、な。その大切な相手はもちろん、彼女自身も。
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新聞の片隅に載ったニュースから(74)    大西五郎

2013年02月04日 10時01分56秒 | Weblog
新聞の片隅に載ったニュースから(74)

  王様の言いなりに 体罰問題で入試中止
鳥越俊太郎 ニュースの匠(2013. 2. 2 毎日新聞)

 私は直感的に「裸の王様」というアンデルセンの童話を思い起こしました。
 大阪・桜宮高校で起きた体罰と生徒の自殺、そしてその後、橋下徹・大阪市長が入試中止を声高に叫んで実行させたこと。この一連の経過を見ていて、私はやはりこれは「裸の王様」だな、と思ったのです。
 改めてその童話のあらすじを書いておきます。
 新しい服が好きな王様の元に、ふたり組の詐欺師が布織り職人という触れ込みでやってきます。彼らは、ばかには見えない布地を織ることができるという。王様には当然布地は見えません。しかし、家来の手前「見えない」とは言えない。褒めるしかない。家来も褒めるしかない。結局、王様は見えない衣装を着てパレードに臨みみますが、見物人もばかと思われたくないので褒めそやす。そんな中で小さな子供の一人が「あ、王様は裸だ」と叫びました……というのがアンデルセンの鋭い寓意を含んだ童話の核心部分です。
 さて、今回の桜宮高校の入試中止事件。きっかけとなったバスケットボール部顧問による自殺した主将生徒への激しい体罰は、報道を見る限り、これは体罰の域を超え暴力行為ですね。
 体罰については指導のあり方の問題としてきっちりと議論をし、改善すべきところは改めなければなりません。
 橋下市長は当初、体罰一般は否定しないという趣旨の発言をしていましたが、一転、「入試中止」という極端な発言に変わりました。発言がブレるというのは原発問題や先日の太陽の党との合併問題などを見ていて、橋下市長の傾向ではあります。が、今回はブレたことが問題ではありません。体罰問題と入試の問題はどう考えてもつながりません。論理的に飛躍があります。
 橋下市長は「学校の伝統や空気を一新させる」ために体育科とスポーツ健康科学科の入試を中止させるのだと主張していますが、これは常識的に見て無理がある理屈です。入試をやめれば体罰問題が解決するなんてことはありません。
 橋下市長の入試中止措置に真っ向から反論したのは桜宮高校の在校生たちだけでした。
 「全く納得できません」
 裸の王様に大人は言いなりになっただけでした。

□□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□□

 橋下氏の発言のブレはこの小論集でも指摘したところですが、彼はまともな論理での批判は聞く耳持ちませんので、このような比喩を用いた批判が有効かと思います。それにしても、鳥越さんが指摘されたように、大阪市教育委員会は大阪市における教育の在り方を決めるという自らの使命を放棄して「王様」の前にひれ伏したのは情けないことですね。公選制から首長の指名制に教育委員会法を変更したことの根本的弊害が現れたのだと云えます。
                                       大西 五郎
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文科系さんとあんころもちさんの論争、改めて読んでみました。らくせき

2013年02月03日 16時37分05秒 | Weblog
最初の頃の論争に、見落とされている論点があるように感じました。

あんころもちさんの意見のポイントは次の2点にあると思いました。

①私はこうした大きな流れの中で見た場合、冒頭のエッセイも、
それに対するらくせきさんの応答も、極めて不快に感じました。
それは明らかに、自分が高見に立った他者非難の枠を出ていないし、
その尻馬に乗った規制社会への趨勢にきわめて鈍感だからです

②最初のエッセイの「奥様ロードの奥様方」から、
らくせきさんの「そんな人がお母さんなんだから、子供たちも自己チューに」と
いう流れはもはや個別の誰かの問題ではなく明らかに一般論です。

①②ともに、その通りですね。

ある指摘が規制社会をつくろうとする人たちに利用されやすいこと。
その指摘は、自分を安全なところ置いて、批判だけするものであること。
これは、その通りなのですが・・・・、
そういわれてもどこか胸に落ちるものがありません。

この位のことを言って、そんなに批判されるべきことなのでしょうか?

自己中の母親が自己中の子供をつくるといった場合、
これを規制する側が利用できるのは、どういう場合なのか?

それに対する対抗手段として、言わないことが効果があるのか?

あるいはあると認めた場合、対処するのか?

私の一般化が、どういう点で、規制社会への後押しになっているのか?
その辺りをもう少し詰めてコメントして下さるとよかったと思います。

この論争、とても重要なことを含んでいそうで、あえて一言述べさせていただきました。

自己チューの人たちが増えていないのなら問題は別のところにあることになります。
一応、自己チューの増加を前提としてのお話です。


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随筆 日本スポーツ史に金字塔   文科系

2013年02月02日 12時54分23秒 | 文芸作品
 これは、僕らの同人誌の月刊冊子249号(12年8月号)に載せた作品。本日直前に掲載したものと合わせてお読みいただければ、面白いと思われる人にはさらに何倍も面白くなるだろうという狙いです。
 一日に拙作二つというのはこれからは原則的に避けるつもりですが、「合わせ読み」ということで今回はご容赦を。ただ、午前に他のエントリーがないと、つい出したくなります。ここは昔から、一日3~4本なんてざらでしたから。

【 日本スポーツ史に金字塔

 香川真司がイングランド・マンチェスター・ユナイテッドにおけるその初プレーを、開幕戦先発フル出場で成し遂げた。しかも本人の希望してやまなかったトップ下を務め終えるという形で。そのため、わざわざトップ下ポストを設けるよう、このチーム通常の陣形を変えさせてまで。最初のメンバー交代が左MFに代えてファン・ペルシーを入れたのだが、そこにワントップ選手ウエイン・ルーニーを下げてきて、そのトップにファン・ペルシー投入ということだった。こういう選手交代がまた、香川を中心に回されたゲームだったと言ってよい。イングランドリーグを代表する二人の攻撃型選手が香川と合うかどうかを試験される脇役になったわけだ。これは、世界が毎日見張っている五大フットボールクラブに間違いなく入るチームでの出来事だったから、世界のビッグニュースになった。
 日本フットボール史で辛うじてこれに匹敵するかというのは中田英寿のローマ優勝だろうが、これよりもはるかに大きなニュースであることはまちがいない。野球史上では「ヤンキース新四番・松井」とかがあるが、フットボールと比べた場合に野球の世界への目は問題にならないほど小さい。ヨーロッパや南米、アフリカでも香川のことは大騒ぎになるだろうが、ヤンキース新四番などはニュースにすらならなかったはずだ。世界の競技人口もチーム数も、フットボールは野球の十倍ではとうてい済まないと思う。
 表題『日本スポーツ史に金字塔』についてはいろんな見方もあろうが、こう題した理由は以上のとおり。ただしこの表題は、今この瞬間においてだけのこと。真に歴史的出来事だったと後世ふり返られるかどうかは香川のここ数ヶ月のプレーにかかっている。
 そして第二戦八月二十五日には前線四人の先発のうち第一戦と同じ選手は香川だけになった。攻撃の起点・トップ下に香川を置いておいて、全く新たな三選手と、相性をいろいろと試してみたということのようだ。今年の開幕から二ゲーム続きで、計六人の世界に知られた名選手たちが、新参香川との相性を試験された観なのである。

 さて、監督は、今年七一歳にして、このチーム二六年目の大監督ファーガソン。彼はこうして、己の晩年最後のチーム改編を、どうも香川真司に賭けているみたいだ。僕にはそうとしか見えない。この開幕二戦に加えて、それまでの練習マッチ六ゲームなどをふり返るとなおさらのことだ。ここまでの香川中心がもし外れたら、今シーズンが、スタートで取り返しが付かなくなる恐れもあるのだから。それとも、この大改造が当たって、マンチェスターユナイテッドが〇八年のようにもう一度世界最強の名を馳せることになると確信できるのだろうか。ファーガソンがそれを狙っていることは確かだろう。マンチェスター・ユナイテッドのスタイルを時代に合わせて変えようとしているのだと思う。
 スペイン人がイングランドに来ると、おおむね大活躍できている。イングランドのパスサッカーが下手だということだろう。去年のイングランド優勝監督はイタリア人だが、彼らはイングランドをこう評する。身体機能やスピード、そしてフェアな敢闘精神などは豊かだが、戦術やポジション取りがまだまだ、特に守備の文化が貧弱だと。香川真司がこういうイングランド、チームの弱点を変えてくれる選手だと、ファーガソンは見たのであろう。なんせ、同じような弱点を抱えていたドイツを世界第二位の国へと押し上げたのが、香川がこの二年間輝き続けたドルトムントなのだから。ドルトムントは、これも世界五大チームに入るかというドイツの老舗・バイエルン・ミュンヘンを押しのけてドイツ二連覇をとげた最新型・最新鋭チームなのである。全員攻撃全員守備のパスサッカーから、スピードに乗った集団が流れるようにして得点していくチームである。

 結論。名将ファギーは、最晩年にして最後のチーム大改造目指して、香川真司と心中する覚悟なのではないか。あの大ファギーが香川にこれほどに惚れ抜いたって、途方もないことだと、サッカーファンならだれでも思うだろう。 
 ドルトムントの名手、ある同僚が香川を評した言葉は広く知られている。「まるで天使のようにプレーする」。なんとも上手く表したものだ。おおむね飛ぶように速く、直面の敵を出し抜きたい時などはボールと戯れるようにふわりひらりふんわり、跳びはねるがごとくに。そんなやりかたで、一七二センチ六三キロという童顔優男が、一八五のドイツ大男たちに触れられもせず飛び回る様はまさに「天使」。スポーツの醍醐味のひとつだろう。が、サッカーでのこんなプレーは文字通り至難の技。周囲をよーく見ていて、ボールを上手く受け、ボールを出し、その直前には次に行くべき場を判断しておかねばならぬ。何人もの敵味方の中で全速力で動きながら、全て瞬きの間、一瞬のプレーだ。だからこそ、監督ファーガソンが香川を褒めるこんな言葉も、流石大監督と見えたものだ。
『いいプレーヤーだ。いつも動いていて効率的なサッカーをする。ボールも無駄にしない』『彼は頭が良く、試合を読むことができ、ボール扱いが巧みだ。そして彼は素早く、ボールをキープすることもできる』 】
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ザックジャパン(69) 香川真司、チームを新しい次元へ!(2) 文科系

2013年02月02日 03時33分47秒 | スポーツ
 昨日は久しぶりに、アクセスは300人を、閲覧も1500回を超えたので、気をよくして続きを書く。

 中日新聞記事から昨日の話題をとった香川のゲーム自身を、今夕観た。これらの優れた記事にも匂っていたとおりで、確かにマンチェスターユナイテッドに香川が入ってから初の出来だと観た。監督ファーガソンの新構想の中で初めてと言って良いほどに香川が生きて、踊っていた。

 まず、4-4-2と言える布陣で、メンバーはこうだ。ファンペルシーと、少し下目にルーニー。左右サイドに香川とウェルベック。ボランチと言うよりもセンタープレイヤーという感じで、キャリックとアンデルソン。センタープレイヤーというのは、前と後ろを繋ぐという役割に、攻撃性を加味するという感じだろう。特に走力と、シュート力なども要求される。サイドバックは左はエブラだが、本日の右はフィル・ジョーンズという布陣だった。得点経過は、こう。2分に敵1点、7分に流れの中から香川のスルーパスにルーニーが得点して追いつき、26分には敵ゴール前で右ー左ー右と揺さぶってまたもルーニーの得点。2対1の勝利だった。ここで香川はと言えば、1得点目をアシストし、後半の後半に交代というもの。

 さて、香川は誰とどう連係できたのか。誰よりも、ルーニーと、頻繁かつ見事に使い使われていた。何よりもまず、すぐに同点に追いついた1得点目が、美しいものだった。敵ゴール前で香川が、自分にボールが届く直前にルーニーが全力疾走で右からゴール正面に抜け出しつつあるのを認めていて、3人の敵DFに囲まれるようにして走っているルーニーに、意外にも浮き球のショートパス。二人とも疾走しながらの、すべてがなんとぴったりあった技どうしだったことか!今期ファーガソンの理想とする得点そのものだ。また、香川加入直後にル-ニーが発したこんな観察、感想を想い出したものだ。
「この香川の加入、スタイルって、これで僕の得点もかなり増えそうだ!」

 なお、この時の敵3ディフェンダーで香川とルーニーとのラインを切っていたのは、細かい足の技術もある吉田麻也だった。だからスルーパスではなく、彼の肩越しとも言える浮き球パスだったのだろう。小さくジャンプした吉田がヘッドで逃れようとしたが、空しかったということだ。なお、このゲームの吉田も出色の出来だったと、ここで付け加えておきたい。吉田のチームもまた、若い彼の成長と平行するように日々強くなっている。これはイングランドで今評判の噂である。その吉田の、ゲーム後も汗をしたたらせながらの第一声が、こうだったかな。
「とにかく疲れた! 香川があの中で毎日練習してるって、本当に凄いことだよ」

 ルーニーとの阿吽の呼吸は、この得点前後などにも何回も観られた。4分には、香川の抜け出しにルーニーのパス。これも得点寸前、入るシュート寸前という際どいものだった。10分には、ファンペルシーからルーニーを経て、香川へ。そのシュートが辛うじて左ポスト内側に弾かれている。30分には、ルーニーから香川、ファンペルシーと繋がって、ファンペルシーのきわどいシュート。マンチェスターのシュートのほとんどに香川が絡んでいたと言っても良いようなゲームだった。因みに、選手の出来を現す「新聞得点」において、2得点したルーニーと同評価が香川に与えられていたのがその証拠である。攻撃的選手では得点ばかりを評価しているような日本のサッカー雑誌などでは、あり得ないことだと読んだものだ。

 最後になるが、ダニー・ウェルベックのことにちょっと触れる。本日前半は右サイド、後半には香川と左右を入れ替わった攻撃手なのだが、香川と同じように使い続けられてはいても、彼とは対照的な選手である。速さを生かした強引なドリブルやシュートが特徴。敵に当たられてもびくともしない頑丈な体! パスによるチーム作りを狙っているチーム新構想で監督が彼に何を期待しているのかなと考えると、構想の他の一端も見えてくるような気がするのである。最近は確かに変わってきた。最初はまず、見違えるように守備もするようになった。そのために前後にも走り回るようになったから、走力も十分なのだろう。そして最近はようやく、強引なドリブル突破を減らして、パスも出すようになった。同じような有望株クレバリーやアンデルソンには、パスも、良いパスのための広く正確な視野もまだまだ劣るのだろう。これが、今後注目したい香川の若手相棒候補3選手なのである。
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ザックジャパン(68) 香川真司、チームを新しい次元へ!  文科系

2013年02月01日 14時39分30秒 | スポーツ
 いつこうなるかとチームの監督が待ち望んだことが、とうとう起こったのだと思う。昨日のマンチェスターユナイテッドとサウサンプトンとのゲーム、香川真司のことだ。中日新聞昨夕刊のこんな文章に胸が躍った。
『スター軍団の中で個性が埋没する試合が多かったが、この日は別人。ボールが集まり、得意の連係プレーがさえた』
 そして、本日の朝刊では、こう。
『その後もチームの好機にことごとく絡んだ。以前はボールが欲しい時にパスがめぐらずに孤立した。苦悩も口にしたが、「動きの質を求めている。ユナイテッドに入ってさらに感じるところが多い」と話す。(中略)狭いスペースでも発揮できる高度な技と細かな連係。後半は運動量が落ちたものの、世界屈指のビッグクラブが目を付けた先端技能は色濃く表れていた』

 香川を追い続けてきた僕もここに何回か書かせていただいたことだが、監督ファーガソンの香川に託した新チーム構想が質的前進を示したゲームだという、そんな記事の書き方になっていると読んだ。

 個人技と強さと走力など全てを世界最高水準で有しているメンバーばかり。そこにファンペルシーが入ったこのチーム、さすがにイングランドでは近年珍しく安定している。でも、これだけではあのチームには到底勝てない!ファーガソンはそう思い続けてきたはずだ。09年と11年、2度の欧州チャンピオンズリーグ決勝で敗れた相手! それも0対2と1対3の相手。一昨年このバルセロナに破れた闘いの後には、彼はむしろさっぱりした感じで、こう評していた。
「今のバルセロナは、長年の監督生活で出会った最高のチーム、ずば抜けたチームだ」
 以来72歳の老名将ファーガソンの夢は、スペイン・バルセロナと張り合えるチームを作ることであったのは間違いない。彼にしてみれば、バルセロナを負かすべく監督を続けているようなものではないか。香川を取った意図もこうして、バルセロナが展開する全員攻撃全員守備のパスサッカーに張り合えるパサー・アタッカーをチームに組み込むこと。言ってみれば、バルセロナのイニエスタのような。チームの中で頭一つ小さい香川をトップ下を中心に出し続けてきたのも、そういうことだったはずだ。それが、上記記事中のこの表現にも現れていると読んだ。
「世界屈指のビッグクラブが目を付けた先端技能」

 ところがここまでは、上の記事にもあるとおりに、香川にボールがなかなか行かなかった。前チーム、ドイツ2連覇のドルトムントなら良いパスが来るはずの位置取りをしていても、そういうスペースへの走り込みをうまくやったつもりの絶好機にも、ボールが来なかった。この事態、僕は香川の責任ではなく、周囲が悪いのだと観ていた。いや、香川が走り込むような小さなスペースに危険なパスを出すなどしなくても、新加入のファンペルシーがいるだけで勝ててしまったとも言える。それでも香川を使い続けた意味があるはずで、それはこういうこと以外にはない。
「おまえら、勝てばよいではだめだ。香川にパスを出して、彼に敵を崩させて、勝て! そうでなければ私は、いつまでも満足しないぞ!」
 バルセロナ対策なのである。その構想がついに実を結び始めたのがこのゲーム。折りしも2月13日のレアルマドリッド戦を控えて、夢に一歩近付いたファーガソン、香川の喜びはどんなに大きなものだったことか! レアルマドリッドもバルセロナだけを見て鍛え上げてきたようなチームだ。
 この日本から、こんなチームを、こんなレベルで託される選手が、こんなに早く現れるとは! 
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