路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説・12.25】:臨時国会閉幕 「熟議」の場 実現の時だ

2024-12-25 04:01:50 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・12.25】:臨時国会閉幕 「熟議」の場 実現の時だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.25】:臨時国会閉幕 「熟議」の場 実現の時だ

 与野党が伯仲する中で迎えた臨時国会が閉幕した。自民「1強」時代とは異なり議論が法案に反映される場面が増えるなど、言論の府が本来の姿を取り戻しつつある。国会再生の歩みを止めてはならない。 

 焦点だった政治改革関連法案では、自民党が全面的に譲歩し、野党案を受け入れる形となった。

 政治資金規正法の再改正などを審議した政治改革特別委員会は、本来の国会の姿を見せたとも言える。与野党が提出した9法案を巡り、答弁席には各党の実務者が並び、国会議員同士の討論が繰り広げられたからだ。

 一方で、企業・団体献金の扱いについては来年3月末まで結論を先送りした。

 企業献金への依存度が高い自民は「政治活動の自由を侵す恐れ」を主張している。片や野党の一部からは、禁止の対象から政治団体を除くよう提案している立憲民主党の案も「抜け道になる」として批判が出ている。

 「政治とカネ」を巡り、国民からは依然として厳しい視線が注がれている。与野党は期限まで精力的に議論を重ね、踏み込んだ改革をしてもらいたい。

 2024年度の補正予算を巡っても、自民が立民の主張を取り入れ、能登半島の復旧・復興費用を1千億円上積みする修正を加えた。修正した予算案の成立は28年ぶりだ。

 ただ、予算全体は緊急性の薄いものもあり「規模ありき」の感が否めない。もっと精査が必要ではなかったか。

              ■    ■

 少数与党となった石破茂政権にとって、補正予算を会期内に成立させられるかどうかは焦点の一つだった。

 石破首相は会見で「与野党の多くの協力で、かみ合った議論になった」と振り返る。与野党が互いに一致点を見いだして、予算を成立させた意義は少なくない。

 しかし、短い会期の中で中途半端に終わった議論も目に付いた。

 自民旧安倍派の裏金事件に関しては、衆参両院の政治倫理審査会で計20人が弁明したものの、疑惑の核心部分の解明は進まずじまいだ。

 補正を含め予算は、政権の政策の集大成でもある。立法府で厳しくチェックするには、余裕を持たせた審議を可能にする新たな仕組みを与野党が検討すべきだ。

              ■    ■

 国民民主党が掲げる「年収103万円の壁」引き上げの議論も気がかりだ。予算成立のため1党の言い分を丸のみする形では税制にひずみを残さないか。

 自民、公明の両党は25年度の税制改正大綱で123万円に引き上げることを決めたが、データに基づいた政策効果や財源に関する検討がなされた形跡はほとんどない。引き上げを巡っては国と地方を合わせて大幅な税収減になるとの指摘もある。

 立法府の役割は熟議を尽くすことにある。目先の成果だけにとらわれない議論が求められる。

 元稿:沖縄タイムス社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月25日  04:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.25】:政治改革関連法が成立 真の「言論の府」実現を

2024-12-25 04:00:50 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・12.25】:政治改革関連法が成立 真の「言論の府」実現を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.25】:政治改革関連法が成立 真の「言論の府」実現を 

 政策活動費を廃止する政治資金規正法再改正案を含む政治改革関連3法が参院本会議で可決、成立した。

 政治への国民の不信感を拭い去ることができるかどうかはこれからの作業である。政治資金の不正使用を繰り返さないためにも、制度設計や運用の在り方に魂を込めてもらいたい。

 使途公開が不要だった政策活動費は全廃となる。ただ、自民は廃止の代わりに、政党支出の相手を非公開にできる「公開方法工夫支出」の新設を提案するなど、最後まで抵抗した。しかし、結局は「抜け穴になる」との野党からの批判をかわせず、撤回した。

 調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の改革議論でも、自民は消極的だった。月額100万円の支給が日割りへと見直されていたが、2021年の問題提起から今国会で使途公開や残金の返納が決まるまで3年かかった。

 旧文通費を巡る改革を定めた改正歳費法の成立は、長期政権を担う自民のおごりに対し、国民が不信感を突き付けた衆院選のたまものである。自民は自浄作用を発揮できなかったことを猛省しなければならない。

 焦点である、企業・団体献金の禁止に関する議論は年明けの通常国会に舞台を移す。与野党とも謙虚な姿勢で臨んでもらいたい。

 政治とカネの問題に加え、熟議の場として国会が機能し、立法府として存在感を保っていくことこそが国民の政治への信頼を取り戻すことにつながる。

 今国会では2024年度補正予算の審議で、立憲民主党の求めに配慮して能登半島地震の復興予算に1千億円を予備費から充当した。衆院選で自民、公明の与党が大敗し、野党の協力を得なければ法案の衆院通過が難しい状況が影響している。

 政府・与党にとってはやりにくいかもしれない。しかし、議論を積み重ねて法案を修正していくことは、多くの意見を施策に反映させることにつながる。

 これまで自民は、党政務調査会などで法案を事前審査して党議拘束をかけて成立させることが常態化してきた。国会審議を形骸化させるものであり、その改革も通常国会の論戦の焦点とすべきだ。政治改革は国会改革でもある。

 石破茂首相は、少数与党で臨んだ臨時国会を振り返り「熟議の国会にふさわしい」と述べた。そもそも数で押し切るという自民の手法には首相自らが否定的だったはずだ。少数与党の現状を契機に、国会政治改革を推し進めてもらいたい。

 今後の国会運営でも多数を占めた野党側も党利のみを押し出すのでは国民の理解は広がらない。与野党が拮抗(きっこう)した国会の場で、緊張感を持った審議によって、幅広い意見を政策に収れんさせていく言論の府本来の姿を示してもらいたい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月25日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中山知子の取材備忘録・12.15】:石破首相、今年の漢字「謙」表明も国会答弁は「石破論法」で謙虚一辺倒ではなし?

2024-12-24 07:35:40 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【中山知子の取材備忘録・12.15】:石破首相、今年の漢字「謙」表明も国会答弁は「石破論法」で謙虚一辺倒ではなし?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・12.15】:石破首相、今年の漢字「謙」表明も国会答弁は「石破論法」で謙虚一辺倒ではなし?

 2024年もまもなく終わろうとする時期に入った、今年の年末。1年の世相を1文字で表す恒例の「今年の漢字」が12日に発表され、3年ぶり5度目の「金」が選ばれた。

石破茂首相(2024年10月28日撮影)
石破茂首相(2024年10月28日撮影)

 「きん」と読むか「かね」と読むか、同じ「かね」でもカタカナの「カネ」と読むかで、印象はかなり異なる。夏のパリ五輪・パラリンピックでの日本選手団の金メダルラッシュという明るいニュースの一方で、「かね」は、深刻な社会問題になっている闇バイト強盗事件も反映した側面もある。「カネ」となれば自民党裏金事件の「政治とカネ」となる。身近な漢字でもあるが、1つの漢字で今年のさまざまな側面を表現する形となった。

 「今年の漢字」が発表される時期になると、時の首相も「今年の漢字」を問われ、答える。石破茂首相は「今年の漢字」が発表された12日、自身にとっての「今年の漢字」を問われて「謙」と答えた。「1字で、というのは難しいが、謙虚の『謙』」と切り出し「謙虚に、ひたすら己をむなしくして、いろんな方の意見を素直に承る。今年の後半は、この言葉をかみしめながら過ごしている」と述べた。

 首相に就任してまもなく、裏金問題に関して与野党論戦を行わないまま衆院解散に踏み切ったが、10月27日の衆院選で大敗。自民党が少数与党に陥ってしまったことで、政権運営はかつてない苦しいものになった。野党の協力なしに、国会審議もままならない現実について、率直な感情を漢字1文字に託した形になった。石破首相と戦った自民党総裁選で敗れたものの、林芳正官房長官が今年の漢字を「動」と答えたのとは、かなり対照的だった。

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。 

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年12月15日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・12.24】:臨時国会閉幕へ 公開の熟議まだ足りぬ

2024-12-24 04:05:40 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説②・12.24】:臨時国会閉幕へ 公開の熟議まだ足りぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・12.24】:臨時国会閉幕へ 公開の熟議まだ足りぬ

 臨時国会はきょう、会期末を迎える。

 衆院選の結果を受けた30年ぶりの少数与党の国会だ。丁寧な審議が大前提となり、政策活動費の全廃や本年度補正予算案の修正など、一定の成果につながったのは確かだろう。
 
 ただ、その合意形成は、与党と一部野党との水面下での個別協議が中心となり、経過が分かりにくい唐突な決着と映ることもあった。これでは従来の「数合わせ」と変わらず、開かれた議論とは到底言えまい。
 焦点の政治とカネの問題を巡っては、自民党派閥裏金事件の真相究明が進まず、平成の改革以来の課題である企業・団体献金の禁止がまた先送りされた。
 重要なのは国民の目線に立った政策論争だ。年明けの通常国会では、与野党ともに政治の信頼回復を強く意識し、さらに熟議を深めなければならない。
 石破茂首相は「丁寧」「真摯(しんし)」「謙虚」を掲げ、国会論戦にも低姿勢で臨んだ。自民党も1強時代の強引さを改め、できるだけ野党の意見を取り入れようとした姿勢は評価できる。
 だが、実態はキャスチングボートを握る国民民主党をいかに取り込むかの議論に偏重していたと言わざるを得ない。国民民主党との協議が行き詰まると、今度は日本維新の会にも声を掛けるなどご都合主義が透けた。
 政策テーマとして、国民民主党が訴えた所得税非課税枠「年収103万円の壁」の引き上げばかりが注目されたのもバランスを欠く。内政外交の重要課題は山積しており、野党第1党の立憲民主党の主張も合わせ、もっと広範な議論が必要だった。
 野党の側も政策実現を目指すなら、財源論まで含め総合的に示す責任がある。与党の都合に巻き込まれるだけで終わらないしたたかな議論をすべきだ。
 衆参両院での政治倫理審査会には、多くの裏金議員が出席したが、通り一遍の審査で終わった。ただ出席すればみそぎになるとの考えは大間違いだ。目的はあくまで実態解明である。
 旧安倍派幹部だった萩生田光一元政調会長は、裏金づくりが20年前から行われていたと証言し「過去にさかのぼって分かる人たちがもう少し説明する必要がある」と指摘した。
 
 当時派閥会長だったのは森喜朗元首相だ。やはり関係者の参考人招致や証人喚問を実現しなければならない。
 
 首相は就任前に展開した持論を封印したままで終わった。通常国会では選択的夫婦別姓や日米地位協定の改定などについて踏み込んだ議論をすべきだ。
 
 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月24日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説・12.24】:政倫審またも不発 証人喚問で真相解明を

2024-12-24 04:01:50 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・12.24】:政倫審またも不発 証人喚問で真相解明を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.24】:政倫審またも不発 証人喚問で真相解明を

  発覚から1年がたつというのに、真相は一向に明らかにならず、疑惑解明のために設けられた場が、逆に政治不信を深める場になっている。 

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、旧安倍派、旧二階派関係議員の弁明が続いている衆参両院の政治倫理審査会。

 パーティー券の販売ノルマ超過分を政治資金収支報告書に記載せずに議員に還流し、裏金化する。そのような資金還流の経緯を明らかにすることが政倫審の焦点だった。

 だが、出席したほとんどの議員が肝心な点に触れず「知らなかった」「経理は全て秘書に任せていた」「派閥の指示に従っただけ」と釈明を繰り返すばかり。

 誰がいつ始めたのか。2022年4月に安倍派会長だった安倍晋三元首相が還流を中止すると指示しながら、死去後の8月の幹部会合後に復活したのはなぜなのか。誰が主導したのか。

 事件の核心部分は依然として、やぶの中だ。

 衆院選に当選したから、政倫審で説明したから、もう「みそぎ」は済んだ。そう考えている議員が多いのではないか。

 年内に区切りをつけ、来夏の参院選への影響を最小限にとどめたい、との思惑が透けて見える。

 だが事件の核心部分にふたをしたままだと、この問題はいつまでたっても決着しない。

 裏金事件の真相を解明することが政治改革の前提である。

              ■    ■

 疑惑解明に向けた突破口がないわけではない。

 22年8月、旧安倍派の幹部会合に出席した塩谷立、下村博文、西村康稔、世耕弘成の4氏は今年3月の政倫審で「結論は出なかった」と説明した。

 ところが、会合に同席した派閥の会計責任者は6月の公判で「4人の協議で再開が決まった」と証言しているのである。

 政倫審での発言は偽証罪に問われない。食い違いをただすためには、4人の証人喚問と当時の会計責任者の参考人招致が必要だ。

 議員の中には安倍氏に

対し、22年春ごろ「法的問題はないのか。あるなら運用を改めるべきではないか」と伝えた人もいた。

 複数の議員から同様の指摘があり、これを受けて安倍氏が中止を指示したようだ。となると、重要なのは再開のいきさつということになる。

              ■    ■

 問題点を指摘する声が派閥内部から起こり、安倍氏が中止を決めた。ところが安倍氏の死後、中止決定がひっくり返り、資金還流が再開された。一体、何があったというのか。

 石破茂首相は自民党総裁として真相解明に責任を持つべきである。自浄能力を発揮できなければ政権にとどまる資格はない。

 年明けの通常国会では、還流中止と再開の経緯に絞って、真相解明を進めてもらいたい。

 地方組織で似たような裏金づくりが行われていないかどうか、地方議員を対象にした調査も必要だ。

 元稿:沖縄タイムス社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月24日  04:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.22】:裏金事件の政倫審 証人喚問で解明尽くせ

2024-12-22 07:00:50 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・12.22】:裏金事件の政倫審 証人喚問で解明尽くせ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.22】:裏金事件の政倫審 証人喚問で解明尽くせ 

 もはや政治不信を深めるだけの場になっていないか。

 自民党の派閥裏金事件を巡り、旧安倍派や旧二階派に所属した19人が衆参両院の政治倫理審査会に出席した。多くの議員が「秘書らに任せていた」などと臆面もなく語った。当事者意識や政治責任の欠如にあぜんとする。

 パーティー券のノルマ超過分の収入を政治資金収支報告書に記載せず、議員に還流して裏金化していた。総額は58千万円に及ぶ。こんな手口がいつ、誰の指示で始まったのか。そして何に使ったのか。発覚から1年過ぎても、真相解明は一向に進まない。

 しかも、還流をいったん中止しながら、再開した経緯も不明なままだ。こんな調子では、人ごとのような弁明が繰り返されるだけだろう。政倫審の限界は明らかである。

 象徴的なのは萩生田光一氏だ。旧安倍派の「5人衆」に数えられた有力者で、収支報告書の不記載額も2728万円と巨額だった。19議員の中で、最も真相を知る可能性が高いとみられていた。

 だが明らかにしたのは約20年前に還流があった事実のみ。違法性の認識や不適切支出はなかったとし、再開の経緯も「知りうる立場になかった」と主張した。肩透かしと感じた有権者は多いだろう。

 弁護士でもある柴山昌彦・元文部科学相は、派閥事務局の不記載の指示に「不審に思った」と何度も問い合わせながら、従ったという。政治家、法律の専門家として対応に首をかしげざるを得ない。

 政倫審では偽証しても罪に問われない。3月に出席した西村康稔氏、世耕弘成氏、松野博一氏、塩谷立氏ら旧安倍派幹部の口からも、核心部分に触れる説明はなかった。

 そもそも先の衆院選前には、衆参70人以上の議員が政倫審での弁明を拒んでいた。衆院選当選を「免罪符」と考え、党幹部に促されて形だけの出席に臨んだ議員が多いのではないか。反省すべきことを明らかにせず、みそぎや幕引きになるはずはない。

 衆院選後の共同通信社の世論調査では、9割超が自民党の議席減に「裏金事件の影響があったと思う」と回答。当選した裏金議員の要職起用には8割近くが反対した。国民の怒りと不信をもっと深刻に受け止めた方がいい。

 次の通常国会では、うそをつけば偽証罪に問われる証人喚問を行うべきだ。有罪が確定した旧安倍派、旧二階派の会計責任者の証言と、元幹部議員らの言い分を突き合わせる必要がある。旧安倍派の会長だった森喜朗氏らにも事情を聞き、徹底的に解明を図ってもらいたい。

 自民党は東京都連や山口県連などでも不記載問題が明らかになっている。地方組織を含め、カネを巡る実態調査と透明化は欠かせない。

 にもかかわらず党総裁の石破茂首相の態度は煮え切らない。野党が求める裏金事件の再調査に消極的な答弁を繰り返す。証人喚問も敬遠するなら、国民の心は離れるばかりだろう。その場合、来夏の参院選で再び厳しい審判が下されると肝に銘じるべきだ。 

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月22日  07:00:00  これは参考資料です。転載等は、各自で判断下さい。

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【社説・12.20】:政治倫理審査会 裏金の実態解明依然遠く

2024-12-22 06:10:30 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・12.20】:政治倫理審査会 裏金の実態解明依然遠く

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.20】:政治倫理審査会 裏金の実態解明依然遠く 

 裏金づくりの実態解明に近づいたとは、到底言えない。全面公開での審査を拒む議員がいることは理解に苦しむ。これでは政治への信頼を回復できるはずがない。

 自民党派閥裏金事件を踏まえた政治倫理審査会が衆参両院で開かれている。衆院は17~19日の3日間に、旧安倍派と旧二階派の計15人を公開で審査した。

 旧安倍派の有力者「5人組」の一人だった萩生田光一氏は、「2003年の初当選時に派閥事務総長から、政治資金パーティー券の販売ノルマ超過分を政治活動費として返すとの説明を受けた」と明らかにした。

 04年には事務所担当者が、ノルマ超過分は収支報告書に記載しない取り決めだと派閥側から説明された、とも述べた。

 旧安倍派が少なくとも約20年前から裏金づくりをしていたことを裏付ける証言といえるが、誰が始めたかは不明なままだ。03年当時の派閥会長だった森喜朗元首相への調査が必要だろう。

 もう一つの焦点は、22年4月に安倍晋三元首相の指示で中止した還流が、安倍氏死去後の8月の幹部会合後に再開された経緯だ。萩生田氏は「関与する立場にも知り得る立場にもなかった」とした。

 3月の政倫審で、会合に出席した塩谷立氏ら幹部4人が「結論は出なかった」とした。一方、会合に同席し、政治資金規正法違反で有罪となった派閥会計責任者は「4人の協議で決まった」と証言し、食い違いが生じている。

 立憲民主党は、会計責任者の予算委員会での参考人招致を要求している。真相解明のために、偽証罪に問われる証人喚問も含めた次の段階を検討すべきだ。

 稲田朋美元防衛相ら他の政倫審出席議員の多くが、還流の仕組みについて「知らなかった」と釈明し、資金管理は秘書や事務所スタッフに任せているなどと答えた。解明が進んだとは言えないことは明らかだ。

 自民としては、来年の参院選に影響しないよう年内に審査を終え、幕引きを図りたいのだろう。

 衆院選当選を「みそぎ」としたい旧安倍派の議員が出席を渋る中で、党執行部は人事の正常化や追加の処分をしないことなどを条件に、開催にこぎつけたという。

 しかし、参院は出席意向の27人のうち全面公開に応じたのは5人にとどまる。残る22人が認めたのは議員傍聴だけだ。

 与党からも「国民に説明しないと開く意味がない」「国民に説明責任を果たすことができるのか」と疑問の声が出ている。

 参院で審査を終えたのは4人で、残る議員の審査日程は未定だ。

 共同通信の今月の世論調査では、政倫審を「公開すべきだ」と答えた人は83・4%に上る。国民からは依然、厳しい視線が注がれていることを忘れてはならない。

  元稿:新潟日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月20日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.20】:政治改革3法案/「抜け道」許さぬ制度を築け

2024-12-21 07:55:40 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・12.20】:政治改革3法案/「抜け道」許さぬ制度を築け

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.20】:政治改革3法案/「抜け道」許さぬ制度を築け 

 「政治とカネ」の問題を根絶するための入り口に立ったに過ぎない。政治に信頼を取り戻すために不可欠な改革を急ぐべきだ。

 政治資金規正法再改正案を含む政治改革関連3法案が今国会で成立する見通しになった。この中には、野党7党が提出した使途公開不要な「政策活動費」を全廃する法案が含まれ、与党の自民、公明両党も賛成に回った。

 政策活動費は政党から議員個人に支給され、自民では党幹部に億単位の巨費が渡っていた。6月の規正法改正では、野党側が廃止を求めたが、自民は使途公開の方向性については受け入れたものの、制度自体は存続された。

 使い道が不透明な制度の維持に固執した自民の姿勢が、先の衆院選での大敗の一因となった。不正の温床とされてきた政策活動費の全面廃止は当然だ。

 審議の過程で、自民は政党支出の相手を非公開にできる「公開方法工夫支出」の新設を提案した。外交上の秘密やプライバシーへの配慮が理由で、石破茂首相は支出の上限額を設けず、領収書も公開しないとの考えを示していた。

 野党から「第二のブラックボックス」などと批判され、公明党からも理解は得られず、新設は見送られた。与野党伯仲の国会がもたらした結果でもあるが、自民は政治改革への後ろ向きな姿勢を露呈した格好だ。党内の旧態依然の感覚が、民意と大きな隔たりがあることを自民は肝に銘じるべきだ。

 これまで長く放置されてきた、国会議員に月額100万円支給されている調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)も見直し、使途公開と残金の国庫返納を義務付けることになった。

 しかし使途の公開や返納の方法、政治資金の流れを監視するため国会に設置される第三者機関の組織体制などは今後の議論に委ねられた。透明性の確保が最重要だ。与野党には、抜け道や不正を許さない仕組みの構築を求めたい。

 最大の焦点とされた企業・団体献金については、来年の通常国会で協議し、年度内に結論を得ることになった。野党が「政策決定がゆがめられてきた」などと禁止を求めたが、自民は、企業にも政治活動や表現の自由が保障されているとして譲らなかった。

 立憲民主党は、企業などが自由意思で結成した政治団体の寄付は献金禁止から除外する案を示し、共産党は全面禁止を訴えるなど各党の主張は異なる。与野党が全廃という一致点を見いだした政策活動費と同様に、国民感覚とずれのない結論を求めたい。 

 元稿:福島民友新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月20日  08:03:00  これは参考資料です。転載等は、各自で判断下さい。
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【政界地獄耳・12.14】:補正予算案の衆院通過での同床異夢を続けられるか

2024-12-20 07:40:20 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【政界地獄耳・12.14】:補正予算案の衆院通過での同床異夢を続けられるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・12.14】:補正予算案の衆院通過での同床異夢を続けられるか

 ★12日の衆院本会議で補正予算案は一部修正の上、自民・公明両党に加え、野党の日本維新の会、国民民主党も賛成・可決された。立憲民主党代表・野田佳彦は「約束したことが果たされるかどうか、わからない中で決断してしまい、だまされなければいいなと思う」とけん制したが、それは立憲民主党が野党を取りまとめられなかった悔しさも含まれるだろう。13日、政府・与党は防衛力強化の財源を確保の増税について、所得税の増税開始時期の決定を先送りする方針を固めた。全体的には野党の意見を反映させた自民党という構図だが実態は個別野党に配慮して補正予算を上げたといえる。

 ★自民党議員が言う。「少数政党の国民民主党と組んでいても、野党第1党の立憲を巻き込まないとならないし、日本維新の会共同代表・前原誠司がいるおかげで維新も巻き込めた。各野党の顔を立てながら進めていくのはこの国会でのお互いの練習だ。来年の本予算のためにはこのくらいの努力は必要」。一方、ある野党議員は「この程度のあんこで各党が物分かり良く補正に賛成するわけでもない。もちろん補正予算だということもあるが、何か別の思惑が隠されているのではないか」と疑問を呈す。

 ★自民党は野党共闘の阻止が目的。この程度の駆け引きなら簡単だろうが自民党が力をつけ、自信を取り戻せば当然、来夏の参院選挙を衆院選とのダブル選に持ち込んで一気に安定与党に戻したい。そのためのサービス路線なのではないか。それならば全体像が見えてくるようだが自民党議員が言う。「当然、党内には完全与党復帰の青写真があるだろう。だが簡単ではないのが都議会議員選挙、参院選に衆院選となれば首相・石破茂(党総裁)でトリプル選を戦うのかという悩ましい命題が浮かぶのと、そんなトリプル選挙は公明党が大反対する。そこをまとめ上げることができるネゴシエーターが党内にいるのか」という問題。補正予算審議衆院可決での同床異夢を続けられるか。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年12月14日  07:58:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.20】:裏金で政倫審 証人喚問で真相の究明を

2024-12-20 06:05:50 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・12.20】:裏金で政倫審 証人喚問で真相の究明を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.20】:裏金で政倫審 証人喚問で真相の究明を 

 実態解明はまたも進まなかった。だからといって裏金事件の幕を引いてはならない。

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、政治資金収支報告書に不記載があった旧安倍派、旧二階派の計19人が衆参両院の政治倫理審査会に出席した。

 いずれも公開で1人が1時間程度、弁明して質問に答えた。新たな証言はない。

 この問題が決着しない理由は明白だ。裏金づくりを誰がいつ、どういう理由で始め、何に使ったのか。肝心なことが分かっていないからだ。

 特に派閥の意思決定に関しては、そろって知らないと言うばかりだ。旧安倍派の稲田朋美氏は「派閥の多くの議員は幹部の決めたことに従っただけだという意識がある」と述べた。違法性の認識はなかったという。

 他の議員も「裏金をつくる意図はなかった」「秘書から報告がなかった」と釈明し、知らぬ存ぜぬを繰り返した。

 会計処理に疑問を持ったにもかかわらず、結果的に放置していた議員もいた。無責任と言うほかない。

 衆院の政倫審は15人、参院は4人が出席した。自民は来年夏の参院選に影響が及ばないように、早く区切りを付けたいのだろう。出席に消極的な議員を党執行部がせき立てるようにして、開催にこぎ着けた経緯がある。

 当該議員からは、党や内閣の役職に就けないことへの不満が出ているという。政倫審での説明は最低限の責務である。「みそぎ」になると思ってはならない。

 旧安倍派の萩生田光一氏は2003年の衆院初当選時に派閥事務総長から、パーティー券の販売ノルマ超過分を政治活動費として返すとの説明を受けたと証言した。

 パーティー券の販売収入を還流させる方法で、20年以上前から裏金をつくっていたことがうかがえる。当時の派閥会長は森喜朗元首相だ。

 還流については、安倍晋三元首相が派閥会長だった22年4月に中止を指示した。再開したのは、安倍氏が死去した後の8月にあった幹部会合後とみられる。

 幹部会合に出た塩谷立、下村博文、世耕弘成、西村康稔の各氏は今年3月の政倫審で「結論は出なかった」と述べた。一方、派閥の会計責任者は公判で「復活が決まった」と証言している。

 野党は証言の食い違いを指摘し、自民に再調査を要求しているが、石破茂首相は「新たな事実が出たとは認識していない」とかわす。これまでと変わらず、自民が進んで解明する意欲は見えない。

 裏金事件が発覚して1年になる。貴重な国会審議の時間をこの問題ばかりに費やすわけにはいかない。

 来年1月からの通常国会で決着をつけたい。偽証罪に問われる可能性のある証人喚問で森氏、幹部会合の出席者4人、会計責任者に説明を求めるべきだ。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月20日  06:00:00  これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。

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【主張②・12.20】:衆参政倫審 還流の真相解明を尽くせ

2024-12-20 05:03:40 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【主張②・12.20】:衆参政倫審 還流の真相解明を尽くせ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張②・12.20】:衆参政倫審 還流の真相解明を尽くせ 

 衆参の政治倫理審査会が開かれ、自民党の派閥パーティー収入不記載事件に関係した旧安倍派と旧二階派の議員が弁明に立った。

 多くの議員が資金管理を秘書らに任せていたと説明した。パーティー券の販売ノルマ超過分の還流をめぐる真相の解明は進まなかった。

衆院政治倫理審査会で質問に答える萩生田光一氏

 旧安倍派の萩生田光一氏は衆院政倫審で、平成15年の衆院初当選時に派閥事務総長から、ノルマ超過分を返すとの説明を受けたと発言した。当時の派閥会長は森喜朗元首相だった。

 16年には、ノルマ超過分を政治資金収支報告書に記載しないことになっていると、派閥事務局長から事務所担当者に説明があったとも証言した。

 少なくとも約20年前から還流と不記載が行われていたことを裏付けるものだ。長期にわたり自浄作用が働かなかったことを、旧安倍派と自民は改めて深刻に受け止めねばならない。

 関芳弘氏は令和4年春頃、派閥会長だった安倍晋三元首相に「法的に問題はないのか。あるなら運用を改めるべきではないか」と相談したと明かした。安倍氏は賛同したという。

 還流をめぐっては4年4月の同派幹部会合で、安倍元首相の意向を踏まえ、一旦停止が決まった。だが、安倍氏の死去後に再開された。派内の反発があったためだが、具体的な経緯は不明なままだ。

 有罪が確定した旧安倍派事務局長の松本淳一郎会計責任者は公判で、還流再開は4年8月の幹部会合で決まったと証言した。同派元幹部は今年3月の衆院政倫審で「結論は出なかった」と語るなど食い違いがある。松本氏は「ある幹部から還流再開の要望があった」ため会合が開催されたとも述べたが、幹部の名を明かさなかった。

 萩生田氏は政倫審で「過去に遡(さかのぼ)って、分かる人がもう少し説明する必要がある」と語った。事情を知りながら、口をつぐんでいる関係者はいるだろう。

 東京地検特捜部が強制捜査を開始した昨年12月19日から1年が経(た)った。いつ誰が、何の目的で還流と不記載を常態化させ、なぜやめられなかったのか。

 通常国会と臨時国会で、政倫審を何度繰り返しても、一向に実態が分からないようでは国民の不信は拭えまい。事実を明らかにする責任が旧安倍派と自民にはあるはずだ。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年12月20日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.19】:政治改革3法成立へ 「穴」ふさぐ議論継続を

2024-12-19 04:01:50 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・12.19】:政治改革3法成立へ 「穴」ふさぐ議論継続を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.19】:政治改革3法成立へ 「穴」ふさぐ議論継続を

 政治資金規正法再改正案を含む政治改革3法案が成立する見通しだ。与野党の賛成多数で衆院を通過し、きのう参院での審議に入った。 

 このうち一つは野党7党が提出した、政策活動費を全廃する政治資金規正法の改正案だ。

 政策活動費は政党から議員個人に支出される。使途公開の義務がなく、自民党では歴代幹事長に毎年10億円前後が支出されていることが問題視されてきた。

 しかし6月の規正法改正で自民は、強い批判を浴びながらも温存を図った経緯がある。再改正の声が高まる中、今国会でも政党の資金支出先を一部非公開にできる独自法案を提出していた。野党の強い反発を受けて断念せざるを得なくなった形だ。

 先の衆院選で自民は大敗し、公明党とともに少数与党に転落した。「政治とカネ」の問題を契機に自公政権への強い不信感を示した民意が、与党を大幅な譲歩に追い込んだと言えよう。

 政治資金全般を監視する第三者機関の設置法案は国民民主党と公明が提出し、自民や野党が賛成。外国人と外国法人の政治資金パーティー券の購入禁止や政治資金収支報告書のデータベース化などを盛り込んだ法案は自民が提出し、公明と野党が賛成した。

 詳細な制度設計はこれからだが、政治資金の透明性確保に向け与野党が互いに歩み寄り合意に至った。新しい政治の形として歓迎したい。

              ■    ■

 一方、野党4党派で提出した企業・団体献金の禁止法案に関しては自民が抵抗し、採決は見送られた。

 立憲民主党が「改革の本丸」と臨んだものの、政治団体からの献金を巡り批判が出て、野党の足並みがそろわなくなった。

 ただ、献金元の意向に沿い「政策がゆがめられる」との懸念は根強い。共同通信の世論調査でも「禁止すべきだ」との回答が過半数に達している。

 自民がそれでも維持するというのであれば、石破茂首相には次期国会で説得力ある答弁が求められる。

 今国会では、裏金事件に直結する政治資金パーティーの規制強化についてほぼ俎上(そじょう)に上らなかった。野党内にもパーティー収入に依存する議員がいることが背景にある。

 だが裏金事件で議員らの順法意識の欠如が露呈したことを考えれば、メスを入れる必要があるだろう。

              ■    ■

 国会では裏金関係議員を対象にした政治倫理審査会も始まっている。

 しかし、これまで出席した議員らからは派閥幹部や事務局に従っただけとの発言が相次ぎ、実態解明につながる証言は出ていない。

 過去の政倫審では旧安倍派幹部が説明責任を果たしたとは言えない態度に終始した。

 今回も同様の結果に終わるようであれば、国民の信頼回復は遠い。

 与野党が伯仲する緊張感の中で、民意を反映した政治改革を前に進めなければならない。

 元稿:沖縄タイムス社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月19日  04:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【自民党】:企業・団体献金禁止に懸念 立民「代替で交付金導入」と主張

2024-12-18 10:58:30 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【自民党】:企業・団体献金禁止に懸念 立民「代替で交付金導入」と主張

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【自民党】:企業・団体献金禁止に懸念 立民「代替で交付金導入」と主張

 使途公開不要な政策活動費を全廃する政治資金規正法再改正案を含む政治改革関連法案は18日の参院政治改革特別委員会で趣旨説明が実施され、審議入りした。自民党は企業・団体献金を禁止すれば「官製政党の趣が強くなる」と懸念を表明。立憲民主党は、政党交付金は企業・団体献金禁止の代替措置として導入されたと主張し、見解の相違が改めて浮き彫りになった。

 国会で開かれた参院政治改革特別委=18日午前

 国会で開かれた参院政治改革特別委=18日午前

 自民は、日本では個人献金が根付いていないとして「一足飛びに企業・団体献金を禁止するのはリスクだ」とした。
 
 立民は、自民派閥裏金事件は企業によるパーティー券購入に端を発したと指摘。「企業・団体献金禁止の方向性を再確認すべきだ」と強調した。(共同通信)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政策・国会・自民党・使途公開不要な政策活動費を全廃する政治資金規正法再改正案を含む政治改革関連法案】  2024年12月18日  10:58:00  これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。

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【視点・12.18】:物足りない「石破論法」 国民へ具体的な言葉を  政治部・長崎高大

2024-12-18 06:15:50 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【視点・12.18】:物足りない「石破論法」 国民へ具体的な言葉を  政治部・長崎高大

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【視点・12.18】:物足りない「石破論法」 国民へ具体的な言葉を  政治部・長崎高大 

 「一番楽しみなのは予算委員会かな。国会答弁は好きなんだ」
 
 9月の自民党総裁選。投開票日の前夜、この時点では自身の当選を確信してはいなかったのかもしれないが、石破茂氏は番記者たちの前で冗談めかしてつぶやいた。
 
 8月に政治部へ異動し、最初の大きな仕事は、直後に本格化した総裁選だった。上司にどの候補を担当したいか聞かれた際、私は「石破さん」と即答した。自分の言葉で率直にものを言う姿勢に、多少なりとも好感を抱いていた。
 
 石破氏の番記者になってまず感じたことは、少なくとも総裁選の9候補の中では格段に取材機会が多いことだった。1日1回はテレビカメラの前で「オンレコ」の取材に応じ、2、3回とある日も珍しくなかった。もしかしたら「話し好き」という一面があるのかもしれないが、報道と、その背後にいる国民に向けて説明を尽くそうとする姿勢は見える政治家だと思った。
 
 首相に就任してからは「楽しみ」にしていた予算委員会で今のところ安定した答弁を見せている。目立った失言はなく、言葉に詰まることも少ない。官僚が用意した答弁原稿に目を落とさずに質問者とやりとりする場面も多い。
 
 首相周辺も「答弁内容の心配は全くしていない」と信頼を置く。首相から「答弁原稿はテレビを見ている高齢者にもわかるように」との指示があるそうで、自らもできるだけかみくだ...

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 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・視点】  2024年12月18日  06:00:00  これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・12.18》:政策活動費の全面廃止 改革の「宿題」残ったままだ

2024-12-18 02:01:50 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

《社説①・12.18》:政策活動費の全面廃止 改革の「宿題」残ったままだ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・12.18》:政策活動費の全面廃止 改革の「宿題」残ったままだ

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月18日  02:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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