埼玉県八潮市で県道が陥没しトラックが転落した事故で、県は1日、重機を穴の中に投入するためのスロープが完成したと明らかにした。建設業者の協力を得て、重機によるがれきなどの撤去作業を開始。運転手とみられる男性(74)の救助活動を進めた。

県道が陥没しトラックが転落した現場で進む、重機を投入するための工事=1日午前11時20分、埼玉県八潮市(共同)

 県や消防によると、スロープは幅約4メートル、長さ約30メートル。整備した後は、土木の専門家らが安全性を確認する。穴の中に重機を入れ、高さ8メートルほど積み重なったがれきなどを取り除いた上で、消防隊員らが手作業で男性を捜索する。

 現場では1日午前、複数のショベルカーが地面を掘り進めた。ヘルメットをかぶった数十人の作業員が、穴の内部の状況を確認しながら慎重に活動を続けた。

 県によると、穴の中には大量の水が流入し、救助の妨げになっていたが、1日朝の時点でほぼ止まった。地下で破損した雨水管から川の水が逆流した可能性があり、県はコンクリートを流し込んで管をふさぐなどして対処した。

 事故は1月28日午前に発生。30日未明には、二つの穴が一つにつながった。消防によると、穴の大きさは幅約40メートル、深さ最大約15メートル。

 陥没は現場の地下にある下水道管の破損が原因とみられ、県は管理や点検に問題がなかったかどうかを調査する第三者委員会を設置する方針だ。(共同)