【政界地獄耳・06.06】:連立の役割を保った公明、改革の党を強く押し出した維新 今国会後の行方は…
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・06.06】:連立の役割を保った公明、改革の党を強く押し出した維新 今国会後の行方は…
★今国会では政治資金規正法改正案の成立が最大の焦点だったが、立憲民主党の敵失などあり、出来の悪い修正を続けて衆院可決のめども立った。公明党は支持母体の創価学会の名誉会長・池田大作の死去によって党内がざわついていたが、自民党に同調して政治資金に甘いと思われると具合が悪く修正に大きく関与、連立の役割を保った形だ。日本維新の会も改革の党を強く押し出し一定の手柄を国民に見せることに成功。決して有効性のある、褒められた改正案ではないが、自民党に対してくさびを打つ効果はあった。
★両党が自民党を支えるように見えるが、選挙となるとなかなか簡単ではない。総選挙後、内閣を編成すると閣僚、副大臣、政務官など100人からの与党議員が内閣にとられ、議会の常任委員長などで30人が必要となる。参院や民間人を加えたとしても、この数を抜いても過半数を維持しなくてはならない。現実的には自公以外の野党の与党入りが必須になる可能性がある。さすがに早期解散の可能性が薄らいだだろうが、首相・岸田文雄は解散の時期が狭まることで厳しい政権運営を余儀なくされる。可能性としては秋の自民党総裁選後から来年の1月の冒頭解散が現実的になる。来年は夏に都議会議員選挙、参院選挙がある。それを外すとおのずとそのタイミングが現実的だ。
★ただ、公明党は総選挙で選挙区調整をして自民党とともに選挙に臨むが、比例での当選が多い維新はそうなると、事前の選挙調整はむずかしい。選挙では野党の立場で与党に臨むだろうから、選挙後、しれっと連立入りするのも容易ではないが、ほかに方法がない。先月23日、同党代表・馬場伸幸は次期衆院選で自民、公明両党の議席が過半数を割った場合の対応について、政権への「連立入り」、閣僚を出さない「閣外協力」、「パーシャル(部分)連合」の可能性に言及している。ただ、小選挙区が強い大阪はともかく、そのほかの地域の議員や参院議員の理解が得られるか、かじを切れば維新は分裂の危機をはらむ。なかなか悩ましい。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年06月06日 07:47:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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