路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【主張】:資産所得倍増計画 家計の蓄えを株対策に使うな

2023-06-29 04:15:45 | 【政策・閣議決定・骨太方針・国の基金・愚策、マイナカード・2025大阪万博他】

【主張】:資産所得倍増計画 家計の蓄えを株対策に使うな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:資産所得倍増計画 家計の蓄えを株対策に使うな 

 岸田文雄政権が閣議決定した「新しい資本主義」の実行計画は「分厚い中間層の形成」をめざして「資産所得倍増プラン」を掲げます。日本の家計の金融資産2043兆円のうち株式や投資信託が300兆円程度にとどまっているので、1107兆円の現金と預貯金を投資に振り向け、投資家数と投資額を倍増するという計画です。家計の金融資産の多くが預貯金なのは、社会保障や公的な教育支援が貧弱なため、元本保証があり、いつでも引き出せる蓄えを持つ必要があるからです。「中間層」を増やすのであれば、賃金や年金を引き上げるべきです。

 ■恩恵はもっぱら富裕層に

 日本証券業協会が2021年、7000人の個人を対象に行った「証券投資に関する全国調査」によると、金融資産を預貯金で持っている人が92%でした。株式は14%、投資信託は11%です。保有の目的は「将来・老後の生活資金」69%、「将来の不測の事態への備え」38%、「子どもや孫の教育資金」28%でした。(いずれも複数回答)

 「証券投資が必要とは思わない」は69%で、理由では「損する可能性がある」が44%と最も多くを占めました。

 実行計画は「知識不足に伴う懸念が大きい」としていますが、庶民は損失もありうる証券投資のリスクを考えて、低金利でも預貯金で資産を形成しています。

 岸田首相は就任前、「令和版所得倍増」を掲げていました。政権に就いた後、この言葉は消え「資産所得倍増」にすり替えられました。

 資産所得倍増は、所得ではなく、株などの投資収益を増やすことです。投資に回せる“余裕資金”を持たない人にとって無縁のもうけ話です。

 岸田政権が「貯蓄から投資へ」の旗を振るのは、家計の資産を金融市場に投じて大企業の株価をつり上げるためです。

 実行計画は「家計の資金が企業の成長投資の原資となれば、企業の成長が促進され、企業価値が向上する」とし、企業価値が向上すれば家計の金融資産がさらに増えると描きます。投資で利益が出るとは限りません。実際には証券市場に家計のお金をつぎ込むことが目的です。

 証券投資で大きくもうけるのは資金力のある富裕層です。しかも株取引で得た利益には優遇税制があり、富裕層ほど恩恵を受けています。所得が1億円を超えると所得税の負担率が下がってしまうのはこのためです。

 岸田首相が以前掲げた「1億円の壁の打破」「金融所得課税の強化」は完全に投げすてられています。政治がなすべきことは不公平税制を是正し、税を払える能力に応じて負担を求めることです。

 ■賃上げこそ政治の責任

 インフレは預貯金を目減りさせ、国民を苦しめています。2%の物価上昇を目標とする「異次元の金融緩和」はやめるべきです。

 国民の所得を増やすために何よりも必要なことは、中小企業への抜本的支援と一体に賃金を引き上げることです。500兆円を超える大企業の内部留保に課税し、これを財源に、中小企業の賃上げを支援することが不可欠です。社会保障の削減や負担増をやめ、安心して暮らせる社会をつくることが欠かせません。

 元稿:しんぶん赤旗 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】 2023年06月28日  04:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 


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