【天風録】:「余震」それとも「予震」?
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:「余震」それとも「予震」?
夜中にふと目が覚めてテレビをつけると、福島県沖で地震があったとの臨時ニュースだ。都内のスタジオにいるアナウンサーにヘルメットをかぶせた局もある。大げさだなと独りごちた途端に息をのんだ。何と、東北新幹線が脱線している
▲マグニチュード(M)7・3との速報に11年前を思い出す。東日本大震災の2日前のこと。三陸沖で同じ7・3の地震が起き、60センチの津波が押し寄せた。まさか今回も最悪の事態を招く予兆だろうかと、不安がよぎる
▲一夜明けたきのう、M7・4へと修正され、最大震度6強のすさまじい被害が少しずつ明らかに。何かの予兆どころではなかった。脱線した新幹線の乗客は「体も車体も宙に浮いた」
▲今回の震源地や三陸沖は東日本大震災の余震域とされてきた。しかし気象庁は震災10年の昨年春から「余震と考えられる」との発表は取りやめたそうだ。余震かどうかの判断が難しい上、いつか必ず来る次の本震にしっかり備えてほしいためという
▲地震列島に暮らす私たちは、アナウンサーのヘルメット姿に驚くいとまはなさそう。大地が少しでも揺れたら何かの「予震」に違いないと、大げさに構えた方がいいのかもしれない。
元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】 2022年03月18日 06:46:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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