路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【東洋経済オンライン セレクション】:4月PayPay参戦「ポイント5強時代」のすごい様相

2022-04-08 11:01:50 | 【金融・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【東洋経済オンライン セレクション】:4月PayPay参戦「ポイント5強時代」のすごい様相

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東洋経済オンライン セレクション】:4月PayPay参戦「ポイント5強時代」のすごい様相 

 日本人は「ポイント好き」と言われる。実際、財布やスマホの画面がポイントカードやアプリでいっぱいという人は少なくない。

 特に貯(た)めている人が多いのが「共通ポイント」だろう。かつて、ポイントとはショップ独自のものだった。その代表が家電量販店のポイントで、オトクだが自社でしか使えない。ところが特定の1社だけでなく、業種や業態も異なる多様な店で「共通」に貯まり、使うことができるポイントが登場した。

5大共通ポイント時代の勝者はどうなる?

    5大共通ポイント時代の勝者はどうなる?

 さきがけは、ご存じTポイント。その後にPontaが登場し、さらに楽天ポイント(当時は楽天スーパーポイント)がオンラインからオフラインの場に共通ポイントとして参入。続いてドコモが付与するdポイントが加わり……と、共通ポイント界は百花繚乱(りょうらん)に。中には「全部貯めています」というツワモノもいるだろう。

 しかし、4月からここにもう1つ、強力な「ポイント」が加わった。PayPayポイントだ。PayPayといえば2018年のサービスイン以降、「100億円あげちゃう」を始めとする高還元率キャンペーンを頻発し、黎明(れいめい)期のスマホ決済市場を一気に刈り取っていった。これまでPayPayが決済に対して付与していたのは、ポイントではなく「PayPayボーナス」という名称だった。

 実質ポイントと同義語だったとはいえ、こうした記事を書く時にはすっきりしなかったものだ。しかし、いよいよPayPayポイントとしてお披露目を迎えた。共通ポイントは名実ともに5強の時代を迎える。

 ■「ポイント経済圏」としては方向が違う?

 名称を改めると同時に、ECでのポイント付与も変更された。これまでヤフーなどオンラインサービスの利用ではPayPayボーナスとともにTポイントが付与されてきたが、それが終了しPayPayポイントに一本化。

 以前はキャンペーンで「3%還元」とアピールしても、3%のうち1%がT、2%がPayPayボーナスだったのが、そのねじれが解消され、3%がまるまる還元される。単純にもらえるポイントが1%増えることになり、お得感も増す。

 日本で最も使われているスマホ決済の地位を固めたうえでの、この転換。クレジットカード「PayPayカード」の発行を開始し、いよいよ「PayPay経済圏」が回りだすのだろう。

 意識しているのは「楽天経済圏」に違いない。楽天IDの数は約1億と、日本の人口の約8割をカバーする数字で、年間ポイント発行額は5300億(2021年度)で、地方自治体の予算かとも見まごうものだ。

 「楽天経済圏」の要は、楽天カードと、それを軸にした付与倍率アップの仕組みである「スーパーポイントアッププログラム」(SPU)。楽天のサービスを利用してもらえばもらうほど付与率がアップし、また銀行・証券・保険などのグループ金融機関のクロスユースで、さらに貯まる仕組みを作り上げた。

 ポイントが貯まれば、利用者はまたそれを使ってくれる。新たな消費に対し、さらにポイントをつければ、永遠に自社の経済圏にいてくれるというわけだ。ポイントを仮想通貨と見立てれば、楽天ポイントは日本で最も取引量が多いデジタル通貨と言えるのではないか。

 しかし最近、その楽天経済圏はネガティブな話題に上がることが多い。ポイント付与の条件が変更になったり、これまでSPU対象だったサービスが入れ替わったり、「改悪か」とささやかれることが増えた。4月からはポイント対象となる金額を消費税込み金額から消費税を抜いた金額に変更した。10%分相当のポイントが減ることになり、経済圏の住民からは今後を危惧する声も上がっている。

 楽天の強みは、なんといってもECだろう。楽天市場、トラベル、ブックス、デリバリー、ラクマ等を含む2021年度の国内EC流通総額は5兆円を達成した。共通ポイントとはいえ、自社のサービスを訪れてくれる客がメイン顧客といっていい。

 対してPayPayは、決済そのものが大きな軸となる。他のポイントとは違い、物理的なポイントカードは発行されない。カード提示のみでは貯められず、あくまで決済に伴うポイントとして付与されるので、使えば使うほど貯まる。また、使用される場はYahoo!ショッピングやヤフオクなどのオンライン決済もあるが、どちらかと言えば実店舗の加盟店での使用が多い。キャンペーンもそれを意識して次々打ってきた。特に、モバイル決済を押さえている点は大きい。

 Pontaや楽天ポイントも、それぞれauPAY、楽天ペイという決済アプリの残高としても使えるが、このジャンルのトップはPayPayが固めている。そうなると、経済圏の方向も違ってくるだろう。使う場所はリアルなのか、オンラインなのか。そのライフスタイルによって、消費者はどちらの経済圏が自分に向いているか判断できるのではないか。

 ■リアル店舗にシフトする楽天の一手

 3月10日に楽天は新しい事業戦略を発表した。これまで「楽天西友ネットスーパー」で協業してきた西友と、実店舗でも楽天ポイントを介したデジタルマーケティングに取り組む。4月26日からは楽天ポイントカードが西友全店で使えるようになり、店舗での買い物に使えるポイントとして貯まるようにもなる。

 スーパーやドラッグストアに行くとわかるが、買い物客はせっせと店のポイントを貯めるものだ。西友は、その店でしか使えないポイントではなく楽天ポイントを選んだ。特に実店舗の利用客は60代70代も多いという。そうした客に、楽天ポイントと親しんでもらうきっかけにもなるだろう。高齢層が多く利用するドラッグストアも、楽天ポイント導入済みチェーンは多い。リアル店舗同士でのクロスユースも期待できる。

 かつて共通ポイントと言えば、コンビニが主戦場だった。Tポイントはファミリーマート、Pontaはローソン・dポイント、楽天ポイントは今はなきサークルK・サンクスというように、1社ずつの縛りもあった。そんな中、スーパーは本来独自のポイントをつけていたため、共通ポイント導入は遅れていたが、徐々に増えてきている。Tポイントはマルエツや東武ストア、Pontaはライフや成城石井、dポイントはライフ、そして楽天は東急ストアと今回の西友とのスタートだ。

 現在、私たちの暮らしに欠かせない食品の値上げぶりがすさまじい。食品メーカーが発表する価格改定のお知らせで、1冊本ができそうなほどだ。そんな中、生活必需品の購入に使えるポイントは、立派な節約ツールとなるだろう。

 付与する事業者側としても、身近な小売店でデイリーに使ってもらえるのは大きいし、購入データも蓄積できる。楽天と西友の協業は、まさにこうしたデータを今後のマーケティングに生かす狙いがある。今後の共通ポイントの主戦場は、徐々にスーパーやドラッグストアなどの生活消費の場に移っていくと筆者は予想している。

 ■気になるTポイントの行方は

 無論、他のポイントの動きも騒がしい。携帯会社という強固な後ろ盾があるau×Pontaは金融機関との連携で付与機会をアップ、dポイントもポイント獲得ステージを6月にリニューアルと、淡々と自社の経済圏を構築している。

 こう見ていくと、Tポイントの行方は大いに気になる。ファミリーマートとの蜜月も終わり、ECではヤフーとも離れることになった。Tカードの会員数は7068万人(2021年3月末。名寄せ後の利用会員数)おり、ウエルシアで20日にポイントを使うと1.5倍分の買い物ができる「ウエル活」は相変わらず主婦に人気だ。

 ECでの大黒柱は失ったとはいえ、共通ポイントとしての歴史は古いだけあり、貯められる店舗は多い。それこそ、強力な小売りチェーンの提携を強めれば、リアルの場で存在感を発揮することはできると思う。

 PayPayボーナスが名実ともに「ポイント」となり、T、Ponta、楽天、dに加えて5大共通ポイント時代が本格化する。そこにnanacoやWAON POINTという流通系ポイントも加わるわけだが、消費者としては「家計節約に最も使える」ポイントは何かという視点が欠かせない。

 「ポイント経済圏」にエントリーすると、いかにたくさん貯めるかばかりが話題となり、高還元率キャンペーンについ注目が集まるものだ。しかし、ポイントを通貨に例えるなら、それぞれ別の国(経済圏)の通貨なので合算することができない。

 ポイ活そのものが趣味という人以外は、生活必需品の購入に使いやすいポイントをメインに据えるといいだろう。スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどで、どんなポイントが便利に使えるのか。それが楽天であれ、PayPayであれ、Tであれ、それがあなたにとっての正解になるはずだ。【松崎 のり子 : 消費経済ジャーナリスト】

 ■東洋経済オンライン セレクション

 経済ニュースサイト『東洋経済オンライン』とニッカンスポーツ・コムの連携企画です。東洋経済オンラインのセレクト記事を毎週掲載します。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・東洋経済オンライン セレクション】  2022年04月08日  11:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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