【天風録・12.13】:人生の1文字
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・12.13】:人生の1文字
相次いだ汚職政治家をなじる「貪」を、今年の代表字に選んだ台湾で異変があった。野球にちなむ字を追加候補に望む声がどっとあふれた。投票の期間中、国際大会「プレミア12」で台湾が頂点に立ったからである
▲さもあろう。年の瀬には遠く、1年を振り返るのはまだ早い気がする。突拍子もない「戒厳令」の混乱で先が見えない韓国といい、50年以上続いた独裁政権が瓦解(がかい)したシリアといい、世界は「一寸先は闇」を地でいく
▲幸か不幸か、この国ではさほど代わり映えのせぬ日常が続く。きのう発表の「今年の漢字」でも、五輪イヤーの定番となった「金」がまたもや一番多くの票を集めた。これを安定というのだろうか
▲少なくとも安心の社会には遠く及ぶまい。能登半島地震で明け、災害級の猛暑にも長く見舞われ続けた。人でなしの闇バイト強盗におののき、未来を託す政治には裏金議員が巣くう。賃金は物価の上昇に追い付かない
▲「自分を漢字1文字で表すと?」。就職活動の学生には面接で、そんな質問も飛んでくるらしい。むしろ人生の終活に向け、大事な問いだろう。「わが一生を1文字で表せば…」。何を残し、捨てるか。大掃除の腹が決まる。
元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】 2024年12月13日 07:00:00 これは2自で判断下さい。
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