【それでもバカとは戦え・02.02】:自民派閥の裏金追及を機に「野党もダメ」という思考停止から卒業する時期だ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【それでもバカとは戦え・02.02】:自民派閥の裏金追及を機に「野党もダメ」という思考停止から卒業する時期だ
毎日新聞の全国世論調査(1月27、28日実施)によると、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、疑いを持たれている派閥幹部が説明責任を果たしていると思うか尋ねたところ、「果たしているとは思わない」が91%、「果たしていると思う」は、わずか4%だった。それはそうだろう。普通に考えれば理解しようがない。
鋭い追及を展開(立憲民主の小西洋之議員)/(C)日刊ゲンダイ
SNSには日本の将来について諦めムードが漂う投稿が多かった。「こんな大変な状況なのに野党がだらしなさすぎる」という趣旨の投稿もいくつかあった。私もそう思っていたが、立憲民主党、共産党が目が覚めるような追及をはじめた。
特に1月29日の小西洋之参議院議員の質疑は素晴らしかった。
小西は「繰り返されたトカゲのしっぽ切りで、長年、忠節をもって働いてこられた方(秘書や派閥の会計責任者)だけが起訴され、政治家は起訴されない目を覆うような事態だ」「なぜそうなったのか。検察が権力に屈してしまったんだと思うが、まだ事態は動いている。岸田総理の手で事件の深層を葬り、受けるべき犯罪の処罰を受けず、納税の義務を回避し、脱税にお墨付きを与えようとしている」と指摘。
その通りとしか言いようがない。要するに、“話をごまかすのはいい加減にしろ、おまえらは犯罪者ではないか”ということだ。政治資金規正法の改正、派閥の解消、連座制の導入など、それはそれでやればいいが、現行法を普通に適用すればいいだけの話。そういう国を法治国家と呼ぶ。
さらに小西は政治資金収支報告書の訂正内容への外部監査が必要だと主張。岸田は「検察は捜査を行い、法と証拠に基づいて処理すべきものは厳正に処理したと認識している。この判断は重い。それに基づいて報告書の修正が問われているものと承知している」と外部監査には触れなかった。
今回、小西は派閥が議員にキックバックすることも議員がそれを受け取ることも犯罪であるのにそれを検察が捜査していない(と思われる)こと、議員個人の資金であれば納税の義務があるが、収支報告書の訂正により「政治団体の資金」としてマネーロンダリングがなされようとしていることを具体的に指摘。「自民党もダメだが野党もダメ」という思考停止からわれわれも卒業する時期にきている。
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元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載「それでもバカとは戦え」】 2024年02月02日 17:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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