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【HUNTER・08.20】:【速報】ヤジ排除国賠、上告棄却|札幌高裁の「半分勝訴」判決が確定

2024-08-25 06:25:50 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・再審請求)、刑法39条】

【HUNTER・08.20】:【速報】ヤジ排除国賠、上告棄却|札幌高裁の「半分勝訴」判決が確定

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・08.20】:【速報】ヤジ排除国賠、上告棄却|札幌高裁の「半分勝訴」判決が確定 

 2019年7月に札幌で起きた首相演説ヤジ排除事件をめぐり、排除被害を受けた市民らが地元警察を訴えた国家賠償請求裁判で、当事者双方の上告が退けられたことがわかった。一審原告2人のうち1人への排除が違法・違憲と認められた昨年6月の控訴審判決(既報)が維持され、原告側の「半分勝訴」が確定した。決定は8月19日付。

 ◆   ◆   ◆

 既報の通り、ヤジ国賠訴訟は札幌地方裁判所(廣瀬孝裁判長)で原告全面勝訴判決が言い渡されたが、一審被告の北海道警察が控訴したことで争いが継続。二審の札幌高裁(大竹優子裁判長)は、道警による一審原告の桃井希生さん(29)への排除行為やつきまとい行為を違法とした地裁判決を維持しつつ、もう1人の原告・大杉雅栄さん(36)への排除行為を適法だったとする一部逆転判決を出し、これに当事者双方が上告していたところだった。

 19日の決定で最高裁第一小法廷(深山卓也裁判長)は、桃井さん事件について道警の「上告受理申し立て」を「受理すべきものと認められない」と退け、大杉さん事件についても大杉さんの申し立てを退けた上で、同じく「上告」を棄却した。(*下の文書参照)

 これにより札幌高裁の二審判決が確定し、安倍晋三総理大臣(当時)の演説中に「増税反対」などと叫んだ桃井さんへの警察の排除・つきまとい行為が違法・違憲と認められた一方、「安倍やめろ」とヤジを飛ばした大杉さんへの排除行為は違法認定に至らなかった。

 決定を受けて20日午後に札幌市内で記者会見した大杉さんは「ちょっとでも判断が変わればと思っていたので、やはり残念」と話しつつ、裁判を提起したことの意義を次のように語った。

 「争いを通じてずっと言ってきたのは『ヤジは表現の自由で認められていて、不当に排除できない。選挙妨害にもあたらない』という主張。裁判ではこれが全体として認められたので、自分の部分で敗けたとしてもそれを『別のこと』として切り離す必要はないと思う」

 形として全面勝訴が確定した桃井さんは「1人だけ排除が違法と認められても複雑な思い」と吐露しながら、自身の勝訴判決について一審被告の道警・道へ次のような註文を述べた。

 「排除行為が違法と認められた以上、道警は内部できっちり関係者を処分すべき。何もなしというのは、ちょっとあり得ない。また鈴木直道知事は排除の現場にずっといたはずなので、ちゃんと表現の自由について学び、道警主導で裁判を進めたことを真摯に反省して欲しい」

 会見に立ち会ったヤジポイ弁護団の小野寺信勝弁護士(札幌弁護士会)は、今回の決定について「大杉さん事件で札幌高裁の非常識な事実認定が覆らなかったことは評価できないが、桃井さん事件で判断の枠組みが崩れなかったことは、よい前例ができたという意味で評価できる」とした。

 同じく齋藤耕弁護士(札幌)は「本来きちんと警察を指導・監督すべきだった公安委員会が、この裁判では一審判決を読まずに控訴を了解するなど、何ら警察をコントロールできていなかった」と指摘、道公安委員長が引責辞任してもおかしくない事態だと批判した。神保大地弁護士(札幌)も「ヤジ排除では、検察への告訴告発、検察審査会への審査申し立て、地裁刑事部への付審判請求と、刑事司法手続きがことごとく否定された。ところが民事(国賠訴訟)では排除の違法性が確定し、刑事の対応が不適切だったことがあきらかにされた」と、国賠提訴前の各機関の対応を改めて批判した。

 排除事件発生から丸5年、国賠提訴からは4年半を経て確定した司法判断。当事者の桃井さんは、改めて「ぜひ判決文や証拠動画などを観て欲しい」と呼びかけ、訴訟の意義を強調。大杉さんは「結果として敗けたけれど、終わったこと自体はよかった。これからは静かに暮らしたい」と笑わせた。

 ヤジ国賠で大杉さん実質敗訴を決定づけた札幌高裁は、演説現場で大杉さんが与党関係者に暴力を振るわれ、警察はそれを止めるために大杉さんを排除した、という「非常識な事実認定」で当事者らを大きく呆れさせることとなった。同判決を言い渡した当時の大竹優子裁判長はその直後、札幌家裁所長に「栄転」したことが伝わっている(⇒参考)。(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【裁判・ヤジ排除事件・北海道警の疑惑】  2024年08月20日  19:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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