【主張②・12.17】:中学生殺傷 絶対に検挙すべき事件だ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張②・12.17】:中学生殺傷 絶対に検挙すべき事件だ
これは絶対に犯人を検挙しなければいけない。決して逃走を許してはならない事件だ。警察には一刻も早い犯人逮捕を望みたい。
北九州市小倉南区のファストフード店内で14日夜、レジに並んでいた中学生の男女2人がいきなり男に刃物のようなもので腹や腰を刺され、女子生徒が失血死、男子が重傷を負った事件である。
中学生が刺される事件があったファストフード店 =15日未明、北九州市小倉南区
犯人の男は大胆にも顔を隠すことなく2人にまっすぐ近づき、無言で立て続けに1回ずつ刺し、そのまま店を出て、歩いて逃げた。わずか30秒間の犯行だったとされる。
40歳ぐらいの犯人は店内を物色することなく、終始無言のままで、犯行の様子を直接目撃した店員はいなかったという。
被害者の中学生2人は塾帰りだったという。男子生徒は犯人を「知らない人だった」と証言しているといい、現時点で接点は浮かんでいないようだ。
地域の人々だけでなく、報道に接した多くの人々がこの事件を「怖い」と感じたのではないか。不気味で冷酷な手口に加え、通り魔なのか、それ以外の動機なのか、背景の推測も難しい。何が目的なのか、いわゆる「筋の読めない事件」のため、社会不安は一層強まる。
店は以前から中高生ら若者が勉強や憩いに集まる場所だった。身近な日常空間を、凶行は瞬時に破壊した。断じて許されない。警察は犯人を逮捕し、動機など全容を解明し、類似犯罪の被害防止に努めたい。
凶悪事件はどれも検挙が責務だが、その中でも特に悪影響が強い「未検挙が絶対に許されぬ事件」というべきものがある。街で子供が殺されるなど、その最たるものだ。今回の事件もそういう重大事件である。
北九州市教委は高校の入試体験会など学校行事を中止し、不要不急や子供だけの外出を控えるよう呼びかけた。保護者らに登下校の同伴や通学路の見守りなどの協力を求めた。犯人は凶器を持ったまま逃走していることも考えられ、社会全体でこの事件の情報共有を進めたい。
今は体感治安が非常に悪化している時代だ。闇バイト強盗事件の被害拡大と犯行組織摘発が進まず、潜在的な不安が社会を覆っている。このうえ北九州の事件の捜査が長引けば、不安は一層強まってしまうだろう。刑事警察の正念場である。
元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】 2024年12月17日 05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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