【天風録・12.16】:チャンスの神様
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・12.16】:チャンスの神様
素早く捕まえないと、すぐどこかに飛び去ってしまう―。そんなチャンスや時間の神様「カイロス」がギリシャ神話に登場する。その名を冠したロケットの打ち上げが、きのう再び延期された
▲衛星を頻繁に打ち上げる「宇宙宅配便」の事業化を目指すスペースワン社の小型ロケット。準備万全でつかむはずのチャンスが、上空の思わぬ強風で、どこかに飛ばされたようだ。発射場のある和歌山県串本町では、宇宙への夢を膨らませていた見物人から残念がる声が上がった
▲3月には、カイロスの1号ロケットが飛び立って5秒後に爆発した。広島はじめ全国から駆け付けた宇宙ファンは言葉を失った。串本町挙げての支援も空振りに終わる。それでも、人工衛星の軌道投入という民間単独では国内初の夢を簡単に諦める人はいなかった
▲翌月の町広報誌には、発明王エジソンの言葉が載っている。「成功の反対は失敗でなく、挑戦しないことだ」と。引用した町長は、打ち上げ成功に町として協力すると改めて誓っていた
▲新たなことを試みる限り、失敗は付きまとう。リスクを恐れて、何かに挑戦する気持ちを失わないようにしなければ。チャンスを自ら逃さぬために。
元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】 2024年12月16日 07:00:00 これは参考資料です。転載等は、各自で判断下さい。
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