路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説①・02.09】:日米首脳会談 「言うべきは言う」関係築け

2025-02-11 16:00:40 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説①・02.09】:日米首脳会談 「言うべきは言う」関係築け

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・02.09】:日米首脳会談 「言うべきは言う」関係築け 

 表面的には無難な滑り出しにみえる一方、今後に向けた危うさも見え隠れする。

 石破茂首相は、返り咲いたトランプ米大統領と首都ワシントンで初めて会談した。

 両首脳は日米関係の「新たな黄金時代を追求する」とした共同声明を発表した。基軸となる日米安全保障体制の抑止力向上などを確認した。

 一方、経済面でトランプ氏は対日貿易赤字の解消を求めた。各国への「脅しの道具」として用いる関税を持ち出し、日本でも貿易不均衡が続けば、引き上げによる赤字削減が選択肢になるとの考えを示した。

 石破氏は8千億ドル弱で世界一の対米投資を、1兆ドル(約151兆円)規模に増やすとした。

 すでにトランプ氏は中国からの輸入品に対する10%の追加関税を発動した。中国は報復措置として、米製品に最大15%の追加関税を課すと発表し、「貿易戦争」の様相を帯びている。

 1カ月延期したものの、メキシコやカナダへの25%関税も発動の構えを崩さない。来週は、各国が米製品に課しているのと同水準の関税をかける措置の計画も公表するという。

 日本にも高関税をちらつかせることで、「米国第一」の利益追求へさらなる圧力をかけてくる可能性が明確になったといえよう。石破氏は対米投資の実績や計画を挙げて理解を求めたようだが、予断は許されまい。

 日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を巡り、両首脳は「買収でなく、多額の投資で合意した」と述べた。トランプ氏は日鉄の首脳と会うともいい、禁止命令を出したバイデン前政権の方針を実質的に覆すことになるのか。日本は注意深く見極める必要があろう。

 気になるのは、防衛費を国内総生産(GDP)比2%に増やす日本方針を、トランプ氏が評価しつつ「さらに増える」と強調したことだ。そうした点を含め、国会は会談の内実を検証してもらいたい。

 トランプ氏は先月20日の就任以来、前政権の方針を反転させる大統領令を連発。気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」からの再離脱を指示し、世界保健機関(WHO)の脱退手続きを進める。先日は唐突に、米国がパレスチナ自治区ガザを長期的に「所有する」と表明し、200万人超の住民をガザ域外に移住させるべきだと主張した。

 国際協調に背を向けた身勝手なふるまいや、苦難の歴史を無視した暴論に対し、会談で石破氏はひと言も触れなかった。

 初対面で時間的な制約があったにせよ、かねて「対等な日米関係」を唱えてきた首相が、持論とする日米地位協定の改定を含め、国内外の対米懸案を素通りしたのは残念である。

 多層的な意思疎通を築き、「言うべきことは言う」日米関係の深化を求めたい。

 元稿:京都新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年02月09日  16:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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