路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【注目・衆院選】:今年最大の政治劇「二階vs世耕」分裂選挙がドロ沼でヤバすぎる…和歌山2区の悲鳴

2024-10-09 07:30:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【注目・衆院選】:今年最大の政治劇「二階vs世耕」分裂選挙がドロ沼でヤバすぎる…和歌山2区の悲鳴

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【注目・衆院選】:今年最大の政治劇「二階vs世耕」分裂選挙がドロ沼でヤバすぎる…和歌山2区の悲鳴

 ◆用意周到の記者会見の内幕

 「私は無所属で総裁選には全く関係がなかったので、感想を述べようがない。ただはっきり申し上げますが、自民党と政策的には全く同じ考えであります。今回の首班指名選挙では、石破茂自民党総裁に投票させていただいております」

 このように「ドヤ顔」で話したのは、自民党の前参院会長・世耕弘成参議院議員だ。10月5日、和歌山県田辺市での記者会見でのことである。参議院から衆議院への転出し、10月27日に投開票の解散総選挙に和歌山2区から出馬することを明らかにした。

 すでに自民党は、二階俊博元幹事長の三男で秘書だった二階伸康氏の公認を決めており、当てつけのように「われこそ自民党」という口調で話した世耕氏とのあいだで、保守分裂の選挙となる。

(c) 現代ビジネス

 今年1月に東京地検特捜部が摘発に乗り出した自民党の派閥パーティーによる裏金事件で、二階俊博氏はその責任をとって政界引退を決めた。一方で、安倍派の幹部だった世耕氏は、裏金不記載額が1542万円と高額な上、一度は決まっていた「裏金廃止」を復活させた中心人物だとして、自民党から「離党勧告」の処分を受けて無所属になった身だ。参議院議員のバッジを外すことなく、転出に乗り出したのだ。

 裏金事件のことは「大失敗」と記者会見で語り頭を下げた世耕氏。しかし、あまり反省の様子はうかがえない内容に終始した。これまでも二階俊博氏の地盤である旧和歌山3区から出馬がたびたび噂されてきた。 

 地元の支援者・Aさんが語る。

 「2021年の衆議院選挙でも、直前まで二階氏の対抗で世耕氏が出馬しようと準備、ポスターまで印刷していたというのは、地元では非常に有名な話だ。世耕氏にとって、二階家は敵といっていいでしょう」

 だが、会見で二階家との対抗関係について訊ねられた世耕氏は、

 「(俊博氏と)しのぎを削っていた? 二階俊博先生と私しのぎを削った思いがありません。私が足元にも及ばない大政治家だと思っています」

 と慇懃無礼に持ち上げるたうえで、こう対抗意識を覗かせた。

 ◆総裁選で暗躍し「高市推し」

 「ご子息と戦うことになる。これは有権者の判断を仰ぎたいと思います。この和歌山2区にとって、政治経験がしっかり26年ある私を選んでいただけるのか、新人の方を選ばれるのか」

 世耕氏は会見で、安倍晋三元首相のもとで、経産相、官房副長官、参院幹事長という重職を歴任してきたことを何度も繰り返し、自身の実績を訴えた。記者会見の行われた和歌山2区の中核・和歌山県田辺市では、世耕氏のポスターが会見前から大量に貼られていた。しかも会見当日は地元の大きな祭りが開催され、実に準備万端だった。

 この日、記者会見前に開催した「世耕弘成後援会緊急総会」に参加した世耕氏の後援者のB氏はこう語る。

 「もうけっこう前やな、後援者の会合に来てほしいと連絡があった。今日は土曜日やし、事前に連絡がないと参加できんわ。頭の回転が速い世耕氏のことやから、用意周到やった。田辺市とか和歌山2区内にポスターが貼られるようになったのもこの2〜3週間くらい前からのこと。

 ただこの選挙区では、多くの有権者が、衆院は二階先生、参院は世耕氏と棲み分けてきた。いきなり二階先生の息子と対決といわれると、正直、頭が痛い」

 B氏の手には世耕氏のポスターが握られていた。

(c) 現代ビジネス

 世耕氏の関係者は記者会見後に「300人の支援者が来る予定だったが、600人も来た」と、勝利を確信したかのように上機嫌で語った。

 もちろん、世耕氏の出馬を受けて立つ伸康氏も、世耕氏の衆院転出はお見通しだったという。二階派のC議員が証言する。

 「世耕氏が衆院転出だと言い出したのは、総裁選の選挙期間がはじまった直後のことです。もともと裏金事件の責任をとって自民党から追い出された形の世耕氏は、復党を狙い、高市早苗氏をウラで支援。安倍派の票をまとめようと暗躍していたのです。実際に安倍派の参議院議員は『世耕氏から高市氏に入れろ』と言われて困惑していました。同様の話は何人もの安倍派の議員から聞きました。

 まさに自分ファースト、俺様ですよ、世耕氏の動きは。石破首相なら自分は決して復党できないと、高市氏支援にまわったというのがもっぱらの噂です。

 しかし『自民党ではなく、裏金議員の世耕氏がなぜ総裁選にいっちょう噛むのか』と猛反発を食らって、安倍派の票の一部が石破首相に流出したと思います。それがあの総裁選の21票差につながったと思う。そういう意味では、世耕さんのせいで高市氏は落ちたんです。

 ところが、総裁選が終わった直後に、衆院転出のニュースでしょう。それも世耕氏が総理大臣になりたいという、個人の思いで衆院にくら替えするのですから。二階先生も世耕氏の裏切りには本当に怒っています」

 ◆どちらにつけばいいのか…有権者の感情

 ただ、二階氏の父・俊博氏も黙っていることはないだろう。地元では、俊博氏が世耕氏打倒へどのような「一手」を打ち出すのか注目が集まっている。

 「二階先生はどうしても牙城を守りたい。野党の立憲民主党は新人候補を擁立し世耕氏の票を減らそうと、二階先生が暗躍しているともささやかれる」(和歌山県議のC議員)

 世耕氏の衆院転出に際し、和歌山県連の中村裕一幹事長は自身のSNSで、森山裕幹事長と面談したとして

 《不祥事で離党した世耕元党参院幹事長が次期総選挙に無所属で出馬することが話題になり、党則では自民党に対する反党行為であり、とても復党は認められないとの見解を伺ってきました》 

 一方で、世耕氏は後援会の会合後に、妻で元民主党の参議院議員、林久美子氏と並んで支援者と握手を繰り返し、「苦しい戦いです、助けてください」と
お涙頂戴のように訴えた。

 だが、会合に参加していたBさんの自宅を訪ねると世耕氏と伸康氏のポスターの両方が家の壁に貼られている。

 「世耕氏の奥さんがしゃしゃり出ても、地元の人じゃないから。まあただ両方応援するしかない。しゃあないからワシは伸康氏、妻に世耕氏でやってもらうかな」と苦笑するばかり。

 二階王国でありながら、世耕氏の支持も根強い和歌山で現実化した「分裂」劇は、地元政界を揺るがせている。C県議はこう苦しい胸の内を語った。

 「世耕氏は参議院議員のバッジがあります。来年の参院選には刺客も出ないのだから、無所属で出て復党を待てばよかったんですよ。

 それなのに、なぜわざわざ波風を立てるのか。東京や大阪とは違って、和歌山2区は田舎です。うちの家内は二階先生と伸康氏を絶対に応援すると言っている。しかし親戚は裏金事件で叩かれ世耕氏はかわいそうだから入れるという。

 保守分裂? その前にうちの一族が分裂や、どないしてくれるのや……」

 骨肉の争いの火ぶたがいよいよ切られた。

 ■石破茂が明かした「大学同級生の女性に猛烈アタックした日」の衝撃顛末《緊急出版「保守政治家」の中身》につづく

 ■現代ビジネス編集部

 元稿:講談社 主要出版物 週刊現代 政治 【政局・選挙・次期衆院選和歌山2区】  2024年10月08日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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