たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

やっと『モネ展』に行ってきました(2)

2018年09月16日 19時09分53秒 | 美術館めぐり
 気がつけば友達も家族もいないまま年を重ねてしまい今日も一人で過ごす休日。特に会いたい人はいません。今日もこうしてブログに語りかけるのが日課。昨夜はようやく8時間睡眠。訪問でやられた足腰が痛いし、日頃の疲れが出て動けませんでした。夕方になってからまた逃避行中。掃除やら洗濯やら部屋の片づけができていないのですが、お隣さんもヘンなオッサンもずっといるのでちっそくしそうになるばかりでどうにも落ち着かず、最低限だけなんとかこなす日々。昨日の『モネ展』を忘れないうちに書きとめておきたいと思います。

 土曜日の夕方、通常は17時までのところを20時30分まで開いていたので親子連れも多く賑わっていました。小学生のうちからこんなに心豊かな時間を一緒に過ごすことができるお父さんとお母さんのもとに生まれてくることができた子どもちゃんたち、ほんとによかった、楽しんでね、ってひそかに思っていました。子どもは親を選べないですからね・・・。それはさておき、モネの作品がこんなに日本の美術館にあると知りびっくり。モネの作品25点のうち、海外らかの発出展は2点、それ以外は全て日本各地の美術館が所蔵している作品でした。




クロード・モネ《睡蓮》
1906年 油彩 キャンヴァス 81.0×92.0㎝
吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)

 一番のお気に入りとなったのはこちらに掲載されている1906年制作の「睡蓮」。吉野石膏株式会社所蔵(山形美術館に寄託)とあります。チケットにも使われている、明るく優しい作品。モネは1926年に86歳で亡くなったので晩年に差しかかった頃の作品ということになります。モネの作品は少し離れてみるのがいいというのは2015年の『モネ展』で体験済みですが、この作品もみる位置によって色合いがちがってみえる不思議さがありました。すこーし離れてみると池に淡いピンク色の雲が映っているのがわかってすごくきれいでした。さらにすこーし離れてみると淡いピンク色と紫色の水面に、睡蓮の葉がぽっぽっぽっと浮かんでいるのがよりくっきりみえてすごくきれいでした。ずっとみていたい、みていられる作品。

 

チケット。





絵葉書を購入しました。



 モネの作品は筆の力がすごいということを再確認した展示会でした。ロンドンシリーズ3作品、あえて並べず後年の画家たちの作品の間、間にモネの作品に出会えるように配置したという学芸員の方の話でした。モネは人生の後半、ロンドンを繰り返し訪れては膨大な数の絵を描いたそうです。パリからロンドンへ、当時は船旅でしたかね。ロンドンにはロンドンという名前の駅はなく、行く方面によって出発する駅がちがっていました。チャリング・クロスという駅からスコットランド方面に向かったことをふっと思い出しました。20年以上前ですが地球の歩き方みながら一人で必死でしたからね、体がおぼえているみたいです。

「チャリング・クロス橋」、1899年制作_メナード美術館所蔵

 霧に包まれたロンドン、国会議事堂が淡くぼやっと描かれていました。テムズ河の水面のゆらめきが美しい作品でした。

「テムズ河のチャリング・クロス橋」、1903年制作_吉野石膏株式会社所蔵(山形美術館に寄託)

 テムズ河を渡る汽車の煙、テムズ河の水面のゆらめきが美しく、躍動感にあふれた作品でした。1899年の作品よりもぐっと深みが増していると思いました。ふたつめの展示室へ入ると最初に目に飛び込んでくるように配置されていたのがよかったです。

「霧の中の太陽」、1904年制作、個人蔵

 朝のテムズ河のゆらめき、のぼってきた太陽が反射しているのが少し遠くからみるとよくわかりました。モネは絵の具を混ぜるのではなくそのままキャンバスにのせていったので、きれいではなく筆のあとがそのまま残る描き方をしたという学芸員の方の話でした。筆の力で描かれた作品。これまたみる位置によって見え方が違っていて不思議でした。せまい美術館の中ですが少しずつ少しずつ離れていくと、より躍動感にあふれたテムズ河の水面のゆらめきがくっきりと美しくみえてくるのでした。筆のあとが残る描き方が生み出す不思議さ。

 モネの作品から伝わってくるのは躍動感、あふれるような生命力、生きるエネルギーでした。初出展作品についても書きたいですが長くなってきたのでまたあらためます。

 


たいしたことありませんが、パリのオランジェリー美術館を訪れた思い出の記事はこちらからご覧ください。

2015年12月26日の投稿_2008年9月12日パリ・オランジェリー美術館
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/465ccfe1818f138c80705cc10e31b028

モネの「睡蓮」に包み込まれたような時間でした。
パリまで行かないと体験することができません。一週間あれば往復してホテルに5泊して美術館めぐり。マイナスを補填できないまま、大会社から使い捨てにされたのでそれだけの稼ぎをなくしてしまいました。この世にいる間にルーヴル美術館もオランジェリー美術館も行くことはもうできないかな。行きたいと思ったときに行っておいてよかったです。