たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『エリザベートガラコンサート』アニヴァーサリー スペシャルバージョン-ライブ配信

2021年05月04日 23時12分19秒 | 宝塚
2021年5月4日(火)17時ライブ配信 アニヴァーサリー スペシャルVer.

トート:望海風斗
エリザベートACT(1):夢咲ねね/ACT(2):明日海りお
フランツ:鳳真由
ルキーニ:宇月颯
ルドルフ:七海ひろき

 公演中止が決まり、ライブ配信が追加された公演。指揮は安心の西野淳先生、カーテンコールでオケのみなさんがいっぱい拍手して盛り上げてくれました。黒マスクの下ですっごくあったかい笑顔で演者のみなさんをみつめてくれているのが配信の画面でよくわかりました。演者同士も大きな拍手を送り合い、だいもんトートが最後に階段を降りてきた時はヒューヒューの掛け声、あったかく和やかな雰囲気に包まれていました。舞台はお客様が入って初めて完成するという演者の言葉が沁みました。小池修一郎先生も『モーツァルト』の千穐楽で話していましたね。無観客は正直つらかったです。伝われ!と思いながらパソコンの前で拍手しました。中止にしなければならない明確な理由はないので悔しい。満員の客席の拍手に包まれる中で上演される機会があることを願うばかりです。

(写真は梅田芸術劇場公式ツィッターより)




 現役時代にはなかったキャストでの芝居のようなコンサート、新たなる歴史の始まりに立ち会ったような不思議な感覚でした。だいもん(望海風斗さん)トート、登場した瞬間、まとった雰囲気がいっちゃん(一路真輝さん)トートにすごく似ていると思いました。(タトゥーがNOZOMIになっていたことは残念ながら全く気づきませんでした)。紫色の唇、特にシシィに怒りをみせるときの表情、「最後のダンス」のシャウト、シシィに拒絶されたことで怒ったトートがウィーンの革命家たちと市民を煽動するときの鼻から抜けるような「闇が広がる」、いっちゃんの特徴にだいもんの持ち前の歌唱力があわさった、懐かしくて新しいトートだと感じました。かいちゃん(七海ひろきさん)ルドルフとの「闇が広がる」はコンサートですが、がっつり芝居のダンス。Pちゃんフランツとの最終答弁で真っ白な衣装に着替えて、最後みりおちゃんシシィを両手広げて迎えるところは、やっと俺のもとにきたのかと言わんばかりのめっちゃ嬉しそうな笑顔。黄泉の国へ来たことをまだよくわかっていないシシィをやさしく抱きしめていました。

 カーテンコールで、自分が真ん中にいることに戸惑いと違和感があったみたいで、「なんだか慣れない」というだいもんにかけたみりおちゃんの言葉が「え、なんでなんで自然よ、じゃあみんなで縦にならぶ?」。宝塚はトートが主役だからいいんですよ、だいもん。昨日の初日は全く余裕がなかったと話すと、いやいやそんなことはないでしょ、そんなふうには全く見えませんでしたというみんなの反応。今日はこの場面ではこんな表情してくれているんだと気づくことがたくさんありすごく楽しかった、明日が千穐楽なのすごくさみしいという言葉。トップスターのプレッシャーはないのでのびのびと演じている感じが伝わってきました。20周年のガラコンサートの公演プログラムを読み返すと、小池先生が「そもそも、ミヒャエル・クンツェさんの脚本には、トートは両性具有的であるという指定がある」と話されています。早霧せいなさん退団後にリアル男子の中で『るろうに剣心』の緋村剣心を演じたことを考えると、だいもんトートがこれで終わるのはもったいない。外部でもありなのではと思います。

 かいちゃんのようにうまく話せないと言いながら、かいちゃんとみりおちゃんの言葉を引用して「力強く、健康に気をつけて生きていかれてください」と締め。

  1幕のねねちゃん(夢咲ねねさん)シシィ、『ポーの一族』のシーラよりもさらに綺麗で、細く長い首に白いレースのチョーカーがよく映えていました。結婚式をあげた翌朝ゾフィーに起こされてフランツに助けを求めるも理解されず、「あなたはわたしを見殺しにするのね」から最初の子どもをゾフィーにとられたと知ってぶち切れるところでフランツに対して俄然強くなった表情がわかりやすく伝わってきました。二幕はずっと袖でみていたのかな。カーテンコールでだいもんトートになにかことばをと振られたとき、「最後に結ばれてよかったねえ」と言った時の笑顔がめっちゃ可愛すぎました。だいもんの「うん」も可愛かったです。演じる人によって違うそれぞれのシシィ、ゾフィーに従ってシシィの寝室を訪れた女官たちがそれぞれ、シシィを小ばかにしたような冷たい表情をしていて、今さらですが宮中でシシィの味方はいなかったんだなあ、リヒテンシュタインも決して味方ではなかったんだなと思いました。みなさん細かく演技されていますね。自分を守るのは自分だけだと強くなっていったねねちゃんシシィ、演じる人それぞれのシシィなのでねねちゃんシシィを通しでみたかったという思いが残りました。

 2幕のみりおちゃんシシィ、高音さすがにまだ苦しいかなという感じもありましたが、パフスリーブの白いドレスがよくお似合いで綺麗でした。25日までトートだったとは思えない華奢な背中と細い腰、東京宝塚劇場の前で遠くからみりおちゃんを見た時誰よりも細いことに驚愕しましたが、男役の補正がとれるとほんとに細い。とにかくうすい。この体で娘役さんをリフトしていたのかと。昇天のシーンではデコルテの美しさがひきたつ肩出しドレス、肩とかさわって自分を確かめているようなしぐさ、カーテンコールでは髪にシシィスターと呼ばれる星型の飾りをつけていて可愛かったです。眉間にしわを寄せる演技はみりおちゃん、人生の旅を終えてだいもんトートと昇天していくシーンをみながらなんとも不思議な気持ちになりました。この気持ちを今言葉で表現するのはむずかしい。カーテンコールで、初日のあと朝4時まで眠れませんでしたが昨日エリザベートを演じて同じ現象が起きました、今日は5時からだったの大丈夫です、いっぱい寝ましたと。だいもんの「ゾフィーが起こしにきませんでしたか」で純矢ちとせさんがドアをこんこんと開ける仕草、同期のコンビネーションでしょうか、ほんとに和やかなカーテンコールでした。

 かいちゃんトートが10日にライブ配信でみたフルコスチュームバージョンの時よりもさらにルドルフとして存在する力が強くなっていたことに驚きました。二幕からの登場で軍服をイメージした衣装を開襟して、素化粧なのにちゃんとみりおちゃんシシィの息子でした。フルコスチュームバージョンの時蘭ちゃんシシィ、間違いなくかいちゃんルドルフを産んだよねと思いましたがみりおちゃんシシィはまた違う雰囲気でちゃんと親子。すごいですね。トートに誘われて黄泉の国へと旅立つことを決意したとき微笑みすら浮かべた、やすらぎを得た表情。コンサートですがだいもんトートに口づけされてぽいっと投げ捨てられていました。今回は配信でひきではなくばっちり映像とらえてくれていました。カーテンコールで、現役時代は縁のなかったルドルフで明日海さまトート、望海さまトート、二人のトートと闇を広げることができて私的にはおいしい、こんな二人のトートが待っていてくれるのだから黄泉の国へ行くまでの間がんばって生きなければいけなとこの舞台をとおして思いました、みなさん力強く生きていきましょうと。そう話すかいちゃんの笑顔が清々しい青年のようでもあり、なんとも中性的な魅力を称えていました。どう表現すればいいのか、うまく言葉がみつかりません。







 5日が千穐楽、全日程出演のメンバー、たそ、れんれん、ヴィンディッシュ嬢のくれあさんは美しい涙を瞳にたたえていて、みなさん熟されています。大司教さまは綾月せりさん、ハンガーの革命家、女官たちも、みなさんお一人お一人、フルコスチュームバージョンでなくても舞台を想起させるクオリティ。無事に千穐楽を迎えられますように。たそのツェップスの「ちょっとこちらへ」が毎回絶妙でしたが明日で終わり。裁判官の声はれんれんかなあ。カーテンコールでは嬉しそうな笑顔が大きく映っていました。出演できてほんとによかった。Pちゃんフランツ、としさんルキーニのことも書きたいですがいい加減長いですね。



 配信終了後、いつ以来かわかりませんが持っていることを思い出して、久しぶりに1996年雪組『エリザベート』の主題歌CDを聴きました。今だ観劇録を書けていませんが、いっちゃんトートとたーたんルドルフの「闇が広がる」を、2019年3月に「Life is songs」というコンサートで聴きました。トートをイメージした衣装は重かったみたいで素に戻るといっちゃんふらつき気味、たーたんは振付を間違えたところがあったみたいですが歌声は健在、年月を重ねてより深まったトートとルドルフの歌声でした。いっちゃんとだいもん、歌うま、雪組つながりでぜひ共演してほしいです。

『エリザベート』、奥が深い、きりがないので今はこれにて・・・。

越路吹雪40回忌コンサート『Après Toi~アプレ・トワ』

2021年05月04日 14時47分39秒 | ミュージカル・舞台・映画
 昨年コロナ禍で中止になった舞台のひとつ、2020年3月14日から15日まで博多座で上演予定でした。中止と発表されたのが直近になってからだったと記憶しています。上演か中止か、判断がむずかしいところだったと思います。紅ゆずるさんのファンで、チケットをとっていて公演はなくなっても当日博多まで旅をしたとSNSにあげていた方もいらっしゃったかな。坂東玉三郎さん、春野寿美礼さん、水夏希さん、紅ゆずるさん、凪七瑠海さん、中止となるにもあまりにも惜しいメンバーでした。

 今年、5月15日から16日まで上演予定。メンバーは、安寿ミラさん、姿月あさとさん、湖月わたるさん、彩吹真央さん、月影瞳さん、桜咲彩花さん。エリザガラコンを終え、歌稽古が始まっていると月影瞳さんがインスタに書かれています。無事に上演されることを祈っています。

 月影瞳ちゃん、76期生、同期に現花組組長の高翔みずきさん、宙組組長の寿つかささん。現役タカラジェンヌがお二人、すごいことです。

越路吹雪40回忌コンサート『Après Toi~アプレ・トワ』
https://www.hakataza.co.jp/lineup/202105/aprestoi/index.php

 
 地球の裏側になんどか旅したことはあっても九州に行ったことありません。博多座、新幹線で行けるんですよね、駅から近いとか。昨年公演ができなかった間バックヤードをツィッターで紹介してくれていて舞台好きにはたまりませんでした。この世にいる間に一度行ってみたい場所のひとつです。