たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

2009年『新春滝沢革命』帝国劇場

2021年05月24日 14時11分32秒 | ミュージカル・舞台・映画
観劇の思い出、あれこれ振り返り。

 2009年1月10日(土)18時~、帝国劇場にて観劇しました。久しぶりの観劇で、営団地下鉄日比谷駅から帝国劇場までの道のりを忘れてしまっていました。
公演プログラムの巻頭に、今は亡き森光子さんからのメッセージ。作品タイトルとお名前は直筆、達筆です。

「滝沢さんは類まれな光を感じさせる方です。
 初対面の顔はまだ初々しい少年でしたが、その光が虹色の輝きを帯び、
 美のオーラに包まれた真珠を見るような思いがしたものです。
 あれから十数年、小さな真珠は夜空に輝く大きな星になり、
 素敵な夢の世界へと誘ってくれるようになりました。
 今回どのような夢を魅せてもらえるのか楽しみです。
 そして舞台は、観るものと演じる者が
 一体となって作り上げていくものー。
 ある日、客席のどこかで、
 私も皆様と一緒になって熱い声援を送っていることでしょう。」


星組『ロミオとジュリエット』東京宝塚劇場千穐楽LV

2021年05月24日 01時04分00秒 | 宝塚
 5月10日のチケットが幻となり、数回あったライブ配信を全部見送ってきた星組公演、迷いましたが久しぶりにライブビューイングの大画面で観てきました。昨日チケットを購入したのでいちばん後ろの席、老眼加速中でコンタクトレンズ弱めているのでみえないんですが、日常を離れて集中できるし、映画館と宝塚の両方にお金を落とすことができます。不安とモヤモヤからまた眠剤のまないと眠れなくなっているので、永遠に目がさめないことにもなりかねないとかかりつけ医に言われました。自分大丈夫かなと心配でしたが、なんとか無事に往復することができました。無観客のライブ配信つらかったので、客席から拍手がきこえることのなんと素晴らしいことよと思いました。退団者7名、きらり杏ちゃんが、緊急事態宣言により中止が決まった時お客様のいる舞台に立つことはもうできないかもしれないと覚悟したと涙していました。どうなるの、不安との闘いだったろうと思います。自分は生の観劇かないませんでしたが、東京宝塚劇場に観客を迎えての千穐楽、本当によかったです。

 2017年に赤坂ACTシアターで『ロミオとジュリエット』を観劇したので、物語も音楽も馴染んでいますが、宝塚版は初見でした。なんと清らかな世界よ。一幕最後の結婚式の場面の「エメ」、こっちゃん(礼真琴さん)ロミオとひっとん(舞空瞳ちゃん)ジュリエットの並びがあまりにも可愛らしくて美しくて清らかで瑞々しくて、コーラスの美しさも相俟って涙が出ました。ひっとんのロミオをまっすぐに見つめる大きな瞳、ひたむきに愛して生きようとする姿が16歳のジュリエットそのものでした。ものすごく可愛いし、腰の位置が高いのは言うまでもなく、キキちゃん(芹香斗亜さん)とのコンビをもう一度という気持ちが今もちょっぴりありますが、こっちゃん(礼真琴さん)のお嫁さんであろうとすごく一生懸命にやってきてお嫁さんになってきたんだなあと思いました。自分の気持ちに忠実であろうと能動的なジュリエット、出会いから共に旅立つ時までわずか一週間ほどの時間軸の物語を動かしているのはジュリエットなんですよね。今さらですがあらためて気づきました。

 有沙瞳ちゃんの乳母役、どうなるのかイメージできませんでしたがうまかったですね。軍艦体型のおばちゃんにはみえませんでしたが、にらみ合いなど、ジュリエットとの関係性がちゃんと乳母でした。体型をつくるための衣装を着こなして踊るのは大変そうでしたが、ジュリエットの使いとしてロミオを訪ねた先のキャピュレット家でせおっち(瀬央ゆりあさん)のベンヴォーリオにからかわれながら一緒に踊る時、何気にカップル感もあって、『龍の宮物語』を思い出しました。せおっちのベンヴォーリオと極美慎くんのマーキューシオにはさまれた乳母、すごく可愛かったです。お化粧と衣装と声色でふりきった有沙瞳ちゃんの役者としての力がまたひろがったことを感じました。

 せおっちベンヴォーリオのいい人感、極美慎くんマーキューシオのとがった危なっかしさ、愛ちゃん(愛月ひかるさん)ティボルトの色気と儚さ、天華えまくんの死のダンスの美しさ、パリス侯爵って純粋にいい人なんじゃないのっていう綺城ひか理さんなどなど、主要な役は少ないので上級生も役名がついていなかったりしましたが、赤坂ACTシアター公演でアンサンブルのダンスの達人たちが踊っていたダンスナンバーの連続を踊りこなすタカラジェンヌたち、ほんとにすごいと思いました。いいものをみせていただきました。

 この舞台に立ち続けることは並大抵のことではないでしょう。退団者7名、それぞれやり切った感があったでしょうか。拓斗れいくん、96期なのか、紅ゆずるさんの退団公演、怪我のためということでずっと休演していました。こっちゃんが一期下で音楽学校からずっと一緒だったのでさみしい、今すぐ軍服を着せたい、すごく似合うのに惜しいと。こっちゃんの気持ちわかります。明日からの人生も幸多かれと祈るばかり。

 すれちがうばかりの歯がゆい物語ですが、「世界の王」を聴きながら若いっていいなあって思いました。どこまでいっても気落ちが落ち着かず永遠に終わらないので、若い命が夢と希望をもてる社会であってほしいという願いを込めながら今日のところはいい加減おしまいにしたいと思います。

 こんな時だからこそ、夢と希望を届けたい、次の花組からオーケストラ演奏復活、その次の月組から全員出演と新人公演復活、星組も明日からまた稽古に励みますと。彼女たちがいのちを削りながら舞台に立っていることを思うと挫けてはいけませんね。6月、花組の瀬戸かずや氏と華優希ちゃんの卒業、見届けます。





劇場には夢と希望がある。8月の帝国劇場『王家の紋章』のB席も東宝ナビで予約しました。だからそれまで生きなければなりません。





無事に上演が続いていきますように・・・。