2021年4月18日(日)東急シアターオーブ12時~
トート;水夏希
エリザベート:大鳥れい
フランツ・ヨーゼフ;彩吹真央
ルイジ・ルキーニ;霧矢大夢
ルドルフ;凰稀かなめ
ゾフィー;出雲綾
マックス;越乃リュウ
リヒテンシュタイン;紫城るい
少年ルドルフ;初嶺磨代
マダム・ヴォルフ;嘉月絵理
渋谷の東急シアターオーブ3階席、ぴあの抽選にまさかの当選でなんとか無事に行ってきました。舞台上のオーケストラの音色が美しくて、それだけでも価値があると思いました。楽器の名前などほとんどわかりませんが弦楽器、管楽器、それぞれの音が素敵に響いていました。指揮する西野淳先生の背中を拝見するのはいつ以来のことか。『エリザベート』を演奏するということはとてつもないエネルギーが必要だと以前どこかに書かれていたのは西野先生だったか、上垣先生だったか。キャストのみなさんとの呼吸は生演奏ならでは。ぜいたくなひとときでした。
ルキーニの霧矢大夢さん、二幕の「キッチュ」で登場したとき、「エリザベート25周年スペシャルガラコンサート2007年雪組バージョン、楽しんでいますか?」「わたしは出ていませんが」「こういうところがガラコンサートのいいところ」と。余裕と貫録で物語をけん引するルキーニを楽しそうに演じられていました。舞台をひっぱる力はさすが、歌も安定していて素敵なルキーニでした。生で拝見するのは初めてですが素敵に年を重ねていらっしゃいます。終演後お隣の方が話していたことがなるほどねと思いました。トートをトップスターが演じる宝塚と違って、トップスター経験者が演じるルキーニは主役のようにもみえて、また違う雰囲気でした。
トートの水夏希さん、わたしが思い出す水さんは宙組時代で観劇から離れていた間に雪組でトップスターになったことは知りませんでした。カーテンコールの挨拶で「2007年雪組バージョンですが、いろいろな組の方がいて」「わたしは組を渡り歩いたので、宝塚はひとつ」「宝塚フフォエバーラブ」「退団したとき男役をやることは二度とないと思った」「退団から時間のたっていない方々がこれから登場しますがわたしは退団から時間がたっている」「退団して男役をやるということはまた新しい男役をつくっていくということ」「これからも宝塚の看板を背負っていきたいと思います」。後ろを向いてアンサンブルメンバーにも「ありがとうございます」と。涙ぐんでいたかな。こうしてまたトートとして『エリザベート』の舞台に立てることが心から嬉しいのだろうと思いました。地毛のロングヘアにお化粧とロングコートの衣装が映えてスターブーツもお似合い、ロックスターのようなかっこいいトートでした。深いグリーンのコートは雪組カラーをイメージしているのか。衣装替え、3回かな。どの衣装も素敵でした。オンデマンド配信されている2007年雪組エリザベートのミュージック・クリップをみていますが、14年の時を経てさらにかっこいいし、声に厚みと深みが増しているように思います。OGコンサートならではですね。『Pukul』の時、蘭乃はなちゃんとのツーショットがトップコンビに見えて仕方なかったですが永遠にかっこいいですね。「最後のダンス」が特にきかせるかっこいいナンバーですが、演じる人によって全く色が違ってみえるトートはなんと奥深いの役なのかと。水トート、堂々たる黄泉の国の支配者でした。
ルドルフの凰稀かなめさん、2月に『屋根の上のヴァイオリン弾き』でお会いしたばかりだし、『1789バスティーユの恋人たち』のマリー・アントワネットもみていますが、男役は初めて拝見。地毛をうしろとまとめて足の長さ、スタイルの良さに美しさと儚さが映えるルドルフでした。市村パパに「お母さん(鳳蘭さん)に似て大きくなったな」って言われていましたが背が高いので舞台映えします。歌声もダンスも美しくて、水トートを前にして儚いルドルフ。素敵でした。ちゃんと青年にみえたのすごい。
フランツの彩吹真央さん、地毛をうしろにまとめて、実直で優しいフランツでした。2幕になってからなにかが違うと思ったら、アニバーサリーバージョンなのでおひげはつけていないし、白髪も増えない。軍服をイメージした衣装と歌声で年を重ねていくことを美しく表現していてきっと現役時代よりもさらに深いフランツなんだろうなと思いました。
エリザベートの大鳥れいさん、愛華みれさんとのトップお披露目公演『夜明けの序曲』以来で拝見。水夏希さんのトートと昇天する場面、嬉しそうに抱きついていく時の笑顔が、長い人生の旅を終えてようやく安らぎにたどりついた人の笑顔で説得力がすごくて、わかっているのに涙がにじんていました。エリザベートもまた演じる人によって全く色が違う深い役、ほんとうにそれぞれのエリザベートなんだと思いました。
1999年の宙組『エリザベート』を観劇しているので出雲綾さんのゾフィーと初嶺磨代さんの少年ルドルフに再会できたことに感無量、年齢をことをいっては本当に失礼ですが初嶺さん先日の新聞記事で実年齢が出ていたので、美しいソプラノボイスの、少年にしかみえなかったのはお見事というよりほかありません。出雲綾さんのゾフィー、長らくエトワールを務めた方の歌うま健在。勝手に一方的に懐かしい人に再会できた心持ちでした。
人は最初に出会った『エリザベート』が母になると言われているのだそうです。そうするとわたしにとっての母は1996年の雪組初演と1999年(東京)の宙組ということになり、特にシシィは花ちゃんに気持ちがどうしてもいっていて、東宝エリザも花ちゃん一辺倒でした。宝塚のエリザは2018年の月組を観劇したのが19年ぶりでした。オンデマンド配信と今はライブ配信のおかげでいろいろな方のエリザに出会う機会がふえて、演じる人によっていろいろな解釈ができる、全く違う色が醸し出される作品なのだと、今さらですが知りました。
劇場でエリザに出たくて宝塚に入ったのに縁がなかったれんれん(如月連さん)がとっても楽しそうに舞台に立っている姿、蘭ちゃんのバースデーイベントに同期出演が決まったたそ(天真みちるさん)の絶妙な味のあるひげおじ姿、貴澄隼人さんが髪を後ろにたばねて男役になりきった姿を確認。衣装つけてなくても世界観を体現できるOGのみなさんの作品への愛を感じた舞台でした。
「免疫力があがりますから」と水トートが言ってくれましたが、がんばって生きねばという気持ちになることができました。次のあてもがんばってさがして生き延びていかねば。でもその前にあと8回無事に朝起き上がてバスと電車に乗れるのかしらっていう。眠れないのと寒暖差からくるのかだるさで体動かないところを今はあと8回動かさねば。
ヒカリエの11階にある東急シアターオーブからみえる渋谷の街並み、遠くに新宿の都庁。
渋谷駅前。
ヒカリエ11階にあるレゴ。
トート;水夏希
エリザベート:大鳥れい
フランツ・ヨーゼフ;彩吹真央
ルイジ・ルキーニ;霧矢大夢
ルドルフ;凰稀かなめ
ゾフィー;出雲綾
マックス;越乃リュウ
リヒテンシュタイン;紫城るい
少年ルドルフ;初嶺磨代
マダム・ヴォルフ;嘉月絵理
渋谷の東急シアターオーブ3階席、ぴあの抽選にまさかの当選でなんとか無事に行ってきました。舞台上のオーケストラの音色が美しくて、それだけでも価値があると思いました。楽器の名前などほとんどわかりませんが弦楽器、管楽器、それぞれの音が素敵に響いていました。指揮する西野淳先生の背中を拝見するのはいつ以来のことか。『エリザベート』を演奏するということはとてつもないエネルギーが必要だと以前どこかに書かれていたのは西野先生だったか、上垣先生だったか。キャストのみなさんとの呼吸は生演奏ならでは。ぜいたくなひとときでした。
ルキーニの霧矢大夢さん、二幕の「キッチュ」で登場したとき、「エリザベート25周年スペシャルガラコンサート2007年雪組バージョン、楽しんでいますか?」「わたしは出ていませんが」「こういうところがガラコンサートのいいところ」と。余裕と貫録で物語をけん引するルキーニを楽しそうに演じられていました。舞台をひっぱる力はさすが、歌も安定していて素敵なルキーニでした。生で拝見するのは初めてですが素敵に年を重ねていらっしゃいます。終演後お隣の方が話していたことがなるほどねと思いました。トートをトップスターが演じる宝塚と違って、トップスター経験者が演じるルキーニは主役のようにもみえて、また違う雰囲気でした。
トートの水夏希さん、わたしが思い出す水さんは宙組時代で観劇から離れていた間に雪組でトップスターになったことは知りませんでした。カーテンコールの挨拶で「2007年雪組バージョンですが、いろいろな組の方がいて」「わたしは組を渡り歩いたので、宝塚はひとつ」「宝塚フフォエバーラブ」「退団したとき男役をやることは二度とないと思った」「退団から時間のたっていない方々がこれから登場しますがわたしは退団から時間がたっている」「退団して男役をやるということはまた新しい男役をつくっていくということ」「これからも宝塚の看板を背負っていきたいと思います」。後ろを向いてアンサンブルメンバーにも「ありがとうございます」と。涙ぐんでいたかな。こうしてまたトートとして『エリザベート』の舞台に立てることが心から嬉しいのだろうと思いました。地毛のロングヘアにお化粧とロングコートの衣装が映えてスターブーツもお似合い、ロックスターのようなかっこいいトートでした。深いグリーンのコートは雪組カラーをイメージしているのか。衣装替え、3回かな。どの衣装も素敵でした。オンデマンド配信されている2007年雪組エリザベートのミュージック・クリップをみていますが、14年の時を経てさらにかっこいいし、声に厚みと深みが増しているように思います。OGコンサートならではですね。『Pukul』の時、蘭乃はなちゃんとのツーショットがトップコンビに見えて仕方なかったですが永遠にかっこいいですね。「最後のダンス」が特にきかせるかっこいいナンバーですが、演じる人によって全く色が違ってみえるトートはなんと奥深いの役なのかと。水トート、堂々たる黄泉の国の支配者でした。
ルドルフの凰稀かなめさん、2月に『屋根の上のヴァイオリン弾き』でお会いしたばかりだし、『1789バスティーユの恋人たち』のマリー・アントワネットもみていますが、男役は初めて拝見。地毛をうしろとまとめて足の長さ、スタイルの良さに美しさと儚さが映えるルドルフでした。市村パパに「お母さん(鳳蘭さん)に似て大きくなったな」って言われていましたが背が高いので舞台映えします。歌声もダンスも美しくて、水トートを前にして儚いルドルフ。素敵でした。ちゃんと青年にみえたのすごい。
フランツの彩吹真央さん、地毛をうしろにまとめて、実直で優しいフランツでした。2幕になってからなにかが違うと思ったら、アニバーサリーバージョンなのでおひげはつけていないし、白髪も増えない。軍服をイメージした衣装と歌声で年を重ねていくことを美しく表現していてきっと現役時代よりもさらに深いフランツなんだろうなと思いました。
エリザベートの大鳥れいさん、愛華みれさんとのトップお披露目公演『夜明けの序曲』以来で拝見。水夏希さんのトートと昇天する場面、嬉しそうに抱きついていく時の笑顔が、長い人生の旅を終えてようやく安らぎにたどりついた人の笑顔で説得力がすごくて、わかっているのに涙がにじんていました。エリザベートもまた演じる人によって全く色が違う深い役、ほんとうにそれぞれのエリザベートなんだと思いました。
1999年の宙組『エリザベート』を観劇しているので出雲綾さんのゾフィーと初嶺磨代さんの少年ルドルフに再会できたことに感無量、年齢をことをいっては本当に失礼ですが初嶺さん先日の新聞記事で実年齢が出ていたので、美しいソプラノボイスの、少年にしかみえなかったのはお見事というよりほかありません。出雲綾さんのゾフィー、長らくエトワールを務めた方の歌うま健在。勝手に一方的に懐かしい人に再会できた心持ちでした。
人は最初に出会った『エリザベート』が母になると言われているのだそうです。そうするとわたしにとっての母は1996年の雪組初演と1999年(東京)の宙組ということになり、特にシシィは花ちゃんに気持ちがどうしてもいっていて、東宝エリザも花ちゃん一辺倒でした。宝塚のエリザは2018年の月組を観劇したのが19年ぶりでした。オンデマンド配信と今はライブ配信のおかげでいろいろな方のエリザに出会う機会がふえて、演じる人によっていろいろな解釈ができる、全く違う色が醸し出される作品なのだと、今さらですが知りました。
劇場でエリザに出たくて宝塚に入ったのに縁がなかったれんれん(如月連さん)がとっても楽しそうに舞台に立っている姿、蘭ちゃんのバースデーイベントに同期出演が決まったたそ(天真みちるさん)の絶妙な味のあるひげおじ姿、貴澄隼人さんが髪を後ろにたばねて男役になりきった姿を確認。衣装つけてなくても世界観を体現できるOGのみなさんの作品への愛を感じた舞台でした。
「免疫力があがりますから」と水トートが言ってくれましたが、がんばって生きねばという気持ちになることができました。次のあてもがんばってさがして生き延びていかねば。でもその前にあと8回無事に朝起き上がてバスと電車に乗れるのかしらっていう。眠れないのと寒暖差からくるのかだるさで体動かないところを今はあと8回動かさねば。
ヒカリエの11階にある東急シアターオーブからみえる渋谷の街並み、遠くに新宿の都庁。
渋谷駅前。
ヒカリエ11階にあるレゴ。