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NHK 気象 千島海溝 巨大地震 切迫の可能性高い 地震調査委 12月19日 11時54分
政府の地震調査委員会は北海道の沖合の「千島海溝」で今後、「マグニチュード8.8程度以上」の巨大地震が起きるおそれがあるとする新たな評価を公表しました。こうした地震は過去に350年前後の間隔で発生し、前回からすでに400年程度経過していることから、次の巨大地震が切迫している可能性が高いとしています。
新たな評価のポイント
千島海溝 ほかの地震の評価
このうち十勝沖では、過去およそ170年間にマグニチュード8.0以上の地震が3回起きていて、昭和27年3月にはマグニチュード8.2の巨大地震が発生し、北海道厚岸町で6.5メートルの高さまで津波が押し寄せました。また、平成15年9月にもマグニチュード8.0の巨大地震が発生し、北海道東部で震度6弱の揺れを観測したほか、北海道えりも町で4メートルの高さまで津波が押し寄せました。前回の評価では、マグニチュードを最大「8.1前後」と想定していましたが、さらに広い範囲が動く可能性があることなどから、今回は「8.6程度」に引き上げました。今後30年以内の発生確率は「7%」で変わっていません。
<根室沖>
根室沖では、過去およそ170年間にマグニチュード7.4以上の地震が3回起きていて、このうち、昭和48年6月に起きたマグニチュード7.4の「根室半島沖地震」では、津波の高さは根室市花咲で2.8メートルに達しました。前回の評価ではマグニチュードを最大で「7.9程度」と想定していましたが、「十勝沖」の評価と同じ理由で今回は「8.5程度」に引き上げた上で、今後30年以内の発生確率も「60%程度」から「70%程度」に見直しました。
<色丹島沖及び択捉島沖>
一方、「色丹島沖及び択捉島沖」では過去およそ120年間にマグニチュード7.3以上の地震が合わせて5回起きていて、このうち、昭和38年10月にはマグニチュード8.1の地震が発生し、択捉島で津波が高さ4メートルまで押し寄せました。前回の評価では、マグニチュードを、いずれも最大で「色丹島沖」が「7.8前後」、「択捉島沖」が「8.1前後」と想定していましたが、今回は2つの領域を区別せずに評価した結果、「マグニチュード8.5前後」の地震が、今後30年以内に60%程度の確率で起きるという想定に見直されました。
<このほかの地震>
このほか、今回は千島海溝のプレート境界で起きるマグニチュード7.5程度の「ひとまわり小さい地震」や、陸側のプレートの下に沈み込んでいる海側のプレートの内部で起きる地震についても評価していて、このうち、沈み込んだプレート内のやや浅いところで起きる地震については、マグニチュードが8.4前後、今後30年以内の発生確率は30%程度と想定されています。
専門家「想定外なくす」
防災相「被害想定まとめる」
海溝型地震 6領域で確率を評価
北海道庁「いつ地震起きてもいいように備えを」
北海道東部の太平洋に面した釧路市の中山朗生防災危機管理監は「冷静に受け止めている。これまでにも多くの地震や津波を経験してきたので、行政を含め市民は『大きな地震や津波がいつ起きるかわからない』という危機意識は、常に持っていると思う。東日本大震災以降、避難所機能を持つ防災庁舎を建設するなど対応をしているのでこれからも進めていきたい」と述べました。そのうえで「国や北海道が今後まとめる地震や津波被害の新たな想定をもとに、今の津波対策や防災計画を見直して計画的に対策を展開したい」と話していました。(引用ここまで)
国内最大の断層帯「中央構造線断層帯」について、政府の地震調査委員会は、これまで四国沖と考えられていた西の端が大分県まで達しているとする新たな評価を公表しました。全長はおよそ440キロとなり、全体が同時に動いた場合、四国や九州北部、近畿などの広い範囲が震度6弱以上の激しい揺れに襲われると想定されています。
発生確率のランクを公表
<Sランク>
この10の区間を「発生確率のランク」が高い順に見ていきますと、最も高い「Sランク」と評価されたのは、愛媛県にある「区間8」の「石鎚山脈北縁西部」で長さはおよそ40キロあり、全体がずれ動いた場合、最大でマグニチュード7.5程度の地震が発生すると想定されています。今後30年以内の発生確率は「3%以上」となっています。
<Aランク>
次いで「Aランク」と評価されたのは、和歌山県にある「区間3」の「根来」と和歌山県沖から徳島県沖にかけての「区間4」の「紀淡(きたん)海峡ー鳴門海峡」、徳島県にある「区間5」の「讃岐山脈南縁東部」、それに徳島県から愛媛県にかけて通る「区間6」の「讃岐山脈南縁西部」です。想定される地震の規模は、区間3から5は、マグニチュード7.2程度から7.7程度で、長さがおよそ80キロある区間6の「讃岐山脈南縁西部」は「8.0程度もしくはそれ以上」と評価されました。今後30年以内の発生確率は「0.1%から3%未満」です。
<Zランク>
また、3番目の「Zランク」と評価されたのは、奈良県にある「区間1」の「金剛山地東縁」、愛媛県にある「区間7」の「石鎚山脈北縁」、愛媛県内から愛媛の西の沖合にまたがる「区間9」の「伊予灘」、それに愛媛の西の沖合から大分県にまたがり、今回新たに加わった「区間10」の「豊予海峡ー由布院」です。地震の規模は、区間1と7、それに10がマグニチュード6.8程度から7.8程度と想定され、長さが90キロ近くある区間9の「伊予灘」は「8.0程度もしくはそれ以上」とされています。今後30年以内の発生確率は「0.1%未満」です。
<Xランク>
そして、4番目の「Xランク」と評価されたのが、奈良県と和歌山県にまたがる「区間2」の「五条谷」で、マグニチュードは7.3程度と想定されています。発生確率は不明なものの、すぐに地震が起きることが否定できない活断層です。
きっかけは熊本地震
去年4月の「熊本地震」を引き起こしたとされる断層帯の一部の区間でも、地震が起きる前、今後30年以内の発生確率が「ほぼ0%から0.9%」と評価されていたため、危険性が正しく伝わらず、かえって安心情報になったという指摘が出ました。
「発生確率のランク」は、これを教訓に導入されたもので、地震調査研究推進本部のホームページで公表されています。
「主要活断層帯」は114に
「主要活断層帯」は内陸や周辺海域にあり長さがおおむね20キロを超え、地震が起きた場合、社会的、経済的に大きな影響を与えるため、国が重点的に調査や評価を行うものです。
この中には、全長がおよそ160キロと「中央構造線断層帯」に次いで2番目に長い「糸魚川ー静岡構造線断層帯」や去年4月の熊本地震を引き起こした「布田川・日奈久断層帯」などが含まれます。
このうち、今回、「中央構造線断層帯」が大分県まで延びているとされたことを受けて、大分県東部の別府湾の海底から大分県西部にかけてのびる「別府ー万年山(はねやま)断層帯」の評価が見直され、一部の区間が「中央構造線断層帯」に含まれたほか、残る区間に新たに2つの主要活断層帯が作られました。
具体的には、これまで「別府ー万年山断層帯」を構成していた、「別府湾ー日出生(ひじう)」、「大分平野ー由布院」、「野稲岳(のいねだけ)ー万年山」、それに「崩平山(くえのひらやま)ー亀石山(かめいしやま)」の4つの区間のうち、「別府湾ー日出生」の東部と「大分平野ー由布院」が「中央構造線断層帯」に組み込まれました。
また、「別府湾ー日出生」の西部は、周辺の断層も含めて新たに「日出生断層帯」となり主要活断層帯に認定されました。
新たに認定された「主要活断層帯」のうち、「日出生断層帯」は大分県の日出町から玖珠町にかけてのびる長さおよそ40キロの断層帯で、全体がずれ動いた場合、地震のマグニチュードは最大で7.5程度となり、地震発生の危険度を4段階で示す「発生確率のランク」は、3番目の「Zランク」とされました。
また、「万年山ー崩平山断層帯」は、大分県の由布市から日田市にかけてのびる長さおよそ30キロの断層帯で、全体がずれ動いた場合、最大でマグニチュード7.3程度の地震が発生する可能性があり、こちらも危険度は「Zランク」とされました。
一方、中央構造線断層帯に組み込まれた「別府湾ー日出生」の東部と「大分平野ー由布院」の2つの区間については、新たに「豊予海峡ー由布院」とされました。この区間は、全体がずれ動いた場合、最大でマグニチュード7.8程度の地震が発生する可能性があり、こちらも「Zランク」と評価されました。
「主要活断層帯」以外も順次公表
しかし、平成16年に起きたマグニチュード6.8の「新潟県中越地震」など、マグニチュードが7を下回る地震でも大きな被害が出たことなどから、4年前の平成25年から「主要活断層帯」以外の活断層も含め、各地域ごとにマグニチュード6.8以上の地震が起きる確率などの公表を始めました。
「地域評価」は、4年前に九州が公表されたあと、平成27年に関東、それに平成28年に中国地方が公表されていて、今回の四国が4例目となります。
今回は、「中央構造線断層帯」と香川県にある「長尾断層帯」の2つの主要活断層帯のほか、香川県にある「上法軍寺断層」、徳島県にある「上浦ー西月ノ宮断層」、それに徳島県と高知県にまたがる「綱附森(つなつけもり)断層」の合わせて5つを対象に評価しました。その結果、いずれかの断層が動いて今後30年以内にマグニチュード6.8以上の地震が発生する確率は「9%から最大で15%」と推計されました。
地震調査委員会は、次は、近畿と東海、北陸の「中日本地域」の評価について、検討を進めることにしています。
大分県広瀬知事 「活断層の連動が心配」
原子力規制委「審査結果に影響しない」
四国電力「原発の安全性に大きな影響はない」
政府の地震調査委員会(委員長・平田直東京大教授)は19日、北海道東部沖の太平洋で、大津波を伴うマグニチュード(M)9級の超巨大地震の発生が「切迫している可能性が高い」との予測(長期評価)を公表した。道東沖では340~380年間隔と考えられる超巨大地震が約400年前に発生。北海道大の研究では、この時の津波は海抜20メートルを超え、沿岸から4キロ内陸まで浸水したと推定されている。同時に四国地域にある主な活断層の長期評価も公表。近畿から西に延びる「中央構造線断層帯」は四国を横切り、大分県に及ぶと評価を改めた。断層帯の長さは360キロから444キロになった。(引用ここまで)